『コネクテッド』
2004年にヒットしたハリウッドアクションを香港でリメイクした意欲作。
正体不明の組織に誘拐されたグレイス(徐熙媛バービィー・スー)は監禁された廃棄小屋の中で壊れた電話機を発見、修理して通話を試みたところ、留学に出発する息子を見送りに空港に向かうアボン(古天樂ルイス・クー)に偶然繋がる。
乗りかかった船とグレイスと幼い娘の救出に奔走するアボンだが・・・。
ちょーおもしろかった!予想以上!すばらしー。これでこそ香港映画!
どんでん返しにつぐどんでん返し、見せ場たっぷりの手に汗握るアクションシーンもてんこ盛り、それでいて無駄な説明などはいっさいなく、スリルとサスペンスと香港映画らしい細かいジョークを効果的にはさんで、くどくなく気取りもなく、観客に考える隙間をまったく与えない、ただただテンポのいいエンターテインメントに徹してある。
それでいて、ケータイやインターネットによって人間関係が希薄になったといわれる現代社会への期待や、大陸経済の進出に伴う香港社会の変化など、シリアスな要素もさりげに表現してあるところも魅力的。
つーかね、ふつーにすごいおもしろいです。理屈ぬきに手放しで楽しめるアクション。ぐりはアクション映画好きではないけど、これはほんとに楽しめました。
「へえ」と思ったのは張家輝(ニック・チョン)演じる警官が、電話で話したグレイスの北京語と、自宅で対応した偽のグレイスの広東語を混同するシーン。
いうまでもないが同じ中国語でも北京語と広東語はまったく別の言語といってもいいくらい違う。どちらも話せないぐりであっても、一言二言聞けば違いはわかる。
でも最近の香港では北京語を話す大陸出身者が増えて、日常会話でも両者を混合した会話が徐々に一般的になってきているとも聞く。北京語で話しかけられて広東語で応える、などといった会話が日常的になれば、相手が話しているのが北京語なのか広東語なのかなどいちいち意識しなくなるものなのだろうか。
職業的に観察眼に優れているはずの張家輝がそれを見落とすという演出に、現代香港の言語環境の変化を感じましたです。
それと、この映画にはふたつの空港が登場する。一方はアボンが会いに行こうとしている息子の待つ香港国際空港、一方は1998年に廃港になった啓徳空港跡地。
息子との対面を切望するアボンと、誘拐された娘との再会・救出を切望するグレイスとの対比が、返還前の香港の玄関口であった啓徳空港跡地と、返還後の玄関口となった香港国際空港との対比に象徴されている気がした。
その他にも、ビル群が密集したダウンタウン、鬱蒼と樹木の茂る山間部や草原の広がる岩山など、独特に表情豊かな香港の風土を生かしたロケーションが見事だと思いましたです。
惜しかったのはお気に入り劉燁(リウ・イエ)の役柄がすごく単純な悪役だったこと。なんかもーちょっと人間味のある悪役だったら、映画全体ももっと重みが出てきたかもしれないんだけど・・・ま、ゼータクはいいますまい。
劉燁と大Sといえば『私の中に誰かがいる』。ビビらす男とビビる女とゆーポジションはそのままですが、あのころはおめめくりくりの大陸アイドル的扱いだった劉燁がすっかり性格俳優化してるのにはふと驚かれぬる。
つか『南京!南京!』はどーなったんですかー?
2004年にヒットしたハリウッドアクションを香港でリメイクした意欲作。
正体不明の組織に誘拐されたグレイス(徐熙媛バービィー・スー)は監禁された廃棄小屋の中で壊れた電話機を発見、修理して通話を試みたところ、留学に出発する息子を見送りに空港に向かうアボン(古天樂ルイス・クー)に偶然繋がる。
乗りかかった船とグレイスと幼い娘の救出に奔走するアボンだが・・・。
ちょーおもしろかった!予想以上!すばらしー。これでこそ香港映画!
どんでん返しにつぐどんでん返し、見せ場たっぷりの手に汗握るアクションシーンもてんこ盛り、それでいて無駄な説明などはいっさいなく、スリルとサスペンスと香港映画らしい細かいジョークを効果的にはさんで、くどくなく気取りもなく、観客に考える隙間をまったく与えない、ただただテンポのいいエンターテインメントに徹してある。
それでいて、ケータイやインターネットによって人間関係が希薄になったといわれる現代社会への期待や、大陸経済の進出に伴う香港社会の変化など、シリアスな要素もさりげに表現してあるところも魅力的。
つーかね、ふつーにすごいおもしろいです。理屈ぬきに手放しで楽しめるアクション。ぐりはアクション映画好きではないけど、これはほんとに楽しめました。
「へえ」と思ったのは張家輝(ニック・チョン)演じる警官が、電話で話したグレイスの北京語と、自宅で対応した偽のグレイスの広東語を混同するシーン。
いうまでもないが同じ中国語でも北京語と広東語はまったく別の言語といってもいいくらい違う。どちらも話せないぐりであっても、一言二言聞けば違いはわかる。
でも最近の香港では北京語を話す大陸出身者が増えて、日常会話でも両者を混合した会話が徐々に一般的になってきているとも聞く。北京語で話しかけられて広東語で応える、などといった会話が日常的になれば、相手が話しているのが北京語なのか広東語なのかなどいちいち意識しなくなるものなのだろうか。
職業的に観察眼に優れているはずの張家輝がそれを見落とすという演出に、現代香港の言語環境の変化を感じましたです。
それと、この映画にはふたつの空港が登場する。一方はアボンが会いに行こうとしている息子の待つ香港国際空港、一方は1998年に廃港になった啓徳空港跡地。
息子との対面を切望するアボンと、誘拐された娘との再会・救出を切望するグレイスとの対比が、返還前の香港の玄関口であった啓徳空港跡地と、返還後の玄関口となった香港国際空港との対比に象徴されている気がした。
その他にも、ビル群が密集したダウンタウン、鬱蒼と樹木の茂る山間部や草原の広がる岩山など、独特に表情豊かな香港の風土を生かしたロケーションが見事だと思いましたです。
惜しかったのはお気に入り劉燁(リウ・イエ)の役柄がすごく単純な悪役だったこと。なんかもーちょっと人間味のある悪役だったら、映画全体ももっと重みが出てきたかもしれないんだけど・・・ま、ゼータクはいいますまい。
劉燁と大Sといえば『私の中に誰かがいる』。ビビらす男とビビる女とゆーポジションはそのままですが、あのころはおめめくりくりの大陸アイドル的扱いだった劉燁がすっかり性格俳優化してるのにはふと驚かれぬる。
つか『南京!南京!』はどーなったんですかー?