こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
今回は、2021年日本数学オリンピック予選の問題です。
問題は、
「1以上1000以下の整数からなる組(x,y,z,w)すべてについて、
xy+zw、xz+yw、xw+yz
の最大値を足し合わせた値をMとする。
同様に、1以上1000以下の整数からなる組(x,y,z,w)すべてについて、
xy+zw、xz+yw、xw+yz
の最小値を足し合わせた値をmとする。
このとき、M-mの正の約数の個数を求めよ。」
です。
3つの実数をA、B、Cとしたとき、例えば下の図の場合、lA-Bl、lBーCl、lC-Alは、それぞれAB間の長さ、BC間の長さ、CA間の長さを表し、これらのなかの最大値がA、B、Cの最大値と最小値の差になり、さらに残りの2つ和もA、B、Cの最大値と最小値の差になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/9b/8f00d07a818e9bfcf63c6d7fc56e6c51.jpg)
図.C<B<Aの場合を示しました
したがって、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/be/cc82173f9cbd6ce773f66cae37fe2ca6.jpg)
が成り立ちます。
このことから、3つの整数xy+zw、xz+yw、xw+yzの最大値と最小値の差d1は、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/54/0c2a0b0b1b0cc469fad87349404b8653.jpg)
で、したがって、M-mは(x,y,z,w)すべての組についてのd1の和になります。
また、1≦x、y、z、w≦1000から、(x,y,z,w)すべての組についてのlx-wlly-zlの和とlx-yllz-wlの和とlx-zllw-ylの和は等しくなり、したがって、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/c2/69f1374801d380ef53b6dbfa85e393e1.jpg)
としたとき、M-mは(x,y,z,w)すべての組についてのd2の和になります。
さらに、lxーwl=x-w(x>w)またはーx+w(x>w)、ly-zl=yーz(y>z)または-y+z(y<z)なので、(x,y,z,w)すべての組について、lx-wlとly-zlの組はそれぞれx-w(x>w)とy-z(y>z)の組の2倍になり(x=w、y=zのときはM、mの和に寄与しません)、したがって、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/b6/399f824d3b537a3958eac3202dde69e0.jpg)
としたとき、M-mはx>w、y>zを満たす(x,y,z,w)すべての組のd3についての和になります。
ここで、x>wを満たすx-wの組は、
x-w=1 → 999組
=2 → 998組
・
・
・
=999 → 1組
で、これは、y-zについても同様です。
したがって、(ここから一気にいきます)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/aa/a3dc4b5aafeb2ae3c1b7f6561ff18e4d.jpg)
です。
したがって、M-mの約数の個数は、
(5+1)×(5+1)×(6+1)×(2+1)×(2+1)×2+1)×(2+1)
=6×6×7×3×3×3×3= 20412(個) で、これが答えです。
Σを使えば簡潔になります。
今回は、2021年日本数学オリンピック予選の問題です。
問題は、
「1以上1000以下の整数からなる組(x,y,z,w)すべてについて、
xy+zw、xz+yw、xw+yz
の最大値を足し合わせた値をMとする。
同様に、1以上1000以下の整数からなる組(x,y,z,w)すべてについて、
xy+zw、xz+yw、xw+yz
の最小値を足し合わせた値をmとする。
このとき、M-mの正の約数の個数を求めよ。」
です。
3つの実数をA、B、Cとしたとき、例えば下の図の場合、lA-Bl、lBーCl、lC-Alは、それぞれAB間の長さ、BC間の長さ、CA間の長さを表し、これらのなかの最大値がA、B、Cの最大値と最小値の差になり、さらに残りの2つ和もA、B、Cの最大値と最小値の差になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/9b/8f00d07a818e9bfcf63c6d7fc56e6c51.jpg)
図.C<B<Aの場合を示しました
したがって、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/be/cc82173f9cbd6ce773f66cae37fe2ca6.jpg)
が成り立ちます。
このことから、3つの整数xy+zw、xz+yw、xw+yzの最大値と最小値の差d1は、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/54/0c2a0b0b1b0cc469fad87349404b8653.jpg)
で、したがって、M-mは(x,y,z,w)すべての組についてのd1の和になります。
また、1≦x、y、z、w≦1000から、(x,y,z,w)すべての組についてのlx-wlly-zlの和とlx-yllz-wlの和とlx-zllw-ylの和は等しくなり、したがって、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/c2/69f1374801d380ef53b6dbfa85e393e1.jpg)
としたとき、M-mは(x,y,z,w)すべての組についてのd2の和になります。
さらに、lxーwl=x-w(x>w)またはーx+w(x>w)、ly-zl=yーz(y>z)または-y+z(y<z)なので、(x,y,z,w)すべての組について、lx-wlとly-zlの組はそれぞれx-w(x>w)とy-z(y>z)の組の2倍になり(x=w、y=zのときはM、mの和に寄与しません)、したがって、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/b6/399f824d3b537a3958eac3202dde69e0.jpg)
としたとき、M-mはx>w、y>zを満たす(x,y,z,w)すべての組のd3についての和になります。
ここで、x>wを満たすx-wの組は、
x-w=1 → 999組
=2 → 998組
・
・
・
=999 → 1組
で、これは、y-zについても同様です。
したがって、(ここから一気にいきます)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/aa/a3dc4b5aafeb2ae3c1b7f6561ff18e4d.jpg)
です。
したがって、M-mの約数の個数は、
(5+1)×(5+1)×(6+1)×(2+1)×(2+1)×2+1)×(2+1)
=6×6×7×3×3×3×3= 20412(個) で、これが答えです。
Σを使えば簡潔になります。
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