まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

ミレニアムパーク

2008-11-24 21:17:55 | 海外巡礼 Asia America

シカゴ建築を一望するならまちの東側を南北に走るミシガンアヴェニューに沿って歩くとよいようです。さらにその東側にはとても楽しいミレニアムパークがあります。

印象に残ったシーンを紹介します。

まずはF.ゲーリーの野外劇場。ステンレス製のリボンが踊るのは彼らしい造形だと思いますが、芝生席(4,000の固定席以外に7,000の芝生席)の上空にはステンレスのぶどう棚(Trellis)が飛び交っています。実はこれが野外劇場の音響システムなのです。

ゲーリーの作品はモニュメント的なものしか見たことがありませんでしたが、この「劇場」はファンタスティックです。巨大なのに妙に親しみを感じさせる、空間の存在を感じます。

なおこの野外劇場はJay Pritzker Pavilionといいます。あのプリッツカー賞の創設者、シカゴの実業家にちなむものです。

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雲の門(Cloud Gate)という作品です。Anish Kapoorという英国人の作品です。高さは10mほど、長さも20m弱、ゲートとなっている人の入り込めるスペースも高さ3.6mもあります。

この巨大さがまずすごい。そしてその巨大さの中に入り込めること、さらにそこに入り込むと自分や周囲の人、そして誇るべきシカゴ建築を映しこんだ親密なスケール感があるということにおどろされます。

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これまた印象的です。クラウンファウンテン(Crown Fountain)といい、Jaume Plensaの作品。両端にある高さ15mガラスブロックの塔には人の顔が映し出されます。これはシカゴ市民の顔です。これだけでも非常に不思議な感じがするのに、その口から泉が噴出してきます。普通だと彫刻の動物の口から出てくる水がシカゴ市民の口から湧き出てくるというのは素敵なアイデアです。

右の写真はこの公園の東(ミシガン湖側)にあるschool of the art institute of chicagoで、現在レンゾピアノの手で増築中。

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani


2つのアトリウム

2008-11-24 01:17:29 | 海外巡礼 Asia America

シカゴで見た2つのアトリウムを紹介します。

 

一つ目は、サンタフェセンター(1904、 D.バーナム)のもの。私たちはこの建物の1階にあるバーガーショップ(?)で昼食をとりました。

 

 

 

 

 

昔の丸ビルのように中心に光庭(light well)をもつビルディグスタイルは1880年代半ばからD.バーナムが普通に用いていたスタイルのようです。外壁はは白いテラコッタですが、最上部には丸窓が並ぶ特徴的な外観をもっています。

 

ここにD.バーナムの事務所もあり、20世紀前半のアメリカシティビューティフル運動の原点となる1909シカゴ計画はここで作られたとのことです。

 

 

 

現在は光庭の底に当たる2層分がガラスの天窓を持つアトリウムに改装されています。このアトリウムに面した部分にシカゴ建築財団(The Chicago Architecture Foundation)のオフィスとギャラリーがあります。CAFNPOであり、シカゴ建築のすばらしい伝統を市民に伝えることを目標に建築ツアーや様々なエクスビションを行っています。市民や多くの企業などによって支えられている組織のようです。

 

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二つ目はすばらしいドームです。

これはC.A.クーリッジ設計のシカゴカルチュラルセンター(もとの図書館)のPreston Bradley Hallです。

 

ガラスのドームと壁のモザイクはルイス.C.ティファニーのデザインです。

        

 

 

 

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