まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

福井農家型民家の美しいまち並み

2012-07-17 17:45:45 | 建築まち巡礼大学院 Research Tour

7月2日から4日にかけて研究室メンバーで、越前福井を視察しました。

今日はその2。7月4日最終日、福井県庁前のホテルから、南西方向、越前町をめざしました。

まずは下の写真をご覧ください。

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越前町江波。高台の小学校から撮っています。

「妻側を柱と梁で格子状とした漆喰塗りの切妻屋根の農家」というのが「福井の伝統的民家(これについてはあとのブログで説明します)」の一つの典型です。しかし、これは美しい。

江波の民家を仔細に見ることはできませんでしたが、隣接する樫津集落のM邸(福井県庁のT氏から紹介してもらいました)を紹介します。

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こちらのお宅は相当手広く多角経営をされていますが、とくに家自体がほかよりも特別に大きいということではありません(下写真)。

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周りのうちも似たような形式です(下写真)。

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この地域の民家には共通の形式があります。これらは以前茅葺だったものが明治以降建て替えられたのですが、そのときにこういう形式が「はやった?」ものと推測されます。もともと下屋の部分は土間と馬やだったという話ですから、以前茅葺の時代の本屋から角家として飛び出た部分がこの下屋に相当すると思われます。

地元の福井工業大学や福井大学の先生方がこの「ふくいの伝統的民家」制度には深く関わっておられるとのことでしたので、民家としての系譜についての研究もあるものと思われます。