こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
昨日と比べると格段に暖かくなりました。東京の私立中学入試が始まる明日は少し寒くなって曇りの天気のようです。受験する皆さんは暖かくして元気に受験してください。
さて、今回は東京都立グループ作成校の作図問題を取り上げます。問題は、平成25年度戸山高のもので、それは、
「下の図のように、長方形ABCDとその外部に点Pがある。
点Pと長方形ABCDの辺BC上にある点Qを結んだ線分PQが、長方形ABCDの面積を1:3に分けるように、線分PQを定規とコンパスを用いて作図し、点Qの位置を示す文字Qも書け。
ただし、作図に用いた線は消さないでおくこと。」
です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/1d/c6ee5ec2b6f0d8d9e20731e76d0c4be8.jpg)
▲問題図
平行四辺形の対角線の交点を通る直線は、平行四辺形の面積を2等分することを知っていれば簡単な問題です。
そこで図1のように、長方形ABCDを辺ABと平行な直線で2等分して2つの長方形を作り、左側の長方形をその対角線の交点と点Pを通る直線で2等分すれば、長方形ABCDを1:3に分けることができます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/ae/eedb2125201455ba799fda4cdc1a3efa.jpg)
▲図1.作図法(1)
その作図手順は、
(1)辺ADの垂直二等分線を引く。
(2)左側の長方形の2本の対角線を引き、それらの交点を求める。
(3)(2)で求めた対角線の交点と点Pを結び、それと辺BCとの交点がQになります。
他の作図法としては、長方形ABCDを2つに分けたときにできる2つの台形の上底と下底の長さの和が1:3になることを利用することもできます。
そのとき、台形の上底と下底の和の1/2が、辺ABの垂直二等分線で台形内部にある線分の長さになるので、辺ABの垂直二等分線の辺ABと辺CDとの交点の間にある線分を1:3に内分する点と点Pを結ぶと、長方形ABCDの面積を1:3に分けることができます。
その際、辺ABの垂直二等分線の辺ABと辺CDとの交点の間にある線分を1:3に内分するために、その線分を2等分する操作を2回繰り返してもOKですが、ここでは図2のように、適当な長さの線分を4等分したものを利用しましょう。(拡張性が高くて便利です)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/7d/fa645db945bb24145995b1735e7701c3.jpg)
▲図2.作図法(2)
作図手順は、
(1)辺ABの垂直二等分線を引く。
(2)適当な長さの線分を4等分したものを描く。
(3)(2)の線分の右端と辺ABの垂直二等分線と辺ABとの交点を結び、同様に左端と辺ABの垂直二等分線と辺CDとの交点を結ぶ。
(4)(3)で描いた2本の直線の交点と(2)の線分の左端から1つ目の点を結び、辺ABの垂直二等分線との交点を求める。
(5)(4)で求めた交点と点Pを結び、それと辺BCとの交点がQになります。
ついでに、長方形ABCDの面積を1:2に分ける場合を調べてみましょう。
1:3に分ける場合は、2等分を繰り返して全体を4等分することで簡単に作図できましたが、1:2に分ける場合は2等分を繰り返しても全体を3等分することができません。そのため、作図法(2)で利用した方法が力を発揮します。
そこで図3のように、適当な長さの線分を3等分したものを描き、その線分の左端と右端をそれぞれ辺ABの垂直二等分線と辺ABとの交点、および辺ABの垂直二等分線と辺CDとの交点を結び、それらの直線の交点を求めます。
その交点と3等分した線分の左端から1つ目の点を直線で結び、その直線と辺ABの垂直二等分線との交点を求めます。
そして、点Pとその交点を結んだ直線が、長方形ABCDの面積を1:2に分ける直線になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/96/032e2101ef98f60db17fcbed7535bc80.jpg)
▲図3.長方形ABCDの面積を1:2に分けてみます
もちろん、辺ABの垂直二等分線を利用せず、図4のように、長方形ABCDを面積比が2:1の2つの長方形に分け、左側の長方形の対角線の交点と点Pを結んでもOKです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/32/65925661079210208a08d7afb0e8d097.png)
▲図4.長方形ABCDを面積比が2:1となる2つの長方形に分けました
ここで取り上げた3または4等分の線分を利用する方法はn等分でも可能なので、長方形ABCDの面積を任意の比に分けることができます。頭に入れておくとよいでしょう。
昨日と比べると格段に暖かくなりました。東京の私立中学入試が始まる明日は少し寒くなって曇りの天気のようです。受験する皆さんは暖かくして元気に受験してください。
さて、今回は東京都立グループ作成校の作図問題を取り上げます。問題は、平成25年度戸山高のもので、それは、
「下の図のように、長方形ABCDとその外部に点Pがある。
点Pと長方形ABCDの辺BC上にある点Qを結んだ線分PQが、長方形ABCDの面積を1:3に分けるように、線分PQを定規とコンパスを用いて作図し、点Qの位置を示す文字Qも書け。
ただし、作図に用いた線は消さないでおくこと。」
です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/1d/c6ee5ec2b6f0d8d9e20731e76d0c4be8.jpg)
▲問題図
平行四辺形の対角線の交点を通る直線は、平行四辺形の面積を2等分することを知っていれば簡単な問題です。
そこで図1のように、長方形ABCDを辺ABと平行な直線で2等分して2つの長方形を作り、左側の長方形をその対角線の交点と点Pを通る直線で2等分すれば、長方形ABCDを1:3に分けることができます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/ae/eedb2125201455ba799fda4cdc1a3efa.jpg)
▲図1.作図法(1)
その作図手順は、
(1)辺ADの垂直二等分線を引く。
(2)左側の長方形の2本の対角線を引き、それらの交点を求める。
(3)(2)で求めた対角線の交点と点Pを結び、それと辺BCとの交点がQになります。
他の作図法としては、長方形ABCDを2つに分けたときにできる2つの台形の上底と下底の長さの和が1:3になることを利用することもできます。
そのとき、台形の上底と下底の和の1/2が、辺ABの垂直二等分線で台形内部にある線分の長さになるので、辺ABの垂直二等分線の辺ABと辺CDとの交点の間にある線分を1:3に内分する点と点Pを結ぶと、長方形ABCDの面積を1:3に分けることができます。
その際、辺ABの垂直二等分線の辺ABと辺CDとの交点の間にある線分を1:3に内分するために、その線分を2等分する操作を2回繰り返してもOKですが、ここでは図2のように、適当な長さの線分を4等分したものを利用しましょう。(拡張性が高くて便利です)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/7d/fa645db945bb24145995b1735e7701c3.jpg)
▲図2.作図法(2)
作図手順は、
(1)辺ABの垂直二等分線を引く。
(2)適当な長さの線分を4等分したものを描く。
(3)(2)の線分の右端と辺ABの垂直二等分線と辺ABとの交点を結び、同様に左端と辺ABの垂直二等分線と辺CDとの交点を結ぶ。
(4)(3)で描いた2本の直線の交点と(2)の線分の左端から1つ目の点を結び、辺ABの垂直二等分線との交点を求める。
(5)(4)で求めた交点と点Pを結び、それと辺BCとの交点がQになります。
ついでに、長方形ABCDの面積を1:2に分ける場合を調べてみましょう。
1:3に分ける場合は、2等分を繰り返して全体を4等分することで簡単に作図できましたが、1:2に分ける場合は2等分を繰り返しても全体を3等分することができません。そのため、作図法(2)で利用した方法が力を発揮します。
そこで図3のように、適当な長さの線分を3等分したものを描き、その線分の左端と右端をそれぞれ辺ABの垂直二等分線と辺ABとの交点、および辺ABの垂直二等分線と辺CDとの交点を結び、それらの直線の交点を求めます。
その交点と3等分した線分の左端から1つ目の点を直線で結び、その直線と辺ABの垂直二等分線との交点を求めます。
そして、点Pとその交点を結んだ直線が、長方形ABCDの面積を1:2に分ける直線になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/96/032e2101ef98f60db17fcbed7535bc80.jpg)
▲図3.長方形ABCDの面積を1:2に分けてみます
もちろん、辺ABの垂直二等分線を利用せず、図4のように、長方形ABCDを面積比が2:1の2つの長方形に分け、左側の長方形の対角線の交点と点Pを結んでもOKです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/32/65925661079210208a08d7afb0e8d097.png)
▲図4.長方形ABCDを面積比が2:1となる2つの長方形に分けました
ここで取り上げた3または4等分の線分を利用する方法はn等分でも可能なので、長方形ABCDの面積を任意の比に分けることができます。頭に入れておくとよいでしょう。