野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

麦草峠から白駒池を歩く

2010-10-15 | ハイキング
 北八ヶ岳を横断するメルヘン街道を登りきって、麦草峠に着いたのは午前7時40分。麦草ヒュッテの周囲には幾つかの無料駐車場がある。車を止め、手早く身支度を済ませてから朝食をとった。 
 朝靄は晴れては来たものの、空には雲が多い。この地は2100mをこえる標高だが、思ったより空気に肌寒さを感じない。8時を過ぎたところで持ってきた薄手のセーターは車に残し、ヤッケを着こんで出かけることにした。




 麦草ヒュッテの右脇を通って軽く登っていく。シカ除けのフェンスが設けられてあった。もうすでに霜の落ちる季節なのか、高原の花は枯れ落ちてしまったようで殆ど見当たらない。

 ゴゼンタチバナの実



 ハハコグサ




 倒木を覆う青苔がきれいだ




 シラビソやコメツガの針葉樹の森の中を歩いていると、時折はっとするような紅葉に目を奪われる。




 30分ほど歩いたろうか。そろそろ池が近くなってきたようだ。針葉樹から白樺やダケカンバなどの広葉樹が多くなってきた。



 






 歩き始めて30分、木々の間から白駒池が見えてきた。



 白駒荘が見える。早くも数人のカメラマンが三脚を立てているのが見える。



 ドウダンツツジの目を灼き尽くすような紅葉が何とも派手だ。






 池を反時計回りに歩き、白駒荘前までやってきた。十数人の人が穏やかな談笑を交わしながら憩っている。







 生憎の空模様だ、予報では昼にかけて晴れ間が差すというのだが……。









 池を回っていくごとに光線が変わるのか、色合いも微妙に変化していくが面白い。









 対岸の白駒荘が見える所まで回ってきた。この辺りは駐車場が近いせいか、人の数が少しずつ増え、街の喧騒をそのまま持ち込む観光客が大声を交わしている。







 池の水面の色が変わっていくのは、水の中に生える水草のせいもあるのだろうか












 池一周はゆっくり歩いても30分はかからない。一周して青苔荘のところまでやってきた。風情のある小屋だ。小屋の前で見頃を聞かれた主人が「見頃はいつかと聞かれたって、場所にも木にもよるからねぇ、そんなことは言えねぇよ」と笑いながら観光客に向かって話していた。













 この後は池を離れ、再び駐車場まで戻った。 

薬用植物園に咲く花たち

2010-10-13 | 植物園
   ツリバナの真っ赤な実



 久しぶりに、東大和市にある都立薬用植物園を訪ねた。といっても近くなので、今年の梅雨時に八重咲きドクダミを見に来て以来なのだが…。



 花弁の幅広いシュウメイギク(秋明菊)は菊の字が付くがキク科ではなくキンポウゲの仲間。




 最近は庭の花としても重用され、色形も様々なものを見かけるようになってきた。



 ホトトギス(ユリ科)も咲き始めた。



 ハッカは枯れ始め




 スイカズラの仲間、ツキヌキニンドウ




 これはなかなかお目にかかれないヘビウリの花




 ハギの仲間




 造花のような花、ショウガの仲間らしい




 こちらはドライフラワーのようなムラサキバレンギク




 フェアリースター(ヒメニチニチソウ)とあった。花はふつうのニチニチソウと比べて二回りも小さい。



 温室に入ってみた


 最近庭の花として良く見かけるのだが、名前のメモを忘れた。


  
 咲きかけたマユハケオモト



 カカオの花はいつ来ても咲いている。



 忘れた




 ブルージンジャー




 花だけでなく秋は実の観察も楽しい。

 ブドウの実と見紛うオオツヅラフジ



 コムラサキ、別名コシキブ。山地で見かけるムラサキシキブに比べると、花も実も派手だ。




 ツリバナは普通に山地に生える小低木。晩春に小さな可愛らしい花を咲かせるが、秋の実も目を楽しませてくれる。




 ノブドウの実はグラデーションが美しい




 濃い紫色の実を持つフジマメ。平安時代に帰来した記述があり、異名も数多い



 古代米の一種




 約一時間の在園だったが、目を楽しませてもらった。十年一日の如く変わらなかった薬用植物園だが、最近は方針が変わったのか、ガイドボランティア制を導入したり、飲食できるテラスを作ったりしている。私が訪ねた時は、奥の古臭いトイレを壊し、入口近くに新しいトイレ付設の工事をしている所だった。








陣馬山から醍醐丸を経て檜原街道へ

2010-10-09 | ハイキング


 高尾駅から9時半過ぎの西東京バスに乗った。陣馬高原下に着いたのは10時10分頃だから、40分近くも乗っていたことになる。バス代は540円。



 早速歩き始める。シュウメイギクの紅色が目につく



 路傍の石碑の脇に雛人形が置いてあった。



 車一台がやっと通れるほどの狭い沢沿いの道を登っていく。

 ツリフネソウの群落



 20分ほどで分岐を左に折れる。



 山道では地味な秋の野草が迎えてくれる。
 ミゾソバやツリフネソウなど



 セキヤノアキチョウジ、キバナアキギリ、シロヨメナ、トリカブトの仲間



 オクモミジハグマとカシワバハグマ



 キノコの仲間も数多く顔を出している。



 前夜から未明にかけての雨の名残か、山道にはヒキガエルが多い



 






 針葉樹林の下は殺風景な登りとなるが、時折日が差す一角では、シモバシラの白い花が目立つようになってきた。丁度花が旬を迎えているようで、今まで何度も見かけているのだが、こんなにきれいな花だとは思わなかった。






 一時間足らずで頂上近くの分岐まで来た。




 山栗が転がっている。イノシシの仕業だろうか、山の斜面が掘り返され、落ちているクリも一部が食べられた跡があった。私も虫食いのなさそうな山栗を、2,30個ポケットに収穫した。帰ってから茹でて食べたのだが、山の風味が感じられてとても美味しかった。



 終わりかけのメタカラコウ







 倒木の木の間から覗いたキバナアキギリ



 サラシナショウマ




 クサボタン

 頂上直下のお花畑に未練を残しながらも、昼時も近いので上を目指しもうひと登りした。





 陣馬山の名物、キリンと見まがうほど首の長い白馬が見えてきた。

 この像は1950年代に観光の目玉として京王電鉄が建てたもの。一番最初に見たときにはあまりにも俗っぽくて嫌な気がしたのだが、何度か登るうちに妙に親近感を覚えるようになってきたのはどういうわけだろう。


 



 頂上には平日なせいか、12,3人ぐらいの登山客しか見られなかった。殆どの人は軽装で和田峠から登ってきたようだ。




 頂上付近を観察していると、ネジバナを発見。ハイカーの靴についてきた種が日当たりの良い頂上で、時季外れに開花したようだ。






 彼岸花も咲いていた



 この赤い木の実はウメモドキだろうか




 ただ一軒だけ開業していた茶店で缶ビールを買って、休業中の富士見茶屋の長椅子を借りて昼食とした。天気は良いのだが、雲が多く生憎展望はきかない。昼食後30分ぐらい寝転がって、秋の風に当たりながら雲の晴れるのを待ったのだが、残念ながら富士は雲の向こうから姿を見せてはくれなかった。

 頂上からは和田峠に降りた。



 醍醐丸方面に向かう。

 頭の赤くなりかけたマムシグサの実



 山道の小さな苔むした祠



 嬉しいことにテンニンソウに出合えた






  醍醐丸からは吊尾根を通って市道山に向かう。陣馬山界隈から外れるとハイカーには殆ど出会わない。こんな静かな山行を味わうために来たようなものなので嬉しい。
 赤い実はツリバナだろうか、それともマユミかゴンズイか。梢を吹きすぎる風に揺れている。



 ヤマジノホトトギスも僅かながら見られた。



 市道山から先の分岐は左折し、笹平方面に向かって下山。雨で滑りやすい山道を一時間ほどかかって笹平バス停へ着いたのが午後三時半過ぎ。生憎三時台のバスはなく、次は16時半頃なので本宿場前まで歩くことにした。
 途中見かけた、タデ、ヤマハギ、キンモクセイ、カラタチの実。秋の草花が多い。



 山間の田んぼも収穫の刻を迎えていた。



 遅れてきたバスに乗り、武蔵五日市駅から電車に乗って家に着いたのは6時半前。総時間約7時間、歩数は2万6千歩強。天候にも野の花にも比較的恵まれた良いハイキングだった。
 

平林寺から睡足軒の森へ

2010-10-07 | 散歩
 秋の彼岸花の風情を楽しみたいと、通勤途中新座市にある平林寺に寄った。





 久しぶりに訪ねたら、入山料が500円と上がっていた。入口すぐの山門。






 山門そばの高野槇の巨木









 本堂。入山料はしっかりとるのだが、境内には立ち入りできないところがやけに多い。













 梅園の中の小さな祠



 池の中の鯉がどういうわけか一か所に集まっていた。









 境内を流れる野火止用水にかかる小橋



 松平家の墓所



 やっと林の中に彼岸花を発見



 野火止塚



 紅葉の時季にはまだひと月以上ある



 境内林をぐるっと廻ったのだが、期待していた彼岸花の群生は見ることができなかった。







 時間に余裕があったので、すぐ近くの睡足軒の森にも寄った。森とはいうもののゆっくり回っても5,6分で済んでしまう広さ。まあ、ちょっと大きめの個人の庭といった所。この時はお茶会や高村光雲の展覧会が催されていた。









 もともと寺の建物にはさほど興味がないので、今回は少し期待外れの寄り道となってしまった。

水元公園ー彼岸花のある風景

2010-10-03 | 公園
 花菖蒲以外の季節に水元公園を訪ねるのは初めてだった。



 公園の中を流れる用水は緑の川となっていた。



 グリーンプラザの裏手にミニ植物園がある
シュウメイギク



 サイシュウヤマラッキョウとあった。






 ダンギク




 カリガネソウ



 水生植物園の一角へ






 小さな田んぼには手製の案山子があった






 ヒガンバナは真紅で押しつけがましいほど派手な色形をした花なのだが、花期が短いので何故か許せるような気になる。







 チカラシバに纏わりついて






 バードサンクチュアリ。ササゴイがひっそりと佇んでいた。



 チュウサギ、すぐ脇を通ったのにそのまま逃げずにいてくれた、なんか嬉しい。



 記念広場から水元大橋



 ほんの少しだけ紅葉を始めたメタセコイアの森




 文字通り彼岸に咲いた彼岸花







 自転車に生活道具一切を乗せた老人、視線の先に何を見つめているのだろう



 橋を渡って花菖蒲園の辺りまで来た。













 暗い水たまりを背景に真紅の花が妖艶さを増す



 風が止み、空気も熱を失い、少しずつ色を帯びてきたようだ。









 こんな黄昏時にはブルースが聞きたくなる。例えば今年の初めに死んでしまった浅川マキの唄った「セントジェームス病院」のような、魂に切なく響くブルースがたまらなく恋しくなる。