東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

ガウス記号を含む方程式の問題(2)[灘高]

2018-05-31 11:48:38 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2016年灘高入試に出題されたガウス記号を含む方程式の問題を取り上げます。

問題は、
「次の[  ]内に適する数または式を記入せよ。

 [x] は、xを超えない最大の整数を表すものとする。xの方程式
 [x]+[2(x-[x])]=5 を満たすxのうち最小のものは[  ]である。」
です。

[x]をガウス記号と呼び、
x=n+b nは整数、0≦b<1
とすると、
[x]=n
になります。

これを与えられた式に代入すると、
n+[2(n+b-n)]=n+[2b]=5   (★)
になります。

このとき 0≦2b<2 なので、 0≦2b<1 の場合と1≦2b<2の場合に分けて調べます。

● 0≦2b<1 ⇒ 0≦b<0.5 の場合
[2b]=0 から、(★)は n+0=5 になり、n=5です。

● 1≦2b<2 ⇒ 0.5≦b<1 の場合
[2b]=1 から、(★)は n+1=5 になり、n=4です。

これらから x が最小値をとるのは n=4、0.5≦b<1 の場合で、このときbの最小値は0.5です。

したがって、与えられた式を満たすxの最小値は 4.5 で、これが答えです。


簡単な問題です。

influence のはなし

2018-05-30 11:51:56 | 英語の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

先日、中3の塾生と英語教科書の音読、解説をしていたところ、
Japanese art has influenced French artists since this period.
(このとき以来、日本の芸術はフランスの芸術家に影響を与えている)
という文がありました。

この influenceウィズダム英和辞典 で引いてみると、「(間接的に)<人・考え方など> に影響を与える」 とあり、「<物・事が>・・・に影響する」を意味する affect との違いについて、

influence
 人のふるまいや考え方に間接的に働きかける

affect
 直接的に生活・仕事・結果などに変化をもたらす

The sales of alcohol are affected by tax changes.
(種類の売り上げは税制の変化により影響を被る)

と記してあります。


頭に入れておくとよいでしょう。

場合の数の問題(4)[灘高]

2018-05-29 11:54:59 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2009年灘高入試に出題された場合の数の問題を取り上げます。

問題は、
「8個の数字 1、2、3、4、5、6、7、8 を使って3桁の整数をつくるとき、次の問いに答えよ。

(1) 同じ数字を何回使ってもよいとすれば何個できるか。

(2) 3つの異なる数字を使ってつくるとき、3の倍数は全部で何個できるか。

(3) (2)でできた整数すべての和を求めよ。」
です。

(1)から始めましょう。

百、十および一の位に使うことができる数字はそれぞれ8通りなので、求める整数の個数は 8×8×8= 512(個) で、これが答えです。

次に(2)です。

1から8までの整数を3で割った余りで分類すると表1のようになります。


▲表1.3で割った余りで分類しました

3の倍数の整数は各桁の数の和が3の倍数なので、3桁の整数の場合、
[0] 3で割った余りが0の数3個の並び替え
[1] 3で割った余りが1の数3個の並び替え
[2] 3で割った余りが2の数3個の並び替え
[3] 3で割った余りが0、1、2の数各1個ずつの並び替え
のいずれかになります。

[0]については、3で割った余りが0の数が2個しかないので、3桁の整数をつくることはできません。

[1]については、3で割った余りが1の数が3個なので、それらを並び替えて、3桁の3の倍数は 3×2×1=(個)つくれます。

[2]については、3で割った余りが2の数が3個なので、それらを並び替えて、3桁の3の倍数は 3×2×1=(個)つくれます。

[3]については、3で割った余りが0、1、2の数がそれぞれ2個、3個、3個で、それらからのそれそれ1個の選び方は 2×3×3=18(通り)で、選んだ数の並び替え 3×2×1=6(通り)なので、3桁の3の倍数は 18×6=108(個)つくれます。

以上から、3の倍数は 6+6+108= 120(個) で、これが答えです。

最後の(3)です。

3桁の3の倍数を 100A+10B+C とすると、100A+10C+B、100B+10A+C、100B+10C+A、100C+10A+B、100C+10B+A も3の倍数になり、これらの和は、
100A+10B+C+100A+10C+B+100B+10A+C+100B+10C+A+100C+10A+B+100C+10B+A
=200(A+B+C)+20(A+B+C)+2(A+B+C)
=222(A+B+C)
になります。

つまり、1から8までの8個の整数から和が3の倍数になる3個の数の組合せすべてについて、それらの和を足し合わせて、それに222を乗じたものが(2)でできた整数のすべての和になります。

そこで、1から8までの8個の整数から和が3の倍数になる3個の数の組合せを調べると、表2のようになります。


▲表2.1から8までの8個の整数から和が3の倍数になる3個の数の組合せです

これらの組合せについてそれぞれの和を計算すると、表3のようになります。


▲表3.それぞれの組合せについて和を計算しました

ここで、表3の和を足し合わせると、
6+9+9+12+12+12+15+9+12+12+15+15+12+15+15+18+15+18+18+21
=6+9×3+12×6+15×6+18×3+21
=270
です。

したがって、(2)でできた整数のすべての和は 270×222= 59940 で、これが答えです。


簡単な問題です。

start と begin のはなし

2018-05-28 11:23:46 | 英語の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

中1の英語教科書に、
My school life in Japan started today.
(日本での私の学校生活が今日始まった)
という文があり、中3の教科書には、
It began with a flash.
(それは閃光で始まった)
という文があります。

前者の start も後者の begin もどちらも「始まる」という意味ですが、これらの違いについて ウィズダム英和辞典 には、

(1) begin が小説などの書き言葉で好まれるのに対し、 start は会話から書き言葉まで広く用いられる

(2) 連続して起こる出来事の最初を述べるときには begin
   The story begins on Prince Edward Island.
   (物語はプリンス・エドワード島から始まる)

(3) start が静から動への移行を表すのに対して、 begin にはそのような意味はない
 (a)「出発する」
   We are starting×beginning]at 7:00a.m. tomorrow.
   (明日の朝7時に出発することになっている)
 
 (b)「(特定の方向に)動き出す」
   He started×began]down the road to the car.
   (彼は車に向かって歩き出した)

 (c)「<機械などが>始動する;・・・を始動させる」
   The engine started×began].
   (エンジンがかかった)

 (d)「発生させる」
   Who started×began]the rumor?
   (誰からそのうわさがでたのか)
と記してあります。

また、 オックスフォード実例現代英語用法辞典 には、より形式張った文体の場合は、通例 begin のほうが好まれるとあり、例文として、
We will begin the meeting with a message from the President.
(はじめに大統領からのメッセージを読み上げて会議を始めることにいたします)
Damm! It’s starting to rain.
(畜生! 雨が降り出しやがった)
を挙げています。


頭に入れておくといいでしょう。

図形問題(6)[灘高]

2018-05-27 11:54:46 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2009年灘高入試に出題された図形問題を取り上げます。

問題は、
「AB=2、∠AOB=90° の直角二等辺三角形AOBがある。図のように、辺AB上(両端は含まない)に2点C、DをCD=1となるようにとり、点EをAC=CE、∠ACE=90° となるようにとる。また、辺ABと線分OEの交点をFとする。このとき、次の問いに答えよ。


▲問題図

(1) ∠FOD=45° を証明せよ。

(2) 点Fを通り直線OBに平行な直線をl、点Dを通り直線OAに平行な直線をmとし、直線lと辺OAの交点をP、直線mと辺OBとの交点をQとする。また、2直線l、mの交点をRとする。このとき、四角形OQRPの面積は三角形AOBの面積に等しいことを証明せよ。」
です。

図1のように、与えられた条件を書き入れましょう。


▲図1、与えられた条件を書き入れました


まず(1)です。

図2のように、OからABに垂線を下ろしその足をHとすると、OH=1です。


▲図2.OからABに下ろした垂線の足をHとしました

ここで、AC=dとすると、AH=1からCH=1-d、CD=1からHD=dになります。

また、△ACEは直角二等辺三角形なので、AE=√2dです。

そこで、△OAEと△OHDに注目すると、
OA/OH=AE/HD=√2
∠OAE=∠OHD=90°
から、2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しいので△OAE∽△OHDで、∠AOE=∠HODが成り立ちます。

すると、∠FOD=∠HOD+∠EOH=∠AOE+∠EOH=∠AOH=45° になります。

次に(2)です。

四角形OQRPは、4つの角がすべて90°なので、長方形で、その面積はOP×OQです。

一方、△AOBの面積は1ですから、OP×OQ=1 を示せばOKです。

それでは、OP、OQを求めましょう。

まずOPから始めます。

図3のように、△FOH∽△FECでEC/OH=dから、FC/FH=dになります。


▲図3.OPとOQを求めます

一方、CH=1-dなので、CF=CH×EC/(OH+EC)=d(1-d)/(1+d)で、これから、AF=AC+CF=d+d(1-d)/(1+d)=2d/(1+d)になり、△PACは直角二等辺三角形なので、AP=2d/√2(1+d)です。

したがって、
OP=OA-AP=√2-2d/√2(1+d)=√2/(1+d)
になります。

続いてOQです。

DB=1-dなので、BQ=√2(1-d)/2で、
OQ=√2(1+d)/2
です。

ここで、OP×OQを計算すると、
OP×OQ=√2/(1+d)×√2(1+d)/2=
になります。

以上から、四角形OQRPの面積と三角形AOBの面積が等しいことを示すことができました。


簡単な問題です。

arrive at[in,on] のはなし

2018-05-26 11:56:45 | その他
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

中2の英語教科書に、
At last Peter arrived at his home.
(ようやくピーターは家に着きました)
という文があります。

ご存知のように、arrive は、後ろに at~ や in~ を伴って「~に到着する」という意味になりますが、 ウィズダム英和辞典 を調べると、これら以外に on~ という用法も記されています。

そこには、話し手が目的地を「地点」ととらえた場合は at~ 、「広い地域」ととらえた場合は in~ を用い、例えば、 hotel、airport、door、hospital、house などの場所は at を、 London、America などの地[国]名や town、city、country などには in を用いることが多いとあり、さらに、 island、scene などは on を用いるのが普通とあります。

そこで Google Books Ngram Viewer で、それらの使用比率を調べてみたところ、
-on the island : -at the island : -in the island = 12 : 5 : 1 (過去形の場合、9:4:1

-on the scene : -at the scene = 2.3:1 (過去形の場合、4:1 ;arrive in はありませんでした)
となっていて、確かに arrive(d) on the island[scene] の用例が多いようです。

ちなみに、arrive on the scene は、「現場に到着する、現場に駆けつける」という意味で、 オックスフォード現代英英辞典 に、
By the time I arrived on the scene, it was all over.
(私が現場に駆けつけるまでにすべて終わっていた)
という用例があります。
 

arrive at~arrive in~ と合わせて、 arrive on~ も頭に入れておくといいでしょう。

図形問題(5)[灘高]

2018-05-25 11:59:05 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2012年灘高入試に出題された図形問題を取り上げます。

問題は、
「下の図のように、円Oの直径BD、ACの延長と、点A、Bにおける円Oの接線との交点をそれぞれE、Fとし、線分EFの中点をMとする。


▲問題図

(1) AB//EF であることを証明せよ。

(2) ∠ABE=∠EBM であることを証明せよ。

(3) ∠AEBの二等分線と∠BFAの二等分線の交点をNとするとき、EN⊥FNであることを証明せよ。」
です。

まず図1のように、与えられた条件を書き入れましょう。


▲図1.与えられた条件を書き入れました


それでは(1)から始めましょう。

図2の△OAEと△OBFにおいて、
OA、OBは円Oの半径なので、
OA=OB            [1]
です。


▲図2.△OAE≡△OBFから△OEFは二等辺三角形です

また、直線AE、BFは円Oの接線で、それぞれの接点が点A、Bであることから
∠OAE=∠OBF=90°     [2]
で、∠AOEと∠BOFは対頂角なので、
∠AOE=∠BOF         [3]
です。

[1][2][3]から、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、
△OAE≡△OBF
です。

したがって、OE=OFが成り立ち、△OEFは二等辺三角形になります。

すると、線分EFの垂直二等分線は、直線OMになり、
∠EOM=∠FOM          [4]
です。

ここで直線OMと円Oの弦ABとの交点をHとすると、対頂角は等しいので、
∠EOM=∠BOH
∠FOM=∠AOH
で、これらと[4]から
∠BOH=∠AOH
が成り立ちます。

すると、直線OHは二等辺三角形OABの頂角AOBの二等分線になるので、直線OHは線分ABと垂直に交わります。

したがって、
∠MHA=∠HMF=90°
になり、直線ABと直線EFの錯覚が等しいことから AB//EF です。

次に(2)です。

(1)からAB//EFで、平行線の錯角は等しいので、
∠ABE=∠BEM           [5]
です。

一方、図3のように、∠EAF=∠EBF=90°から4点E、A、B、Fは、点Mを中心とする円の周上にあります。


▲図3.4点E、A、B、Fは、点Mを中心とする円の周上にあります

つまり、線分ME、MBは円Mの半径になるので、
ME=MB
になり、△MEBは二等辺三角形です。

したがって、
∠EBM=∠BEM           [6]
が成り立ちます。

[5][6]から
∠ABE=∠EBM
が成り立ちます。

最後の(3)です。

図4のように、円周角の定理から、
∠AEB=∠AFB(∠BFA)
で、直線EN、直線FNはそれぞれ∠AEBと∠BFAの二等分線なので、
∠AEN=∠AFN
が成り立ちます。


▲図4.∠AEN=∠AFNです

すると、円周角の定理の逆から、4点A、E、F、N は同一円周上にあり、このとき点A、E、Fは円Mの周上にあるので、点Nも円Mの周上にあることになります。

したがって、∠ENFは半円弧の円周角で ∠ENF=90° になることから EN⊥FN です。


簡単な問題です。

food のはなし

2018-05-24 11:04:19 | 英語の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

中1の英語教科書に
What food do you like?
(どんな食べ物が好きですか)
という文が出てきます。

この food は「食べ物」を意味しますが、この類義語に、meal、diet、dish などがあります。

これらの違いについて ウィズダム英和辞典 にまとめてあって、そこには、
food
 人間や動物が食べる食べ物を表す最も一般的な語で、広く各種料理をさすときにも用いられる

meal
 特定の時間に座って食べる食事をいい、特に朝食、 昼食、夕食をさす

diet
 栄養面からみた日常の食事や治療・減量のために種類や量を制限した食事

dish
 皿に盛って出される料理や特別な調理法の料理をいう

cooking
 特定の方法でつくられた料理をいうが、他の料理と区別して家庭料理や特定の国籍・個人に特有の料理など、その由来を表して特別さを強調する文脈で用いられることが多い

cuisne
 《かたく》特定地域・文化の料理や高級料理店の料理をさす
と説明しています。

さらに 現代英語語法辞典 には、「食べ物」の意味をもつ food、victuals、fare、viands、provisions の5語を説明していて、そこには、
food
 人・動物・植物の食べ物、栄養物の意の基本語で、他の4語と交換可能

fare
 食卓に出された食事のこと(やや古風で堅苦しい語)

provisions
 何かに備えて前もって集められた食料

viands
 特に選り抜きの美味な珍しいご馳走(普通には用いられなくなっている)

victuals
 すぐに使えるように調理された食料品(日常の英語では一般的ではない)
とあります。


頭の片隅に入れておくと役に立つこともあるかもしれません。

面積問題(12)[灘高]

2018-05-23 12:02:36 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2012年灘高入試に出題された面積問題を取り上げます。

問題は、
「次の[  ]内に適する数を記入せよ。

AD//BC、∠ABC=∠DCB である台形ABCDに、下図のように点Oを中心とする円が内接している。OA=15cm、OB=20cmのとき、この台形ABCDの面積は[  ]cm2である。」


▲問題図

です。

図1のように、与えられた条件を書き入れましょう。


▲図1.与えられた条件を書き入れました

∠ABC=∠DCBから台形ABCDは等脚台形になり、図2のように、線分ADと線分BCの中点をそれぞれP、Qとすると、直線PQは台形ABCDの対称軸になります。


▲図2.直線PQは台形ABCDの対称軸になります

一方、直線OBと直線OCはそれぞれ∠ABCと∠DCBの二等分線であることから∠OBC=∠OCBで、△OBCは二等辺三角形になります。

したがって、直線OPは線分BCの垂直二等分線で、点Oは直線PQ上にあることになります。

次に図3のように、点Oから線分ABに垂線を下ろしその足をRとします。


▲図3.点Oから線分ABに垂線を下ろしその足をRとしました

ここで、点Pと点Rはそれぞれ円Oと直線AD、ABの接点なので∠AOP=∠AORになり、同様に∠BOQ=∠BORです。

したがって、∠AOB=90°になります。

つまり、△OABは直角三角形で、図4のように、OA=5cm、OB=20cmから AB=25cmになります。


▲図4.AB=25cmです

さらに、△OAB∽△RAO∽△ROBから、図5のように、OA=15cm、OR=12cm、AR=9cm、BR=16cmになります。


▲図5.OA=15cm、OR=12cm、AR=9cm、BR=16cmです

あとは台形ABCDの上底、下底の辺の長さと高さを求めるだけです。

直線AD、直線AB、直線BCは円Oの接線で、それらの接点はそれぞれ、P、R、Qなので、AP=AR=9cm、BR=BQ=16cm です。

一方、台形ABCDの対称軸は直線PQなので、AP=DP、BQ=CQです。

したがって、台形ABCDの上底ADと下底BCの長さはそれぞれ18cmと32cm になります。

また、台形ABCDの高さPQは、円Oの直径の長さなので、OR×2=12×2=24cm です。

以上から、台形ABCDの面積は、(18+32)×24×1/2= 600cm2 で、これが答えです。


簡単な問題です。

wrong のはなし

2018-05-22 11:53:42 | 英語の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

中3英語教科書に
What’s wrong
(どうかしましたか)
という文が出てきます。

この wrong は「間違った」や「どこか具合が悪い」などを意味する 形容詞 ですが、このほかに「間違って」を意味する 副詞 でもあり、さらに、ほぼ同じ意味の wrongly(間違って) という 副詞 もあります。

これに関して、 オックスフォード実例現代英語用法辞典 に、「同じ形態を持つ形容詞と副詞:2つの形態を持つ副詞」と題する説明があり、そこには、2つの形態を持つ副詞は、1つは形容詞に似た形態を、もう1つは-ly という形態を持ち、これらの場合、意味と用法に違いがあるのが普通と記しています。

そこで ウィズダム英和辞典wrong を引いてみたところ、 wrongwrongly の違いの説明があり、そこには、
wrongwrongly はほぼ同じ意味を表すが、 wrong は特に《くだけて》で好まれる。また、 wrong は修飾する動詞やその目的語の後に、 wrongly は修飾する動詞句の前後、分詞や that 節の前に置かれる」
とあり、例文として、
He was wrongly[×wrong] accused of being a racist.
(彼は不当にも人種差別主義者として非難された)
を挙げています。

さらに、様態を表す際は wrongly のみ可能で、
connect the cable wrongly[×wrong
(ケーブルを不適切につなぐ)
となります。

なお、wronggo、do、get、have などの動詞と共に成句を作る場合は wrongly と交換できません。


頭に入れておくと役に立つかもしれません。

図形問題(4)[灘高]

2018-05-21 11:38:58 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2012年灘高入試に出題された図形問題を取り上げます。

問題は、
「∠Cが直角の直角二等辺三角形ABCがあり、AC=BC=6√2cmである。下図のように、辺AB上に2点P、QをAP=4cm、∠PCQ=45°となるようにとる。


▲問題図

(1) 直線PCに関して点Aと対称な点Dをとる。このとき、△DQC≡△BQCであることを証明せよ。

(2) 線分PQ、BQの長さをそれぞれ求めよ。」
です。

まず図1のように、問題図に与えられた条件を書き入れましょう。


▲図1.与えられた条件を書き入れました

それでは(1)から始めましょう。

直線PCに関して点Aと対称な点Dをとると図2のようになります。


▲図2.点Dを書き入れました

ここから△DQCと△BQCを調べていきましょう。

直線PCは△CADの対称軸なので、
CA=CD      [1]
∠ACP=∠DCP   [2]
です。

一方、仮定から
CA=CB
なので、これと[1]から
CD=CB      [3]
が成り立ちます。

また、
CQは共通      [4]
です。

あとは、∠DCQと∠BCQが等しいことを示せばお仕舞いです。

そこで[2]から
∠ACP=∠DCP=
とすると、
∠DCQ=∠PCQ-∠PCD
    =45°-
で、
∠BCQ=∠ABC-∠PCQ-∠ACP
    =90°-45°-
    =45°-
になり、これらから
∠DCQ=∠BCQ   [5]
が成り立ちます。

[3][4][5]から、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、△DQC≡△BQCです。

続いて(2)です。

図3のように、△DQC≡△BQCから∠CDQ=45°です。 


▲図3.四角形ACQDは円に内接します

すると∠CDQ=∠CAQ=45°が成り立つので、周角の定理の逆から四角形ACQDは円に内接します。

ここで、直線CPと円との交点をEとすると、直線CEは弦ADの垂直二等分線になるので、線分CEは円の直径になります。

すると∠CAEは半円弧の円周角なので∠CAE=90°になり、∠CAE=∠ACB=90°からAE//CBで、したがって、△PBCと△PAEは相似になります。(図4)


▲図4.△PBC∽△PAEです

ここで、△ABCはAC=6√2cmの直角二等辺三角形なのでAB=12cmです。

このときPB=8cmなので、△PBCと△PAEの相似比は2:1になり、したがって、AE=3√2cmです。

次に図5のように、△PCQと△PAEに注目すると、これらの三角形も相似です。


▲図5.△PCQ∽△PAEです

ここで直角三角形ACEに三平方の定理を適用すると、

から

になり、CP:PE=2:1から
CP=2√10cm
PE=√10cm
です。

すると、PQ:PE=PC:PAから
PQ=√10×2√10/4=5cm
で、さらに、
BQ=BP-PQ=8-5=3cm
です。

以上から、線分PQ、BQの長さは、それぞれ、5cm3cm で、これが答えです。


楽しい問題です。

come across のはなし

2018-05-20 11:52:11 | 英語の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

中3英語教科書の最初の Lesson に、
I came across Mr Gray’s words.
(私は偶然グレイ選手の言葉を見つけた)
という文があります。

この句動詞 come across A は、 ウィズダム英和辞典 によると、(偶然)A<人>に出くわす、A<事・物>を見つけるという意味を表し、さらに、よりかたい表現として、 come on[upon] A を挙げています。

また、同じような意味の 句動詞 には、
run into A
 《くだけて》A<人>に出くわす

bump into A
 《くだけて》A<人>に出くわす

stumble across[on,upon,onto] A 
  A<物・人などに>偶然出くわす、巡り合う;Aを偶然発見する

happen on[upon] A 
 《かたく・やや古》偶然A<物>を見つける;A<人>に出くわす
などがあります。


頭に入れておくといいかもしれません。

図形問題(3)[灘高]

2018-05-19 13:02:21 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2013年灘高入試に出題された図形問題を取り上げます。

問題は、
「次の[  ]内に適する数を記入せよ。

 下図において、AB=AC=4で、△BCDは辺BCを斜辺とする直角二等辺三角形、また、BE⊥ACである。このとき、∠AEDの大きさは[  ]度である。
 さらに、∠BAC=45°のとき、線分DEの長さは[  ]である。」


▲問題図

です。

∠BDC=∠BECなので円周角の定理の逆から、点B、C、E、Dは、図1のように、同じ円周上にあります。


▲図1.点B、C、E、Dは同一円周上にあります

すると∠DBC=∠AEDが成り立ち、このとき∠DBC=45°から∠AED= 45° で、これが答えです。

△ABCは二等辺三角形で、その頂角∠BAC=45°なので、底角∠ABC=67.5°です。

このとき∠CBD=∠ABE=45°なので、図2のように、
∠ABD=∠ABC-∠DBC=22.5°
∠DBE=∠ABE-∠ABD=22.5°
∠EBC=∠ABC-∠ABE=22.5°
になり、∠DBE=∠EBC が成り立ちます。


▲図2.∠DBE=∠EBCが成り立ちます

これから(弧DEの長さ)=(弧ECの長さ)が成り立ち、したがって、DE=ECです。

一方、△EABは直角二等辺三角形でAB=4からAE=2√2 になり、さらにAC=4からEC=4-2√2です。

したがって、DE=4-2√2 で、これが答えです。


トレミーの定理を利用してもOKです。

know の受け身形 のはなし

2018-05-18 11:41:41 | 英語の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

中3の塾生が持参した学校配布の中間試験用英語プリントに 受け身 の問題があって、そのなかに know(知る)を用いた 受け身 表現が取り上げられていました。

この know受け身形について、ウィズダム英和辞典 には、
● His name was known to everyone.
 (彼の名前はみんなに知られていた)
のように、 know 受け身形 は、 be known to A一般的

一方、
● knowget to know の意味で動作性の強いときは、
 A shy person writes a letter to be known by another person.
 (内気な人は相手に自分のことを知ってもらうために手紙を書く)
のように、 to の代わりに by を用いることもある。

ただし、
● know は基本的に「知っている」状態 を表すので、実際には be known by A の頻度は非常に低い
と解説しています。


頭に入れておくとよいでしょう。

面積問題(11)[灘高]

2018-05-17 11:39:50 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2013年灘高入試に出題された面積問題を取り上げます。

問題は、
「長方形ABCDの辺BC、CD、DA上にそれぞれ点E、F、Gをとり、線分EC上に点Hをとると下図のようになり、四角形ABEG、HECFはともに正方形となった。次の問いに答えよ。なお、答えが複数ある場合は、それらをすべて答えること。


▲問題図

(1) 長方形ABCDの面積が長方形GHFDの面積の6倍であるとき、BE:EC をできるだけ簡単な整数の比で表せ。

(2) △ABCの面積が6、△FDGの面積が1であるとき、正方形ABEGの面積を求めよ。」
です。

(1)から取り掛かりましょう。

図1のように、AE=x、EC=yとすると、
(長方形ABCDの面積)=x(x+y)
(長方形GHFDの面積)=(x-y)y
で、与えられた条件から、
x(x+y)=6(x-y)y
が成り立ちます。


▲図1.AE=x、EC=y としました

これを展開・整理して、

とします。

ここで、さらに因数分解すると、
(x-2y)(x-3y)=0
になり、
x=2y または、3y
です。

これから
x:y=2:1、または、3:1
になり、したがって、BE:EC= 2:1、または、3:1 で、これが答えです。

続いて(2)です。

図2に与えられた条件を書き入れました。


▲図2.与えられた条件を書き入れました

△ABCの面積と△FDGの面積がそれぞれ6と1なので、長方形ABCDの面積は長方形GHFDの面積の6倍になり、(1)の結果から、
x=2y、または、3y
が成り立ちます。

一方、
(△ABCの面積)=x(x+y)/2=6
から、

が成り立ちます。

● x=2yの場合

から


● x=3yの場合

から

です。

したがって、正方形ABEGの面積は 8、または、9 で、これが答えです。


△ABCと△FDGの面積をx、yで表して、その連立2次方程式を解いてもOKです。