晩秋のこの時期、大菩薩嶺に登るのは初めてだった。上日川峠に着いたのはもう少しで10時になろうとする時刻。雨は降ってはいないものの青空は全く見えない。昼からは晴れるという予報に期待してやって来たのだが……。
峠は既にガスに覆われ始めていた。ロッジ長兵衛前の駐車場には車が5台。
落ち葉が敷き詰められた山道を行く。
ガスは濃くなったり、かと思うと晴れ上がったりしている。
30分もしないうちに福ちゃん荘に着いた。
立ち込める朝霧の中、木々の紅葉が油絵の具を塗ったようでぬめぬめしている。まるで触れると色が移るように濡れて光っている。
カラマツ林に入る、すっきりとした直線が美しい。
小一時間ほど登った辺りで樹林帯を抜けた。足元にリンドウが咲いている。
稜線に立つ雷岩が見えてきた。
左に折れ大菩薩嶺へと向かう
雷岩からは10分もかからなかった。風の当たらない頂上では、2組ほど早めの昼食をとっていた。
立ちはだかる倒木の根っこ
ガスの中のデッドツリー
ガスの晴れるのを祈りつつ、いつもより歩を緩めゆっくりと歩く。
コウリンカ
すっかり黄葉したカラマツの幼木
一瞬ガスが消え薄日が差すこともあるのだが、すぐに稜線下から立ち上ってきて視界は再び利かなくなる。
賽ノ河原の避難小屋が見えてきた。晴れていればその先の高みに富士が浮かぶのだが…。
12時半前、大岩の陰で昼食とした。目の前の岩に鳥が遊びに来た、どうやらコルリの雌のようだが、夏鳥なのにまだいるのだろうか。
稜線上は一部を除いてほとんどの木が葉を落としている。
昼食を終えてからもガスの晴れるのを待ったのだが、一向に消えてくれそうにもない。諦めて歩きだすと、眼下に介山荘が見えてきた。
<この先石丸峠に向かったのだが、長くなったのでこの辺で>