こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
昨日は南風のため少し暖かかったのですが、今日は寒くなりました。夕方、雨も降るようですが、元旦は寒さが厳しくなるものの晴れになるようです。
さて、今回は平成26年度東大大学院創成科学研究科環境研究系海洋技術環境学の入試問題です。
問題は、
「(1)半径aの大きな円が3個と、半径bの小さな円が1個、下図のようにそれぞれの円が他のすべての円と接するように描かれている。この時、bをaの式で表せ。
▲問題図(1)
(2)下の図は、(1)で示した図のうち半径bの円の周辺を拡大したものである。黒く塗られた部分(大きな円2個と小さい円1個の円弧で囲まれた部分)の面積を、a、bを用いた式で表せ。」
▲問題図(2)です。
円の図形問題では、円の中心を通る補助線を引くと上手くいくことが多いです。この問題では、円が4個あるので、図1のようにそれらを結ぶ補助線を引きましょう。
▲図1.円の中心を結んだ補助線を引く
すると、外側の大きな円の中心を結んでできる赤い三角形は1辺の長さが2aの正三角形になり、また、正三角形の1つの頂点と小さな円の中心を結んだ線分の長さは、a+bになります。
さらに、三平方の定理から正三角形の1つの頂点から対辺に下ろした垂線の長さは、√3aになります。
一方、小さな円の中心は正三角形の重心になるので、正三角形の垂線の長さを2:1に内分します。
以上により、
√3a:a+b=3:2
が成り立ち、これを整理して、
2√3a=3(a+b)
から、
b=(2√3-3)a/3
となります。
続いて、(2)を片付けましょう。これも(1)と同じように大きな円の中心を結んで正三角形を作ります。
▲図2.円の中心を結んで正三角形を作る
求める黒い領域の面積は、赤い正三角形の面積から小さい円の面積を引き、さらに大きい円の中心角が60°の扇形の3つ分の面積(つまり、半円の面積)引き、最後に3で割って求めることができます。
式にすると、
求める面積=(赤い正三角形の面積-小さい円の面積-大きい円の中心角が60°の扇形の面積×3)÷3
です。
それでは、一つひとつ面積を計算しましょう。
まず、赤い正三角形の面積は、底辺2a、高さ√3aなので
青い正三角形の面積=√3a^2 (a^2 は、aの2乗を表します)
です。
次に、小さい円の面積は、半径bなので、
小さい円の面積=πb^2
です。
さらに、大きい円の中心角が60°の扇形の面積は、大きい円の半径がaなので、
大きい円の中心角が60°の扇形の面積=πa^2/6
です。
以上を先程の式に代入して、
求める面積=(√3a^2-πb^2-πa^2/6×3)÷3
={√3a^2-π(a^2/2+b^2)}×1/3
となります。
円の図形問題では円の中心を通る補助線が正解の手掛かりになることが多いので覚えておくと良いでしょう。
最後になりましたが、皆様、良いお年をお迎えください。
昨日は南風のため少し暖かかったのですが、今日は寒くなりました。夕方、雨も降るようですが、元旦は寒さが厳しくなるものの晴れになるようです。
さて、今回は平成26年度東大大学院創成科学研究科環境研究系海洋技術環境学の入試問題です。
問題は、
「(1)半径aの大きな円が3個と、半径bの小さな円が1個、下図のようにそれぞれの円が他のすべての円と接するように描かれている。この時、bをaの式で表せ。
▲問題図(1)
(2)下の図は、(1)で示した図のうち半径bの円の周辺を拡大したものである。黒く塗られた部分(大きな円2個と小さい円1個の円弧で囲まれた部分)の面積を、a、bを用いた式で表せ。」
▲問題図(2)
円の図形問題では、円の中心を通る補助線を引くと上手くいくことが多いです。この問題では、円が4個あるので、図1のようにそれらを結ぶ補助線を引きましょう。
▲図1.円の中心を結んだ補助線を引く
すると、外側の大きな円の中心を結んでできる赤い三角形は1辺の長さが2aの正三角形になり、また、正三角形の1つの頂点と小さな円の中心を結んだ線分の長さは、a+bになります。
さらに、三平方の定理から正三角形の1つの頂点から対辺に下ろした垂線の長さは、√3aになります。
一方、小さな円の中心は正三角形の重心になるので、正三角形の垂線の長さを2:1に内分します。
以上により、
√3a:a+b=3:2
が成り立ち、これを整理して、
2√3a=3(a+b)
から、
b=(2√3-3)a/3
となります。
続いて、(2)を片付けましょう。これも(1)と同じように大きな円の中心を結んで正三角形を作ります。
▲図2.円の中心を結んで正三角形を作る
求める黒い領域の面積は、赤い正三角形の面積から小さい円の面積を引き、さらに大きい円の中心角が60°の扇形の3つ分の面積(つまり、半円の面積)引き、最後に3で割って求めることができます。
式にすると、
求める面積=(赤い正三角形の面積-小さい円の面積-大きい円の中心角が60°の扇形の面積×3)÷3
です。
それでは、一つひとつ面積を計算しましょう。
まず、赤い正三角形の面積は、底辺2a、高さ√3aなので
青い正三角形の面積=√3a^2 (a^2 は、aの2乗を表します)
です。
次に、小さい円の面積は、半径bなので、
小さい円の面積=πb^2
です。
さらに、大きい円の中心角が60°の扇形の面積は、大きい円の半径がaなので、
大きい円の中心角が60°の扇形の面積=πa^2/6
です。
以上を先程の式に代入して、
求める面積=(√3a^2-πb^2-πa^2/6×3)÷3
={√3a^2-π(a^2/2+b^2)}×1/3
となります。
円の図形問題では円の中心を通る補助線が正解の手掛かりになることが多いので覚えておくと良いでしょう。
最後になりましたが、皆様、良いお年をお迎えください。