東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

2021年日本数学オリンピック予選の問題(7)

2021-03-22 10:02:36 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2021年日本数学オリンピック予選の問題です。

問題は、
「1以上1000以下の整数からなる組(x,y,z,w)すべてについて、
xy+zw、xz+yw、xw+yz
の最大値を足し合わせた値をMとする。

同様に、1以上1000以下の整数からなる組(x,y,z,w)すべてについて、
xy+zw、xz+yw、xw+yz
の最小値を足し合わせた値をmとする。

このとき、M-mの正の約数の個数を求めよ。」
です。

3つの実数をA、B、Cとしたとき、例えば下の図の場合、lA-Bl、lBーCl、lC-Alは、それぞれAB間の長さ、BC間の長さ、CA間の長さを表し、これらのなかの最大値がA、B、Cの最大値と最小値の差になり、さらに残りの2つ和もA、B、Cの最大値と最小値の差になります。


図.C<B<Aの場合を示しました

したがって、

が成り立ちます。

このことから、3つの整数xy+zw、xz+yw、xw+yzの最大値と最小値の差d1は、

で、したがって、M-mは(x,y,z,w)すべての組についてのdの和になります。

また、1≦x、y、z、w≦1000から、(x,y,z,w)すべての組についてのlx-wlly-zlの和とlx-yllz-wlの和とlx-zllw-ylの和は等しくなり、したがって、

としたとき、M-mは(x,y,z,w)すべての組についてのd2の和になります。

さらに、lxーwl=x-w(x>w)またはーx+w(x>w)、ly-zl=yーz(y>z)または-y+z(y<z)なので、(x,y,z,w)すべての組について、lx-wlとly-zlの組はそれぞれx-w(x>w)とy-z(y>z)の組の2倍になり(x=w、y=zのときはM、mの和に寄与しません)、したがって、

としたとき、M-mはx>w、y>zを満たす(x,y,z,w)すべての組のdについての和になります。

ここで、x>wを満たすx-wの組は、
x-w=1 → 999組
   =2 → 998組
    ・
    ・
    ・
   =999 → 1組
で、これは、y-zについても同様です。

したがって、(ここから一気にいきます)

です。

したがって、M-mの約数の個数は、
(5+1)×(5+1)×(6+1)×(2+1)×(2+1)×2+1)×(2+1)
=6×6×7×3×3×3×3= 20412(個) で、これが答えです。


Σを使えば簡潔になります。

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