野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

縞枯山から雨池に下る

2010-10-17 | ハイキング
 <前回からの続き>
 麦草峠の駐車場に戻って、そのまま縞枯山方面に向かった。麦草ヒュッテ前を左に折れ、右に茶水池を見ていく。



 すぐに鬱蒼とした森の中に入る。






 まだ咲き残っているミヤマコゴメグサやアザミに会えた。朝晩の霜に耐えてなお頑張っている姿が愛おしい。






 苔むした岩の上に黄葉したミヤマカタバミの葉が見える。



 笹藪の道を登っていると15分もしないうちに大石峠の分岐までやってきた。



 真紅の実はやはりゴゼンタチバナの実なのだろうか。それともマイヅルソウの実か。



 中小場(2232m)まで登ってきた。この辺りで時折ガスが見られるようになってきた。






 そこから150mほど登って茶臼山



 茶臼山からいったん下って登り返すと縞枯山だ。山の名にあるように立ち枯れた木が周囲を覆い始める。






 色を失った世界に、ぽつんと残されたナナカマドの実が、宝石のように輝きながら残り日を燃やしている。




 紅葉の盛りを迎えていた白駒池から、僅か標高差400mの登りで風景は一変する。生き物の気配の薄れた、立ち枯れた木の間を歩いていると不意に道が行き止まりになったように見えた。小さくスペースがつくられてあり、そこにポツンと頂上の標識があった。どうやらここが縞枯山(2403m)の頂きらしい。



 見晴らしの利かない頂上なので素通りすることにした。右下に急な下り道が20分ほど続き、二組ハイカーと挨拶を交わした後八丁平に着いた。一人の登山者が風除けしながら、コンロを炊いている。こういう姿を見ていると、自分もコンロを持って来れば良かった何時も思う。それなのにいつも忘れて持参しない。
 嬉しいことにガスが晴れ、前方北横岳、蓼科山方面に青空が覗いてきた。



 八丁平から更に30分下ったところでやっと林道に出た。この辺りで標高2100m、300mほど下ってきたことになる。白樺やブナの紅葉をみていると、無彩色の世界から再び色のある世界に帰還した気分になりほっとする。






 この林道は一般車が立ち寄れないので、歩いていても体に負担が全くないので、心がのびやかになり何とも楽しい。



 ナナカマドの実が輝き、世界を祝福している。



 林道脇の標識に雨池と書いてあった。そこを左折して下ること10分、前方に雨池が見えてきた。水が少なく、池の半分以上が干上がっている。







 白駒池とほぼ同じぐらいの大きさで、一周するのに半時間もいらない。






 どこにボート置き場があったのか、ボートに乗っている人がいた。



 エゾリンドウの枯れ残り



 白駒池に比べてドウダンツツジが少ないせいか、派手さのない紅葉でこちらの方が落ち着いて風景を楽しめるようで寧ろ好ましい。






 休憩用のイスが置いてある所でザックを置いて、少し遅めの昼食とした。車で10分で立ち寄れる白駒池と違ってアプローチの悪いこの雨池(徒歩で最短1時間かかる)は、その分だけ人が少なくゆっくりと穏やかにいられるのが魅力だ。水面を吹き渡ってくる風に身をさらしながら、流れゆく雲を目で追いやり、たおやかな紅葉を愛で、暫く静かな時を過ごした。

 雨池からは笹原の木道を通り、林道を横切った。原生林の中を一時間ほどの登りで麦草峠傍の茶水池にたどり着いた。