東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

平成30年度都立高校入試問題(8)[国立高]

2018-05-07 12:43:26 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は平成30年度都立高校数学入試問題を取り上げます。

問題は、国立高で出題された大問3の図形問題で、それは、
「下の図1で、点Oは線分ABを直径とする半円の中心である。


▲図1.問題図(1)

 点Pは弧AB上にある点で、点Aと点Bのいずれにも一致しない。
 点Bと点Pを結ぶ。
 ただし、∠ABPは60°以下の角とする。
 ∠ABPの二等分線と弧APの交点をQとする。
 点Aと点Qを結び、∠BAQの二等分線と弧BQの交点をRとする。

 次の各問に答えよ。

[問1] 弧BR:弧RP=2:1 のとき、∠ABPの大きさは何度か。

[問2] 下の図2は、図1において、点Qから線分ABに垂直な直線を引き、その交点をH、線分ARと線分QHの交点を I、線分ARと線分BQの交点をJとした場合を表している。


▲図2.問題図(2)

(1) QI=QJ であることを証明せよ。
(2) OA=1cmとする。
    ∠ABP=60°のとき、線分IJの長さは何cmか。」
です。

[問1]です。

図3のように、与えられた条件を書き入れましょう。


▲図3.与えられた条件を書き入れました

図4のように点Aと点Pを結ぶと、∠APBは半円弧に対する円周角なので、∠APB=90°で、同様に、∠AQB=90°になります。


▲図4.∠APB=∠AQB=90°です

ここで、∠ABQ=∠QBP=、∠BAR=∠RAQ=とします。

すると、弧BR:弧RP=2:1から、∠PAR=/2です。

直角三角形ABPの内角に注目すると、
+3/2+90°=180° → 8+6=360°
が成り立ち、さらに直角三角形ABQの内角に注目すると、
+2+90°=180° → 3+6=270°
が成り立ちます。

これら2式から
=90° → =18°
になり、∠ABP=2から
∠ABP=18°×2=36°
で、これが答えです。

次に[問2]の(1)です。

QI=QJを示すには、∠QIJ=∠QJIを示すのがよいでしょう。

そこで図5のように、点Bと点Rを結び、∠QBR=とします。


▲図5.∠QBR=としました

このとき、∠BRJ=∠BRA=90°ですから、直角三角形BRIの内角に注目して、
∠BJR=180°-∠BRJ-∠QBR=90°-
で、∠QJIと∠BJRは対頂角の関係なので、
∠QJI=90°-  [1]
が成り立ちます。

一方、円周角の定理から
∠QBR=∠QAR
で、仮定から
∠QAR=∠BAR
です。

したがって、∠BAR=∠HAI=になります。

ここで、直角三角形AHIの内角に注目すると、
∠AIH=180°-∠AHI-∠HAI=90°-
で、∠QIJと∠AIHは対頂角の関係なので、
∠QIJ=90°-  [2]
が成り立ちます。

[1]と[2]から、∠QJI=∠QIJが成り立ち、2つの内角が等しい三角形は二等辺三角形なので、QI=QJです。

最後の[問2](2)です。

∠ABP=60°から∠BAP=30°です。

一方、∠ABQ=30°から∠BAQ=60°で、したがって、∠BAR=30°になります。

以上から、図6のように、点Pと点Rは同じ点になります。


▲図6.点Pと点Rは同じ点です

このとき、△AHI、△BPJは内角が90°、60°、30°の直角三角形なので、∠AIH=∠BJR=60°で、△QIJは正三角形です。

一方、△ABP≡△BAQからBP=AQで、したがって、△BPJ≡△AQJになるので、
IJ=QJ=PJ   (★)
です。

ここで、直角三角形ABPに注目すると、
AB:BP:AP=2:1:√3
で、AB=2cmですから、
BP=1cm
AP=√3cm
です。

次に、直角三角形BPJに注目すると、
BP:PJ=√3:1
で、BP=1cmですから、
PJ=1/√3=√3/3cm
です。

すると(★)から、
IJ=√3/3 cm
で、これが答えです。


簡単な問題です。