金榮山徳正寺住職のトラ・バスの香り

阿弥陀さまとクルマとSTARDUST REVUEをこよなく愛する住職がつぶやく日常

笑顔にな~れ

2015年11月20日 23時28分18秒 | 日々あれこれ
コイツの為に・・・


「もう少し置けんじゃろうか?」
涙流しながらつぶやく年老いたお母さん。
「今日は、納めんといけんのよ」
「いつまでも置いとけんやろが」

「オバちゃん、置いていてもいいんよ。
 ここに置いていたからっていうてどうにかなるもんじゃないから。
 もう仏さまとなって還って来ておられるからね。
 安心して相談してね」

皆さん、御遺骨を置いておきたのです。
もう少し・・・
でも、やっぱり何時かはって思いながら決心するのでしょうね。

結局、御納骨されました。
皆さん、倒れそうなお母さんを支えつつ。

切ないです・・・
でも、またきっとみんなで笑える時が来ますよ。


精神的にも肉体的にもクタクタ。
熟睡が出来る毎日でもなく疲れが取れません。

いろんなことがあり午後を無駄にしてしまいました。
ボサ~って感じで・・・
怠くて怠くてウダウダグダグダ。

そんな気持ちのままお取り越しに向かいます。
目を瞑るとそのまま寝てしまいそうな・・・
そんな怠さの中参っていくのです。

玄関先で思いっきり顔作って、
「ごめんくださ~い、お寺で~す。」
「は~い、どうぞ上がって下さ~い。」
しばらくぶりに会うご門徒、
これまでの数か月を話して下さいます。

痛かったことも、うれしかったことも・・・
会えたことをよろこぶように・・・

「ごめんくださ~い、お寺で~す。」
「ご無沙汰しています。お待ちしていました。」

阿弥陀さまの前に座りお礼をします。
お荘厳を見せていただくと「ぼたもち」
あ~・・・作ってくれたんだ~。

ご縁の後、言いたくないようなことも言わなくてはいけません、宗門の寄付。
「分かりました。食べるのも我慢してでも協力させていただきます。
 貧乏ですから、コツコツ貯めないといけないの。」
「ごめんね・・・おばちゃん!!!」
頭を上げることが出来ません、コイツ。

そんなコイツに、
「ご院さん、それ一つですけど持って帰って下さい!」
「おばちゃん、ぼたもち!作ってくれたん!アザ~ス!!!」
「11時から作ったのよ」って何とも何とも優しいお顔。

コイツの為に・・・

本当にコイツは幸せものです。
それまではウダウダグダグダだったのです。
あの人がどうのこの人がどうの、恐ろしい顔でウダウダグダグダ。
そんなコイツを案じ作るぼたもち。
そんなこととも思わずに同じ時間をコイツはイガイガトゲトゲで過ごしていたんです。

こうしたら喜ぼうか・・・
ああしたら喜ぼうか・・・

コイツを笑顔にせんがためにしんどい身体を奮い立たせて餡を練るのです。
恐ろしきコイツを・・・

イガイガトゲトゲのコイツを思って下さる優しさが勿体ない。
いつもそんな優しさを忘れ生きるコイツの愚かさ。

勿論、ぼたもちもうれしいんですけど、
こんなコイツを案じる御こころを知らされると
幸せなんだって思わずにおれません。

出遇ってよかった、あなたに・・・


温か~いお取り越しのお座。
笑い声が絶えません。
皆さん、一人一人の顔を拝見させていただきながら
今年もお取次ぎをさせていただいてよかったな~って肩の力抜いていました。

さあ、ラストスパートです。

気合い入れてお参りしま~す、「お寺で~す!」
コメント
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