野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

夏は睡蓮

2010-08-04 | 植物園
 


 8月になるのを待ちかねたかのように、蝉が一斉に鳴きだした。蝉の鳴き声に煽られたように灼きつく日差しが暑い。連日猛暑が続く中、せめて眼だけでも涼を楽しもうと深大寺植物園を訪ねた。



 すっかり花の少なくなったバラ苑



 直径20cmをこえるアメリカフヨウはハイビスカスの仲間、蕊がそっくりだ。




 温室の前にある池に夏の間だけ西洋スイレンが移される。











 これはオニバスの花







 よく見ると池の底にヤゴの抜け殻が大量に見られる。睡蓮の穂先には羽化したばかりのトンボがしがみついていた。




 大きなハスの葉の上では、体色をまだら模様に変えたアマガエルが一匹だけの日向ぼっこをしている。









 温室の中にも入ってみる。




 大きなオニバスの葉の上に見えるのは、枯れ落ちたサガリバナの花だ



 アストロメリア



 仄かな甘い香りを放っていたイエライシアン(夜来香)




 温室を出て併設されている水生園の方まで足を伸ばした。

 深大寺前界隈の茶店



 水生園はハナショウブも終わって、今はミソハギが見事な群生を見せていた。






 もう一度園内に戻った。ムクゲ園を見た後、芝生広場の木陰のベンチでアイスクリームをほおばりながら休んだ。芝生の上では子供たちが幸せな嬌声をあげ、その上では空が心の中の澱を全て吸い取ってくれるかのように何処までも澄み切っていた。






 耳の中にふと童子の歌が聞こえてきた。

 「逆行線


まぶしい夏


 もうひとつ「孤立無援の唄

 2010年夏の真っ盛りの日、あるかなきかの風が芝生の向こうから吹いてきた。私は羽化し終えたばかりのトンボさながらに、吹き出る汗に体を湿らせ、世界の眩しさに今更ながら戸惑っていた。





 この辺で。