東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

都立高校入試 理科

2014-02-28 12:26:08 | 高校受験
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

暖かくなりました。未明にH2Aロケットの打ち上げのライブ動画をインターネットで観ようと思っていたのですが、結局、起きることができず見逃しました。打ち上げは成功で、これでH2Aロケットの打ち上げは連続17回成功です。素晴らしいですね。

都立高校入試の理科ですが、大問2の防災についての問題と大問3の透明半球を用いた太陽と月の観測についての問題が面白そうです。

大問3の小問3については、問題の読み方によっては、公表された正答(エ)ではない正解(イ)もありうるということで、受験者全員正解とする処置になりました。

まず、大問2の防災についての問題ですが、小問1は、地震波の伝わり方の違いから震源と観測地との距離や地震波が届くまでの時間を求める一般的な問題です。小問2は力と圧力についての問題で、小問1、2は計算を間違えなければ正解できるでしょう。

小問3と4は選択問題です。小問3は、ヘモグロビンの働きと赤血球が酸素を運ぶことを知っているかを問うもので、小問4は、有機物が燃えると水と二酸化炭素ができることと「固形燃料」→常温で固体→融点が常温以上が想像できるかという問題でした。

次に、大問3は透明半球で月を観測するというあまり見かけない問題です。小問1は一般的な問題で、小問2は夏至での地球と太陽の位置関係と下弦の月が見える地球と月の位置関係を考えれば正答できます。

今回出題ミスとなった小問3は、あまり見かけない月の南中高度の問題で面食らった受験生も多かったのではないでしょうか。季節ごとの満月の南中高度が、太陽の場合の反対になるということを知っていれば簡単なのですが。

例えば、夏至には太陽の南中高度が最も高くなりますが、地球から見て満月は太陽の反対側にあるので南中高度が最も低くなります。冬至の場合は、夏至の反対で、満月の南中高度が最も高くなります。つまり、1番目の答えは、冬至であれば半月のとき、つまり、月の中心と地球の中心を結んだ直線と太陽の中心と地球の中心を結んだ直線がほぼ垂直になる位置関係となり、秋分の日や春分の日であれば満月のとき、つまり、上記の直線がほぼ平行になる位置関係ということになります。2番目の答えは、1番目の冬至の場合です。

総じて見ると、例年より少し難しいようですが、出題ミスで全員に5点加点されるので平均点は55点ちょっと位でしょうか。

出題ミスの問題に時間を費やした受験生には気の毒なことです。出題ミスのないように細心のチェックをお願いしたいものです。

都立高校入試 国語 「夏帽子」

2014-02-27 13:29:08 | 高校受験
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

朝から、雨が降ったり、止んだりです。昨日に比べて寒くなりましたが、明日は雨もあがって暖かくなるようです。

都立高校入試問題の国語ですが、例年のパターンで、大問1、2が漢字の読み書き、大問3が小説、大問4が説明文、大問5が古典を題材にした評論文、です。去年の平均点が60.5点と低かったので、今年は65点あたりでしょうか。漢字も易しいですし。

大問3の小説は、長野まゆみ氏著の連作短編集「夏帽子」からの出題です。主人公の紺野先生は理科の臨時教師で日本各地を廻っているという設定で、各地での生徒との寸景をノスタルジックに描写した短編小説です。

「この季節、紺野先生はちょっとした目当てがあってこの町への赴任を悦んだ」とあるように、紺野先生は熱血教師ではなく普通の人間臭い先生で、生徒たちともある距離感を持って接する人物です。その辺のところが登場人物の心情についての作問し易さに繋がっています。

問題に意地悪なものはなく、解答文に使われたキーワードの正否を確認すれば正解できます。小問5の50字作文では、本文に続けて少年の心情を綴るものですが、「先生は来週まででしょう。ぼくの足の速いところを見せられなくて残念だな」という少年の最後の台詞から、少年が紺野先生に好感を抱いていることは明らかで、この心情を外さず作文すればOKです。

今年も、引っ掛け問題がなく、普通に使う日本語の問題で良いですね。

都立高校入試 社会 「玉川上水」

2014-02-26 11:12:05 | 高校受験
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

天気の良い日になりました。明日の昼頃から雨になるようですが、金曜日までは暖かい日が続くようです。

都立高校入試の社会で面白かったのが、大問4の「水」に関する問題です。小問1は、古墳時代から室町時代にかけての農業生産向上のための治水・利水について、小問2は、室町時代から明治時代にかけての水運整備について、小問3は、江戸時代の玉川上水について、最後の小問4は明治から現代にかけての水技術についての問題です。

古墳時代から現代までを「水」というキーワードで作問していて統一感があります。さらに玉川上水の問題では、その分水図が挙げられていて、そのなかに「田無村分水」など身近な地名があるので親しみを感じます。

玉川上水は、多摩川の水を引き入れる羽村取水口から四谷大木戸まで約43キロメートルを自然流下で送水する導水路です。終点の四谷大木戸からは石樋、木樋による配水管で江戸中に配水され、江戸市中の人々に役立ちました。

また、この玉川上水は江戸の人々の生活用水を供給しただけでなく、30以上の分水が造られ多摩地区の人々の飲み水や田畑の用水、さらに新田開発に大いに貢献しました。これらの多くの分水が可能だったのは、玉川上水が武蔵野台地の尾根を通っていたためです。

このような点から、玉川上水は現在の東京の基礎を築いた公共資産だったと言えるのかもしれません。たいへん勉強になる問題でした。

都立高校入試 数学

2014-02-25 12:10:25 | 高校受験
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今日は暖かくなりました。残った雪もどんどん融けている」ようです。暫く暖かい日が続くようで良かったです。

昨日の都立高校入試試験問題が公開されました。数学の問題をちらっとみたのですが、昨年度に続き、「資料の整理」の問題で、確率ではありませんでした。今年は確率に戻ると思っていたので予想外です。

大問2は、「数」についての問題で、少し取っ付き難く感じた人もいたかもしれません。小問1は4で割った余りを考えれば簡単ですが、力ずくでも正解できます。

大問3は、2次関数が出題されました。過去問をやっていれば、小問1は楽勝です。

大問4は、正三角形についての平面図形問題です。小問2の図が少し意地悪く歪めて描いてあるので、小問2の2は難しいかったかもしれません。

大問5の小問2は、求積する三角錐の対称性が良く判りやすかったので、例年より簡単でしょう。

全体的には例年と同じパターンの問題で、過去問や模擬試験をしっかり勉強しておけば、高得点が期待できるものです。平均点は去年より高くなりそうです。

福岡市博物館、「圧切長谷部」と「金印」

2014-02-24 12:25:04 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

朝は曇りでしたが、昼過ぎから晴れてきました。気温も暖かくもなく、寒くもなく、まあまあの試験日和です。都立高校入試に挑んでいる塾生は頑張っていると思います。

近ごろは、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」を楽しみにしています。昨日は銘刀「圧切長谷部(へしきりはせべ)」が出てきました。官兵衛の主君小寺政職の名代として岐阜城の織田信長に拝謁したとき、信長が官兵衛に与えたという設定です。

この銘刀は代々黒田家に伝来し、昭和28年に国宝に指定されました。現在は福岡市博物館が所蔵し、先月から今月の初めまで、「黒田家名宝展示-官兵衛ゆかりの資料展示-」という企画で、展示されました。但し、常設展示ではないので、ついでに観るという訳にはいかないようです。

さらに、福岡市博物館は、「漢委奴国王」の金印も所蔵しています。これは中学の教科書にも写真付きで登場する超有名な代物で、もちろん国宝(昭和6年)です。

江戸時代の天明年間(天明の大飢饉で有名です)に志賀島で農作業していた百姓が見つけて奉行所に届け出ました。(正直者のお百姓さんとして有名です) その後、筑前藩主の黒田家に代々伝わり、維新後、黒田家が福岡から東京に居を移した際、東京国立博物館に寄託され、その後、福岡市に寄贈されて、現在は福岡市博物館が所蔵しています。この金印は福岡市博物館の目玉で常設展示されているので、いつでも観ることができます。

福岡市博物館は、博多駅から地下鉄に乗り換えなければなりませんが、機会があれば訪れるとよろしいかと思います。

明日の都立高校入試、頑張ってください

2014-02-23 10:45:38 | 高校受験
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

曇りで寒い日になりました。明日の気温も今日と同じようなので、都立高校受験生の皆さんは暖かくして会場に行ってください。

40年前に高校受験したのですが、その行き帰りのことや受験会場の場所さえもはっきり覚えていなくて、それは大学受験のときも同じで、帰りに井の頭線に乗ったような気がするので、駒場が受験会場だったんだろうな、といった有様です。はっきり覚えていないということは、遅刻するなどトラブルがなかったということなのでしょう。

そんななか、高校受験で鮮明に覚えていることがあって、それは、「流麗」という漢字の読みの問題です。一見して「りゅうれい」と書いたのですが、これでは簡単すぎるなぁと思い、「るれい」に変えて間違えてしまいました。都立高校の入試問題は、ひねってありませんから、素直に解答すればOKです。

他の注意事項としては、時間に余裕を持って受験会場に向かいましょう。特に、鉄道を利用する人は電車が止まることがあるので、そのようなトラブルに遭遇したら、受験する高校などに連絡して指示を仰ぎましょう。そのため緊急連絡先なども確認しておくことが大切です。

筆記用具は、複数セット持って行きましょう。特に、シャープペンは芯詰まりなど起こし易いので、新しいイ芯に入れ替えたものを3本以上用意しておくことをお勧めします。消しゴムも2個以上ですね。あと、コンパス、定規も忘れずに。

英語のリスニングテストでは、試験開始と同時に問題をチェックしましょう。あらかじめどのよなものから答えを選ぶのかを知っておくとリスニングのときに役に立ちます。

数学では、大問1の方程式の問題など検算できるものは必ず検算しましょう。検算の際は、必ず元式を使ってください。易しい問題で確実に得点することが受験のコツです。

作文、英作文は判らなくても何か書きましょう。部分点が貰える場合もあります。また、4択式の問題が多いので時間切れになりそうになったら、あてずっぽうで記入しましょう。

アドバイスは以上ですが、これまで努力して培ってきた実力を精一杯発揮してください。ご健闘を祈ります。

都立高校入試 国語作文

2014-02-22 12:22:56 | 高校受験
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

降雪のない週末ですが、今日は北風が少しあって寒い日になりました。来週の半ばは暖かくなるようです。

都立高校入試が明後日に迫りました。今回は国語の作文についてです。

国語試験問題の大問4の小問5に200字の作文が出題されます。本文で論述されているテーマについて、自分の意見を作文するというものです。

具体的に各年度のテーマを見ていくと、25年度から遡ると、「住居と人間」、「自分の言葉で表現する」、「森林の価値」、「読書という積極的な営み」、「言葉によるコミュニケーション」、「地球の未来を考える」、「科学が分かる」、「言葉を書く」です。中学生にとって身近なテーマから少し高尚なテーマまで様々ですが、本文を参考にしたり、これまでに得た知識を駆使して、自分の考えを分かりやすく表現することが必要です。

作文の条件は、作文用紙の使い方(字数の数え方)以外に、字数が200字以内(毎年度共通)、および構成要件としては、「具体的な体験や見聞も含めて」(25、23年度)、「具体的な体験を示して」(24、22、21、19年度)、「自分がなすべきことを具体的に示して」(20年度)、「身近な体験を交えて」(18年度)が指定してあります。

これらの作文条件に基づき、与えられたテーマに沿って作文することが求められますが、最も大切なのは、テーマに沿った作文ということです。これを逸脱すると、大幅減点(多分0点)になります。もし、テーマに対する自分の意見がまとまらなかった場合は、テーマについて「これから学んでいきたい」という結論にすることも可能でしょう。

作文条件の字数については、180字以上200字以下が良いでしょう。また、構成要件の「具体的な体験を含めて」などを満たすことは必須です。体験例が浮かばない場合は、見聞したことでも架空の体験でも構わないので必ず書いてください。

以上の点に留意して作文すれば、高得点を期待できます。あとは、誤字・脱字に気をつけて、自信のない漢字がある場合は、言い回しを変えてその漢字を避けたり、それができない場合は、ひらがなで書きましょう。最後まで諦めず頑張ってください。

ピタゴラス方程式とフェルマー方程式

2014-02-21 13:02:12 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

所々に積み上がった雪山が残っていますが、大分小さくなったようです。予報では、日曜日も都立高校入試のある月曜日も晴れて暖かくなるようなので良かったです。

中3の数学学年末試験範囲に三平方の定理が含まれます。三平方の定理は、ピタゴラスの定理とも呼ばれ、直角三角形の斜辺の長さとその他の2辺の長さの関係を表しています。2辺の長さを a、b、斜辺の長さを c とすると、
a^2+b^2=c^2 (m^nは、mのn乗を表します)
というピタゴラス方程式が成り立ちます。

そして、このピタゴラス方程式を満たす自然数 a、b、c をピタゴラス数と言います。例えば、良く知られた、(3、4、5)や(5、12、13)などがピタゴラス数になります。

一般的なピタゴラス数の表し方は、「 a=m^2-n^2、b=2mn、c=m^2+n^2、但し、m、n(m>n)は互いに素な自然数で、一方は奇数、他方は偶数」で、中学校の数学レベルで証明することができます。

そして、ピタゴラス方程式の各項にある指数2を自然数n≧3としたものが、フェルマー方程式と呼ばれ、1995年にワイルズによって解かれるまで約360年間、数学者を苦しめた(楽しませた?)超難問です。

フェルマー方程式(最終定理)に関する大学入試問題は、1998年に信州大学経済学部で出題されています。

「 nを2より大きい自然数とするとき
x^2+y^2=z^2を満たす整数解x、y、z(xyz≠0)は存在しない」 というのはフェルマーの最終定理として有名である。・・・、と始まって、「おやっ」と思わせるのですが、問題の核心は大したことなく、前振りだけが仰々しいものでした。

実は、フェルマーの定理には、上記した最終定理(大定理)と小定理があります。その小定理は、「 pが素数のとき、いかなる整数 a に対しても a^p-a は p で割り切れる」 というものです。この小定理に関する問題は、東大、京大など多くの大学入試に出題されています。2009年の東大の問題は、二項係数と数学的帰納法を勉強すれば、中学生でも解けるので挑戦してはいかがでしょうか。

歌舞伎の日

2014-02-20 13:53:02 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

寒い日が続きますが、来週は少し暖かくなるようです。

昨日の朝、ラジオで聞いたのですが、今日(2月20日)は、「歌舞伎の日」だそうです。旧暦の慶長12年(1607年)2月20日に出雲阿国が江戸城で徳川家康などに歌舞伎踊りを披露したことに由来するそうです。

出雲の阿国は、中学の歴史教科書に出てくるほど有名人です。織田信長、豊臣秀吉などにより全国統一政権が成立した安土桃山時代には、古い社会システムが崩れ、活気に満ちた社会に変化しました。商業なども盛んになり、大名をはじめとする政治的権力者や大商人たちが桃山文化のパトロンになります。

桃山文化を代表するのは、安土城や大阪城などの優雅で壮大な城ですが、それらの城には襖や屏風が必要で、狩野派などの絵師が活躍し、また、社交の場としての茶の湯が流行します。

以上ような記述が教科書に1ページ半ほどあり、このなかに出てくる権力者以外の人物は、狩野永徳、狩野山楽、千利休および出雲の阿国の4人です。

さらに、他の教科書を見ると、一つには、狩野永徳、千利休、出雲の阿国の3人、別のものには、狩野永徳、狩野山楽、長谷川等伯、千利休、出雲の阿国の5人が書かれています。

このことからも、出雲の阿国がいかに歴史的に重要視されているのかが判ります。つまり、阿国以外は権力者と結びついた芸術家・文化人ですが、阿国は庶民芸能で活躍し、ここに始まった庶民の文化が、江戸時代の町人を担い手とする元禄文化、化政文化に繋がっていくという点で、阿国の登場はエポックメーキングであったということでしょう。

受け身形

2014-02-19 12:10:45 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

予報されていた今日明日の降雪はないようで良かったです。しかし、今日は寒いです。

中学校の学年末試験が近くなりましたが、中2の英語では、受け身形が試験範囲です。受け身形は、「be+過去分詞」の形で、「~された」という意味を表します。

教科書では、“We wash the car every day.” を受け身形に言い換えて、“The car is washed every day.” とする例文を挙げています。そして、洗車する行為者がTomのとき、“The car is washed by Tom.” として、“by ~” で行為者を表します。

受け身形は日本語でも頻繁に使われるので、文型・規則を覚えてしまえば何ということもないのですが、勉強していくと、受け身形にならない動詞やら “by” 以外の前置詞やら、細々でてきます。しかし、中学校では上述した基本形だけで大丈夫ですから安心してください。むしろポイントは、不規則変化の動詞の過去分詞形を覚えることです。例えば、“know-knew-known” やら “sing-sang-sung” などです。不思議な変化で覚えるのが嫌だなぁ、と思う人も多いかもしれませんが、見方によっては、可愛らしくもあります。口ずさみながら覚えるのが定番です。

現在では、行為者を “by” で表しますが、古い英語では、“by”、“from”、“mid”、“of”、“with” が使われたようです。古くは、“from” と “of” が主流だったようですが、14世紀半ばに “from” の元気がなくなり、14世紀末に “by” が登場し、16世紀末に “of” が衰退し、それ以来、“by” の天下となりました。三国志のような話です。こんなところが、言語の面白いところです。

「失敗は成功の母」なのか?

2014-02-18 12:52:52 | 勉強のやり方
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

午前中は風が強かったのですが、午後になって落ち着いたようです。都立高校の一般入試まで1週間を切りました。受験生の皆さんは体調に気をつけて最後のひと踏ん張りです。

ターリ・シャーロット博士が著した「脳は楽観的に考える」のなかに面白い話があります。シャーロット博士の同僚の実験で、被験者に対して「賢い」または「愚か」の言葉をかけた後、被験者に作業させ、成功したときと失敗したときの脳の反応を調べるというものです。

結果は、被験者が作業に成功した場合、作業前の「賢い」「愚か」の声かけに依存せず、脳は不活性で、作業に失敗した場合、作業前に「賢い」と声かけされた被験者は脳が活性化したのに対し、「愚か」と声かけされた被験者の脳は不活性であった、というものでした。下図にまとめます。


▲作業前の「賢い」「愚か」の声かけと作業結果と脳の活性化

この実験の結論は、「作業前に「賢い」と声をかけられた被験者は、自分自身が良い成績を収めることを期待したが、誤答した場合、期待と結果が一致しなかったため、脳(前頭葉)でミスマッチのシグナルが生じ、脳は何が上手くいかなかったのかを懸命に知ろうとする」ということです。

さらに、「このシグナルの重要性は、学習を促す点にあり、間違いからの学習は、私たちの行動を最適な機能へと仕向けるために欠かせず、間違いへの注意力を高めると、次の作業のとき、より良い成績を収められるようになる」と言っています。

つまり、簡単に言うと「失敗は成功の母」というのは、成功する期待がある場合に正しいのであって、初めから失敗すると思っている場合、「やっぱりね」で終わってしまうということです。

中学生はあと1週間ほどで学年末試験ですが、少し高めの目標点数を定めて、それを達成できるという期待を抱くと良いでしょう。そして目標点数に届かなかったとき脳が活性化して、次の定期考査で良い成績が収められるようになるということです。(もちろん、試験勉強することになるのですが)

もし、目標点数を達成してしまったら、さらに目標点数を高くして、満点になってしまったら、テスト時間を減らしましょう。これが、茂木健一郎博士の「強化学習」になる訳です。

源氏物語が難しい理由

2014-02-17 11:34:09 | 勉強のやり方
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

道端には雪山がたくさんありますが、歩くのには然程苦労しません。

先日のセンター試験の国語平均点が5割を下回ってしまいました。源氏物語の問題が難しかったようです。その前は、小林秀雄氏の評論が難しく5割ぎりぎりだったので、少し簡単になるかと思いましたが・・・。

私が受験生の頃は、現代文の小林秀雄氏は定番でしたが、古文は「大鏡」で「源氏物語」はそれほど力を入れて勉強しませんでした。実際に、センター試験で源氏物語が出題されたのは、今回が初めてです。但し、難関校では結構出題されるようですが。

源氏物語が難しい理由は、(1)主語が判り難いこと、(2)表現描写が無限定的で状況が判り難いこと、が挙げられます。

(1)の主語が判り難いのは、主語が省略されていることが多いということで、それを補って読む必要があります。

(2)の表現描写が無限定的と言うのは、主題に直接関係しないような事象をこまごまと書いているので、近代小説の考え抜かれた構成で主題や主人公を描いていく手法と比べると冗長で、そのため、状況把握が難しくなります。

今後、センター試験に出題されることはないかもしれませんが、源氏物語対策としては、(1)(2)を踏まえ、現代語訳またはマンガ本であらすじを抑え、その上で問題集などに取り掛かることをお薦めします。

ファラデーの業績

2014-02-16 12:31:04 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回の雪で停電になった地域もあったようです。石油ストーブなどあれば良いですが、今はエアコン、電気カーペット、ファンヒーターなどで暖を取る家庭も多いので、冬に停電になると大変です。

電気については、中2の理科で「電流と磁界」の単元で勉強しますが(多くの中学校で学年末試験範囲です)、この分野に大きな貢献をしたのがファラデーです。

ファラデーは14歳で本屋兼製本所の年季奉公を始め、そこで多くの本を読んだそうです。と言うことは、あまり働き者ではなかったのかもしれませんね。そして、年季奉公が明けてまもなく、英国の王立研究所の助手として採用され、そこで数々の業績を残します。

彼の業績のなかでも特記されるのが、電磁誘導現象の発見です。電磁誘導は、コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりすると、電流が生じるというもので、力学的エネルギーを電気エネルギーに変換できることを示しています。、

この電磁誘導現象の発見のおかげで、発電機が発明され(ファラデーも原始的な発電機を製作しています)、冬でも暖かく過ごせるようになって良かったのですが、中高生にとっては電磁気での難所の一つで、オームの法則は楽勝、フレミングの左手の法則をなんとか乗り切ったものの、電磁誘導で力尽きたという学生も多いようです。

さらに、ファラデーはその化学構造式が「亀の甲」と言われ、多くの学生に毛嫌いされている「ベンゼン」の発見者でもあります。このベンゼンは、プラスチック原料のスチレンや接着剤原料のフェノールなどを製造するための欠かせない材料で、現代の生活を支えています。例えば、ペットボトルのポリエチレンテレフタラートにもベンゼン環が入ってます。

このようにファラデーの業績は、中高生に電気(物理)嫌いや化学嫌いを多く作り上げたという面もあるようですが、電気とペットボトルがあるほうが快適ですよね。ファラデーに感謝!

足利義昭と鞆の浦

2014-02-15 11:35:59 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

大雪になりました。昼前に教室前の雪かきをして、午後から自宅前の雪かき予定です。

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」では、15代将軍足利義昭が追放されてしまいました。有名な足利将軍は、初代尊氏、金閣寺の北山文化や日明貿易の3代義満、銀閣寺の東山文化や応仁の乱の8代義政ですが、この義昭もなかなか魅力的な将軍です。

織田信長とお互いに利用しながら将軍職に就き、その後、信長包囲網を作ったりと大活躍で、英雄・豪傑たちが群雄割拠する戦国ドラマで大役を演じました。

追放後の義昭は、京都の南の枇杷庄、河内、堺、和歌山と転々とした後、広島県の鞆の浦に移ります。

鞆の浦は古くから有名な土地で、鞆の浦を詠んだ歌が8首も万葉集に残っています。また、南北朝時代、足利尊氏が新田義貞追討の院宣を賜ったのもこの地で、足利家にとって縁起の良い場所です。


▲鞆の浦湾

義昭は約10年間、鞆の浦に居住し、有力大名に上洛の支援を要請します。(彼の最後まで諦めない姿勢は見習うべきところ大です) しかし、願いは叶わず、結局、秀吉に臣従し、1万石の大名となります。

自称太平記ファンなので、数年前に鞆の浦を訪れましたが、まだ新田氏の本拠地・群馬県太田市に行ったことがありません。機会を見つけて訪れたいと思ってます。

単位の換算 小6算数

2014-02-14 11:24:23 | 勉強のやり方
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

予報通り朝から雪です。これからどんどん激しくなっていくそうなので気をつけてください。

さて、小6の算数では「量と単位」を勉強しています。この単元のなかに出てくる単位の換算が苦手な生徒は多く、小学校最後の難関です。とは言っても、中学生になって数学や理科で再勉強してどうにか克服するのですが。

そこで今日は単位の換算についてお話します。

単位の換算が難しく感じるのは、例えば、1mmの10倍が1cm、1cmの100倍が1m、1mの1000倍が1kmなどと似たような数が出てきて覚えるのに大変で、まして面積や体積を扱うに至っては頭がこんがらがって当たり前です。

とは言っても、何も覚えなくて単位の換算ができる訳ではないので、最小限覚えるものを図1に示します。(長さと面積だけです)


▲図1.単位の換算で覚えること(長さと面積)

まず、長さに関しては、1kmが1000m、1mが100cm、1cmが10mmを覚えてください。

次に「580mは何kmか」という例題を使って、図2に単位換算の手順を示します。

▲図2.長さの単位換算手順

ステップ1で、左に「1km」、右に「1000m」を並べて書いて、その上に左から右に向かって矢印を書きます。1kmの「1」と1000mの「1000」を見比べると1000倍になっているので、矢印の上に「×1000」と書き込みます。同様に、右から左に向かって矢印を書き、上に書いた「×1000」の逆演算、つまり「÷1000」と書き込みます。これで準備完了です。

ステップ2では、右下に「580m」、左下に「□km」を書きます。このときステップ1で書いた図の単位と合わせて書くことがポイントです。続いて、ステップ1で書いた2つの矢印のうち換算したい向きと同じもの、つまり、この場合、右から左に向かう矢印と「÷1000」を書き入れます。

最後のステップ3で、580÷1000を計算すれば終わりです。


次に面積です。図1にあるように覚えることは多いように見えますが、長さで覚えたこと以外に、1平方kmは1辺1km、1平方mは1辺1m、・・・、の正方形の面積と同じということと、1haと1aがそれぞれ100m、10mを1辺とする正方形の面積ということを覚えれば大丈夫です。

こちらも「580平方mは何平方kmか」という例題を使い、換算手順を図3に示します。


▲図3.面積の単位換算手順

ステップ1で大雑把な「正方形」を描き、中に「1平方km」、その辺に「1km」と書きます。次に、長さで覚えた1km=「1000m」を書き込みます。

ステップ2では、1000×1000=1000000を計算して、「1平方km=1000000平方m」を書きます。

続いて、ステップ3では、長さのときと同じように、左に「1平方km」、右に「1000000平方m」、上に左から右に向かう矢印を描き、そこに「×1000000」、下に右から左に向かう矢印を描き、「÷1000000」を書き込んで準備完了です。

ステップ4では、右側に「580平方m」、左側に「□平方km」を書いて、ステップ3の図から同じ向きの矢印、つまり、この場合右から左へ向かう矢印と「÷1000000」を書き入れます。

最後にステップ5で、580÷1000000を計算して終わりです。


これらの例以外に、「kmとmm」や「平方kmと平方mm」などの換算については、1kmが何mmかを知らないとできない訳ですが、図1の「1km=1000m、1m=100cm、1cm=10mm」を組み合わせて、「1km=1000000mm」を導いて換算するか、または、3段階に分けて換算してください。

また、体積についても面積と同様です。但し、「L」と「dL」は覚える必要があります。私の場合は、「L」については1000立方cmの牛乳パック、「dL」は10分の1で覚えています。

単位換算が苦手な人に参考にしていただけると幸いです。