こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
曇っていて、これから雨になるかもしれないようですが、気温が17℃と暖かい日になりました。明日、明後日は、また少し寒くなるようですが、それ以降は暖かい日が続くようです。すっかり、春めいてきました。
さて、今回は平成28年度都立高校入試の理科を取り上げます。
問題構成は、6つの大問から成り、大問1と2は物理、化学、生物、地学の4分野から合わせて10個の小問が出題され、大問3は天体、大問4は生物、大問5は化学、大問6は電気についての出題でした。
早速、大問1から調べていきましょう。
問1は、岩石についての基本問題で簡単です。
問2は、摩擦力の作用点で迷って難しく感じた受験生もいたと思います。
問3、4、5、6は、それぞれ消化、質量パーセント濃度、レンズおよび地震の基本問題でしっかり正解したいところです。
大問2は、「二十四節気は、・・・」で始まりますが、その後の問題にはあまり関係ないようで、この難しい語句で慌てなければ簡単です。
問1は、食物連鎖に関する問題ですが、ミミズが第一次消費者であることと、問題のなかのカビが有機物を無機物に分解するとあることから、正解するのは簡単だったでしょう。
問2、3、4は、それぞれ音、飽和水蒸気量および密度の基本問題でしっかり正解したいところです。
大問3は、金星と月の満ち欠けの問題ですが、難しかったと思います。問題文にある「金星を天体望遠鏡で観察し、観察した像を上下左右逆にして用紙に記録した」というのは、天体望遠鏡での観察像が肉眼に対して上下左右逆になるので、月と同じように肉眼で見た状態に合わせたということです。
問1は、地球上の観察者の位置、金星と火星の位置関係、観察した金星の形、(または、金星と月の位置関係)から判断するのですが、少し難しいかもしれません。
観察2と結果2は、「よいの明星」の観測で、5月23日は、金星が半月状に見えるので最大離角(東方最大離角)のときで、7月22日は内合直前のときです。
問2は、9月11日の明け方の東の空の観察についてですが、これは内合後の金星で、「明けの明星」と呼ばれ、金星(月)に対する地球から見た太陽の位置が反対になるので、「よいの明星」と線対称な形になります。
問3は、結果2に記してある「地球と金星と月がそれぞれ公転する面はほぼ一致している」、月が真夜中に見られること、地球と金星の公転周期の違い、一連の観察で金星も月も満ち欠けしていることから正解できるでしょう。
大問4は、アサガオについての出題です。
問1は、茎の維管束と根の構造、生殖についての基本問題で簡単です。
問2は、丸葉が劣性形質であることが判り、DNAがデオキシリボ核酸ということを知っていれば正解できたでしょう。
問3は、遺伝の基本問題で簡単です。
問4は、各代ですべての個体を自家受粉させていくので、優性と劣性の形質になる遺伝子の比は変わらないということが判れば正解できますが、少し難しいかもしれません。
大問5は、水の電気分解についてです。
問1は、電極aから水素が発生することは容易に判ったでしょうが、水素を確認する方法で、マッチの火を近付けるのか線香を使うのか迷った受験生がいたかもしれません。助燃性のない水素の中に、マッチやろうそくの炎を素早く入れると火は消え、助燃性のある酸素のなかに、火のついた線香を入れると激しく燃えます。
問2は、沈殿物ができたということは、生成した硫酸バリウムが水に溶けない、つまり、硫酸バリウムが水の中でイオン化しないことが判れば正解できますが、少し難しいかもしれません。
問3は、化学反応式を書く問題で、反応式自体は代表的なものですが、忘れてしまった受験生も少なくなかったと思います。
問4は、難しかったかもしれません。ここで、BTB溶液を加えた水溶液の色が緑色になるということは、水溶液が中性になったということで、つまり、水溶液中の水素イオンがなくなったということです。そして、用いた塩酸と硫酸を中性にするために必要な水酸化ナトリウムの量は、それぞれ20cm3と10cm3なので、硫酸にあった水素イオンは塩酸の1/2と判ります。
大問6は電気の問題です。
問1は、電流計の使い方で簡単な基本問題です。
問2は、図1が直列回路、図2が並列回路で、それぞれについて、モーターにかかる電圧または電流を求めて電力を計算する必要があるので、難しかったと思います。
問3は、CoolからHotに切り換えることで、吹き流しの傾きは変わらない=モーターの回転数は変わらない、温度が高くなった=電熱線に流れる電流が大きくなったので、モーターと電熱線が「並列つなぎ」であることが判るのですが、何を言っているのか判らなかった受験生もいたと思います。
問4は、電気エネルギーが、電熱線で熱エネルギー、モーターで力学的エネルギーに変換されたことは容易に予想できるので簡単だったと思います。
以上をまとめると、今年の予想平均点は、昨年より難しくなって平均55点(昨年は出題ミスもありました)くらいだと思います。(因みに昨年の予想は、「若干易しくなった」で、実際は、平均57.3(H26)→平均59,4(H27)でした。出題ミスを考慮すると、外れということでした)
今回で平成28年度都立高校入試問題のおさらいはお終いです。新中3生の皆さんは、来年に向かってしっかり勉強してください。
曇っていて、これから雨になるかもしれないようですが、気温が17℃と暖かい日になりました。明日、明後日は、また少し寒くなるようですが、それ以降は暖かい日が続くようです。すっかり、春めいてきました。
さて、今回は平成28年度都立高校入試の理科を取り上げます。
問題構成は、6つの大問から成り、大問1と2は物理、化学、生物、地学の4分野から合わせて10個の小問が出題され、大問3は天体、大問4は生物、大問5は化学、大問6は電気についての出題でした。
早速、大問1から調べていきましょう。
問1は、岩石についての基本問題で簡単です。
問2は、摩擦力の作用点で迷って難しく感じた受験生もいたと思います。
問3、4、5、6は、それぞれ消化、質量パーセント濃度、レンズおよび地震の基本問題でしっかり正解したいところです。
大問2は、「二十四節気は、・・・」で始まりますが、その後の問題にはあまり関係ないようで、この難しい語句で慌てなければ簡単です。
問1は、食物連鎖に関する問題ですが、ミミズが第一次消費者であることと、問題のなかのカビが有機物を無機物に分解するとあることから、正解するのは簡単だったでしょう。
問2、3、4は、それぞれ音、飽和水蒸気量および密度の基本問題でしっかり正解したいところです。
大問3は、金星と月の満ち欠けの問題ですが、難しかったと思います。問題文にある「金星を天体望遠鏡で観察し、観察した像を上下左右逆にして用紙に記録した」というのは、天体望遠鏡での観察像が肉眼に対して上下左右逆になるので、月と同じように肉眼で見た状態に合わせたということです。
問1は、地球上の観察者の位置、金星と火星の位置関係、観察した金星の形、(または、金星と月の位置関係)から判断するのですが、少し難しいかもしれません。
観察2と結果2は、「よいの明星」の観測で、5月23日は、金星が半月状に見えるので最大離角(東方最大離角)のときで、7月22日は内合直前のときです。
問2は、9月11日の明け方の東の空の観察についてですが、これは内合後の金星で、「明けの明星」と呼ばれ、金星(月)に対する地球から見た太陽の位置が反対になるので、「よいの明星」と線対称な形になります。
問3は、結果2に記してある「地球と金星と月がそれぞれ公転する面はほぼ一致している」、月が真夜中に見られること、地球と金星の公転周期の違い、一連の観察で金星も月も満ち欠けしていることから正解できるでしょう。
大問4は、アサガオについての出題です。
問1は、茎の維管束と根の構造、生殖についての基本問題で簡単です。
問2は、丸葉が劣性形質であることが判り、DNAがデオキシリボ核酸ということを知っていれば正解できたでしょう。
問3は、遺伝の基本問題で簡単です。
問4は、各代ですべての個体を自家受粉させていくので、優性と劣性の形質になる遺伝子の比は変わらないということが判れば正解できますが、少し難しいかもしれません。
大問5は、水の電気分解についてです。
問1は、電極aから水素が発生することは容易に判ったでしょうが、水素を確認する方法で、マッチの火を近付けるのか線香を使うのか迷った受験生がいたかもしれません。助燃性のない水素の中に、マッチやろうそくの炎を素早く入れると火は消え、助燃性のある酸素のなかに、火のついた線香を入れると激しく燃えます。
問2は、沈殿物ができたということは、生成した硫酸バリウムが水に溶けない、つまり、硫酸バリウムが水の中でイオン化しないことが判れば正解できますが、少し難しいかもしれません。
問3は、化学反応式を書く問題で、反応式自体は代表的なものですが、忘れてしまった受験生も少なくなかったと思います。
問4は、難しかったかもしれません。ここで、BTB溶液を加えた水溶液の色が緑色になるということは、水溶液が中性になったということで、つまり、水溶液中の水素イオンがなくなったということです。そして、用いた塩酸と硫酸を中性にするために必要な水酸化ナトリウムの量は、それぞれ20cm3と10cm3なので、硫酸にあった水素イオンは塩酸の1/2と判ります。
大問6は電気の問題です。
問1は、電流計の使い方で簡単な基本問題です。
問2は、図1が直列回路、図2が並列回路で、それぞれについて、モーターにかかる電圧または電流を求めて電力を計算する必要があるので、難しかったと思います。
問3は、CoolからHotに切り換えることで、吹き流しの傾きは変わらない=モーターの回転数は変わらない、温度が高くなった=電熱線に流れる電流が大きくなったので、モーターと電熱線が「並列つなぎ」であることが判るのですが、何を言っているのか判らなかった受験生もいたと思います。
問4は、電気エネルギーが、電熱線で熱エネルギー、モーターで力学的エネルギーに変換されたことは容易に予想できるので簡単だったと思います。
以上をまとめると、今年の予想平均点は、昨年より難しくなって平均55点(昨年は出題ミスもありました)くらいだと思います。(因みに昨年の予想は、「若干易しくなった」で、実際は、平均57.3(H26)→平均59,4(H27)でした。出題ミスを考慮すると、外れということでした)
今回で平成28年度都立高校入試問題のおさらいはお終いです。新中3生の皆さんは、来年に向かってしっかり勉強してください。