東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

図形問題(4)[灘高]

2018-05-21 11:38:58 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2012年灘高入試に出題された図形問題を取り上げます。

問題は、
「∠Cが直角の直角二等辺三角形ABCがあり、AC=BC=6√2cmである。下図のように、辺AB上に2点P、QをAP=4cm、∠PCQ=45°となるようにとる。


▲問題図

(1) 直線PCに関して点Aと対称な点Dをとる。このとき、△DQC≡△BQCであることを証明せよ。

(2) 線分PQ、BQの長さをそれぞれ求めよ。」
です。

まず図1のように、問題図に与えられた条件を書き入れましょう。


▲図1.与えられた条件を書き入れました

それでは(1)から始めましょう。

直線PCに関して点Aと対称な点Dをとると図2のようになります。


▲図2.点Dを書き入れました

ここから△DQCと△BQCを調べていきましょう。

直線PCは△CADの対称軸なので、
CA=CD      [1]
∠ACP=∠DCP   [2]
です。

一方、仮定から
CA=CB
なので、これと[1]から
CD=CB      [3]
が成り立ちます。

また、
CQは共通      [4]
です。

あとは、∠DCQと∠BCQが等しいことを示せばお仕舞いです。

そこで[2]から
∠ACP=∠DCP=
とすると、
∠DCQ=∠PCQ-∠PCD
    =45°-
で、
∠BCQ=∠ABC-∠PCQ-∠ACP
    =90°-45°-
    =45°-
になり、これらから
∠DCQ=∠BCQ   [5]
が成り立ちます。

[3][4][5]から、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、△DQC≡△BQCです。

続いて(2)です。

図3のように、△DQC≡△BQCから∠CDQ=45°です。 


▲図3.四角形ACQDは円に内接します

すると∠CDQ=∠CAQ=45°が成り立つので、周角の定理の逆から四角形ACQDは円に内接します。

ここで、直線CPと円との交点をEとすると、直線CEは弦ADの垂直二等分線になるので、線分CEは円の直径になります。

すると∠CAEは半円弧の円周角なので∠CAE=90°になり、∠CAE=∠ACB=90°からAE//CBで、したがって、△PBCと△PAEは相似になります。(図4)


▲図4.△PBC∽△PAEです

ここで、△ABCはAC=6√2cmの直角二等辺三角形なのでAB=12cmです。

このときPB=8cmなので、△PBCと△PAEの相似比は2:1になり、したがって、AE=3√2cmです。

次に図5のように、△PCQと△PAEに注目すると、これらの三角形も相似です。


▲図5.△PCQ∽△PAEです

ここで直角三角形ACEに三平方の定理を適用すると、

から

になり、CP:PE=2:1から
CP=2√10cm
PE=√10cm
です。

すると、PQ:PE=PC:PAから
PQ=√10×2√10/4=5cm
で、さらに、
BQ=BP-PQ=8-5=3cm
です。

以上から、線分PQ、BQの長さは、それぞれ、5cm3cm で、これが答えです。


楽しい問題です。