落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

リリー・オブ・ザ・バレー

2003年11月10日 | movie
久しぶりに自主制作映画 『リリー・オブ・ザ・バレー』を観て来ました。
監督はお若い方のようですが、意外と(失礼)ちゃんとまとまってて面白かったですヨ。うん。
お話はプチ・サスペンス風ラブストーリーと云う感じの・・・ヒロインが恋人に他の女性の影を見て揺れる、みたいなシンプルなストーリー。

このヒロインの恋人や友人が画家と云う設定で実際に二枚の油絵が重要なアイテムとして登場するのですが、実は美大で油絵を勉強してたぐりにとって、フィクションに登場する「絵」くらいこそばゆいものはない。
誰だってそうですよね?例えば看護師さんやお医者さんは病院ドラマがこそばゆいし、おまわりさんは刑事ドラマがこそばゆい。
特に「絵」は当然ビジュアル的な影響力がかなり大きいので、映画やドラマに出て来る画家や絵は大抵がめちゃくちゃイタかったりします。だってこんなの受験生が描いた方がまだマシってくらいド下手だったり、今どきこんなの誰も描かねーよってのがストーリー上で‘絶賛’されてたらやっぱり・・・ねえ。
そりゃ他の視聴者・観客から観りゃどーっちゅーことないだろーけど。

でも『リリー…』に出て来る絵は結構魅力的な絵でしかも分りやすくて、珍しくぐり好みな絵で、作品の完成度にもよく貢献してました。
まぁまぁ上手だし、かと云って変にアカデミックでもマニアックでもなくて、個性もある。それなりの世界観はあるけど極端にキテレツでもないし、かと云って何か特定の画調に迎合してる訳でもない。簡単に云えばすごく「らしい」絵でした。何よりミョーなタイトルなんかがついてなかったのが良かった。
この絵を描いたと云う設定の、ヒロインの恋人の人物描写にもなかなか頷けるものがあったしね。ラストシーンが笑えます。上映中誰も笑ってなかったから、ヨロコンでたのはぐりだけかもしれません。

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