金榮山徳正寺住職のトラ・バスの香り

阿弥陀さまとクルマとSTARDUST REVUEをこよなく愛する住職がつぶやく日常

シルカイダ~

2015年11月22日 19時15分49秒 | 日々あれこれ
嫌な響きです・・・


「もう、早よ死んだ方がええって思う。
 働かんでいいし楽なで~」

60ちょっと過ぎのお方、
会うと必ずそんなことをおっしゃる。
辛いご縁には会われたのですが
それだけではなく子どもさんの結婚、出産と
うれしいこともあったはずなのですが・・・

なぜなんでしょう・・・

法話前であればそのようなお話に寄り添いながらお話出来るのですが
否、これまでもしてきたつもりなのですが
聞いて下さってないのか、
深いところで味わえるような話になっていなかったのか、

大切に生きてほしいよな~って思いつつ聞いたことです。


話の中で飛び交う方言、
「そんなこと知るかいだ~(そんなことまで係われない、知ったことではない)」

聞いたことがない人が聞くと
どこの過激派組織の名前かと思ってしまいます。
或いは、新手の仮面ライダーかと・・・

こちらの高齢の方が仰る方言で否定する時に語尾に着く「カイダ~」

もうちょっと言い方があるだろうにといつも思うのですが
多分、コイツも言っているんだろうと思います、似たようなことを。
いろんな新手の仮面ライダーが登場します。

きれいな言葉を使わないといけないと思いながらも
やっぱり出てしまうんですね。
恥ずかしいことです。


いろんな悩み事を仰って下さいます。
でも、如何せんコイツにはお答えする力もなく、
ただ聴かせていただくことしかできません。

でも、相手も仰るばかりでなくやっぱりコイツの意見を訊かれる訳です。
これが辛いですよね・・・
そういった時のマニュアルを聞くと
先ず相手の気持ちに同調しながら反復するように話すって感じで聞かせていただいてます。

~したいんですね。
~って思っておられるのですね。

それ言ったところで必ず流れる沈黙。
これが苦手なんですよね。
別に答える必要もなく傍にいるだけでいいんでしょうけど、
苦手なんです、コイツ。

「そんなこと知るかいだ~」って坊さん辞めて新手の悪役仮面ライダーヨロシク言えればいいんでしょうけど。
そんな言葉、言える訳もなく・・・

ただ、そういったシチュエーションがお仏壇の前だと随分と楽になります。
たとえ沈黙の時間が流れようとも
仏さまの薫りがしていると楽です。

この毛穴から薫りのおはたらきになって響き流れて下さる。


死のうと思えばいつでも死ねます。
もの凄く勇気がいると思いますが・・・
いつでも死ねるんですから今日を生き抜いてみましょう。

「知るかいだ~」って絶対仰らないおはたらき、
そのことだけ知っていただきたいんです。

一緒に苦しいといってくれる優しいおはたらき、

阿弥陀さまと共に・・・生きて下さい、この今日を。
コメント
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