落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

かっこよくてもダメですよ

2010年09月15日 | movie
『告白』

中学校の真冬のプールで、1年生の担任教師・悠子(松たか子)の4歳のひとり娘が水死。警察は事故と断定するが、3学期の終業式当日、悠子はホームルームでこのクラスに犯人がいると語り始める。犯人の名を明かさないまま悠子は中学を去り、生徒たちは何事もなかったかのように2年生の新学期を迎えるが・・・。
湊かなえのベストセラー小説を『嫌われ松子の一生』『下妻物語』の中島哲也が映画化。

先日、アカデミー賞外国語映画賞に日本作品代表としてエントリーしたとゆーニュースがありましたけど。
うーん・・・そんなにいいかな?これ?ぐり的にはしょーじきイマイチなんだけど。少なくとも名作とか傑作とかゆーレベルではないと思う。
個人的に中哲さんって映画ってよりCMの監督って認識なのね。だからヴィジュアルの完成度はとにかくスゴイと思うのよ。いつも。ハンパなく。ってか無駄に完成しすぎてんの。だからこういう心理劇みたいな作品になってくると逆にリアリズムから遠くなってっちゃう。完璧すぎて。今回はとくにPVばりにハイスピード撮影使いまくりで、途中かなり食傷したね。映像的には確かに綺麗なんだけど、あそこまで濫用する意味はないかと。むしろ緊張感がなくなってダルくなっちゃった気がする。

あと登場人物の大半が中学生だから、なんぼがんばってもやっぱし限界あるじゃないですか?テクニック的に?なのにメインキャラクターが3人だけってのもキツかったんじゃないかと思う。ストーリーも一面的になりがちだし。
あるいは悠子の復讐×復讐される生徒たちとゆー二元構造を強調したかったのかもしれませんが、題材が題材だけに、もうちょっときちっと腰の入った相関関係でクラス全体の空気感を表現してほしかったです。ちゃんと役名のある生徒3人だけの「告白」で『このクラスは異常です』とかいわれても説得力ないよ。
原作がどーなのかはわかんないけど、これだとあまりに淡々としてて復讐劇としても盛上りに欠けるし、世界観の奥行きも感じられない。

松たか子の演技はとりあえずすばらしかったです。
けどそこ以外はとくになんとも。

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