落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

世界の二宮

2010年06月19日 | movie
『青の炎』
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貴志祐介の同名小説を蜷川幸雄が映像化した青春ミステリー。
17歳の高校生・秀一(二宮和也)は母(秋吉久美子)と妹(鈴木杏)と三人で暮す家にいついてしまった継父(山本寛斎)が酔って暴力をふるうのに堪えかね、法律でも追い出せないと知って完全犯罪を計画するのだが・・・。

世の中には画面に映ってるだけで作品のグレードがあがってしまう天才役者とゆーのがタマにおられますけれども。
ぐりは二宮くんは間違いなくそのひとりだと思う。贔屓目でもなんでもなく、そう思う。
小柄で童顔で、整ってはいるけど人目を惹くような目立つ容貌でもなんでもないし、ぶっちゃけていえばどこにでもいるようなふつうの男の子だと思う。演技はごく自然で、とりたてて変わったことをやっているわけでもない。それなのに、彼がそこにいるだけでものすごい説得力がある。なんだかわけのわからないままに、物語にずるずると引き込まれていってしまう。キツネにつままれたような気分である。
これは7年前の作品で単独主演では初めての映画。その後『硫黄島からの手紙』でハリウッドデビューもしたニノちゃんだけど、今年は『大奥』も公開されるし来年は『GANTZ』二部作も控えている。時代劇にSFアクションですよ。両方超大作。スゲー。よほどのことがない限り、おそらくこのままいけば日本映画界を代表する大物俳優になっちゃうんじゃなかろーか?とゆーくらいの着実ぶりです。なんだかな。
ぐりはTVを観ないのでよく知らなかったんですが、彼はピアノやギターが得意で作詞作曲もしてて、趣味のカードマジックはプロ級なんだってね。はあー。

そんなニノちゃんネタはおいときまして。
つうかね、この映画、二宮くん以外なんもないです(爆)。ダメダメです。どーした世界の蜷川。やっぱ舞台と映画じゃ勝手が違うってことなの?まあ違うんでしょうねえ。
とりあえず全体にメリハリがない。主人公が継父に抱く殺意の裏づけがもっそい薄いうえに、その後の展開もチョー段取りです。これじゃあ盛上りもなにもない。どこがいちばん見どころなのかまったくわからない。あ、二宮くんが見どころなの?さいですか。けどあややなんか完璧に添え物状態でもったいなすぎだよ。添え物といえば秋吉久美子も鈴木杏もそーだったし、カメラワークとかライティングとか編集もすっげーやっつけだし。監督自身ニノちゃんしか見てへんかったんちゃうかな〜?
だいたいシナリオがダメダメです。台詞とかモノローグとか半分以上いらんもん。二宮くんがカセットテープに話しかけるシーンとかまったくいらない。これ何回も出てくんだけど、全部いらんと思う。これがあるばっかりに、映画なのに妙に演劇っぽくなっちゃってクッサイクサイ。一生懸命演じてる二宮くんがなんだか気の毒になってしまう。

物語の舞台は鎌倉・湘南なので、この周辺の風光明媚なスポットがやたらめったらフューチャーされているんだけど、ストーリーや題材にこの景色はいっさい関係がない。
こーなったらアレですね、カネのかかった映画のコケるパターンにきっちりハマってることがわかっちゃいますね。世界の蜷川+アイドル二宮和也+あやや+鎌倉・湘南、とゆーおいしい要素だけ揃えて一丁上がり、あとの仕上りとかどーでもえーわ、とゆー。
あんまし観客ナメちゃいけませんよー。つか真面目にやってる出演者がかわいそうでしょう。もったいないよう。

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