『PTU』
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B0009VEBQO&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
すんごい台詞が少なくて驚き。必要最低限以下の台詞しかないです。ホントに少ない。
これってたぶん中国人の民族性だと思うんだけど、中国語圏の映画って大抵すっごく台詞が多いのね。聞くところによれば、日本では「沈黙は金」とも云うように寡黙さや言葉を介在させないコミュニケーションも美徳のひとつとされるけど、中国ではいかに喋れるか、話術が巧みであるかがその人の社会能力を示すとも考えられているような傾向があり、だから中華電影に出て来る人物ってみんなよく喋る。だからこう云う台詞の少ない映画は香港映画じゃ珍しい部類じゃないかなぁ。全くなくはないけど。
珍しいと云えば香港のエンターテインメント映画って大体スターとかアイドルが出てるけど、この映画にはそれらしい人は出ていない。ぐりが知らないだけで出てんのかもしんないけどね。強いて云えば任達華(サイモン・ヤム)はスターっちゃスターだけど。黄浩然(レイモンド・ウォン)はアイドル・・・じゃないよね?
PTUってのは字幕だと「機動部隊」となってるけど日本の機動隊とは全然別個のものです。正式名称は民衆安全服務隊(茶通さんの香港電影迷宮+blog参照)。いわゆる憲兵ってやつじゃないですかね。イタリアにいるカラビニエリ。おまわりさんよりしっかり武装してて、主な職務は小隊単位でのパトロール、治安維持の最前線処理。
だからハードボイルドアクションと云えど『インファナル・アフェア』とかみたいに大スターがバンバン出て来る警察の花形とは全く違う、警察組織でも最底辺のひとたちが主役のお話です。舞台は香港の繁華街でのある一夜。チンピラグループに銃を盗まれたノンキャリアの刑事(林雪ラム・シュ)が、馴染みのPTUと協力して朝までに銃を取り返そうと奔走するのだが、問題のチンピラのリーダーが殺されてしまい・・・さぁどうなる、みたいな。
ぶっちゃけた話、物語自体はシンプルだし目新しい意外性はあまりない。ただ香港金像奨監督賞を穫っただけあって演出はすごくスタイリッシュ。これから何が起ころうとしているのか、夜の暗闇の向こうに潜んでいるのは一体何なのか、と云うぴりぴりとした緊迫感と臨場感の再現性はとにかく素晴しい。
今思ったけど、これってテニスの試合の空気感と似てますね。「お願い誰か何とか云って〜」みいないたたまれなさを感じる沈黙、ひとりであれこれ工作する刑事とパトロールの延長で銃を探すPTUとのシーンが交互に出て来る構成とか、ちょうどコートのあっちとこっちで同時進行なドラマって感じで。
異様なまでに徹底して無表情な主人公(任達華)、常に真上から人物を照らしだすハイコントラストなライティング、背景音を誇張した音響、台詞が無いことによって生まれる奇妙な間など、全編の統一感も無理がない。
難を云えば台詞が少な過ぎて緊張感のあまり観客の方も疲れて来るってとこぐらいでしょうか。でもホント、よく出来た映画だと思います。拍手。
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すんごい台詞が少なくて驚き。必要最低限以下の台詞しかないです。ホントに少ない。
これってたぶん中国人の民族性だと思うんだけど、中国語圏の映画って大抵すっごく台詞が多いのね。聞くところによれば、日本では「沈黙は金」とも云うように寡黙さや言葉を介在させないコミュニケーションも美徳のひとつとされるけど、中国ではいかに喋れるか、話術が巧みであるかがその人の社会能力を示すとも考えられているような傾向があり、だから中華電影に出て来る人物ってみんなよく喋る。だからこう云う台詞の少ない映画は香港映画じゃ珍しい部類じゃないかなぁ。全くなくはないけど。
珍しいと云えば香港のエンターテインメント映画って大体スターとかアイドルが出てるけど、この映画にはそれらしい人は出ていない。ぐりが知らないだけで出てんのかもしんないけどね。強いて云えば任達華(サイモン・ヤム)はスターっちゃスターだけど。黄浩然(レイモンド・ウォン)はアイドル・・・じゃないよね?
PTUってのは字幕だと「機動部隊」となってるけど日本の機動隊とは全然別個のものです。正式名称は民衆安全服務隊(茶通さんの香港電影迷宮+blog参照)。いわゆる憲兵ってやつじゃないですかね。イタリアにいるカラビニエリ。おまわりさんよりしっかり武装してて、主な職務は小隊単位でのパトロール、治安維持の最前線処理。
だからハードボイルドアクションと云えど『インファナル・アフェア』とかみたいに大スターがバンバン出て来る警察の花形とは全く違う、警察組織でも最底辺のひとたちが主役のお話です。舞台は香港の繁華街でのある一夜。チンピラグループに銃を盗まれたノンキャリアの刑事(林雪ラム・シュ)が、馴染みのPTUと協力して朝までに銃を取り返そうと奔走するのだが、問題のチンピラのリーダーが殺されてしまい・・・さぁどうなる、みたいな。
ぶっちゃけた話、物語自体はシンプルだし目新しい意外性はあまりない。ただ香港金像奨監督賞を穫っただけあって演出はすごくスタイリッシュ。これから何が起ころうとしているのか、夜の暗闇の向こうに潜んでいるのは一体何なのか、と云うぴりぴりとした緊迫感と臨場感の再現性はとにかく素晴しい。
今思ったけど、これってテニスの試合の空気感と似てますね。「お願い誰か何とか云って〜」みいないたたまれなさを感じる沈黙、ひとりであれこれ工作する刑事とパトロールの延長で銃を探すPTUとのシーンが交互に出て来る構成とか、ちょうどコートのあっちとこっちで同時進行なドラマって感じで。
異様なまでに徹底して無表情な主人公(任達華)、常に真上から人物を照らしだすハイコントラストなライティング、背景音を誇張した音響、台詞が無いことによって生まれる奇妙な間など、全編の統一感も無理がない。
難を云えば台詞が少な過ぎて緊張感のあまり観客の方も疲れて来るってとこぐらいでしょうか。でもホント、よく出来た映画だと思います。拍手。
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