東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

「双子素数」

2014-07-23 09:57:39 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

梅雨が明けて朝から良い天気です。気温もどんどん上がって33度に達する予想で熱中症に気をつけてください。

昨日は「素数沙漠」について紹介しましたが、今回はその対極にある「双子素数」についてです。

「双子素数」というのは、3と5、11と13のように隣り合った素数の隔たりが2の素数ペアのことで、英語では、“Twin prime” と言います。手元にある資料では、2013年時点で見つかっている「双子素数」の最大のものは、
3756801695685×2^666669-1

3756801695685×2^666669+1
のだそうです。

このような「双子素数」が無限個存在するという「双子素数予想」というものがあって、これも解決されていない難問です。この「双子素数予想」の根拠になっているのが、天才数学者ガウスが15歳のときに予想した、自然数nが素数である確率
1/logn   (log は自然対数です)
で、これはその後、ド・ラ・バレー・プーサンとジャック・アダマールが証明し、「素数定理」と呼ばれています。

この「素数定理」によると、N桁の数が素数である確率は、およそ、
1/(2.3×N)    (1)
で、従ってN桁の素数の個数は、およそ、
(9×10^(N-1))/(2.3×N)
となります。

次に、N桁の素数が(1)の確率でランダムに分布しているとすると、N桁の素数pに対してp+2が素数である確率は、およそ、
1/(2.3×N)^2
になり、N桁の「双子素数」の個数は、およそ、
(9×10^(N-1))/(2.3×N)^2  (2)
となります。

ここで、Nが大きくなると、10^(N-1) はN^2 より速く大きくなるので、(2)の値は増大していくことになります。つまり、「双子素数」の個数は増えていくことになります。

以上が「双子素数予想」の根拠なのですが、素数がランダムに分布しているかどうか判らないので、「双子素数予想」は数学上の未解決問題となっています。

ところが、昨年、「双子素数予想」について大きな進展がありました。ニューハンプシャー大学の張益唐博士が、隣り合った素数の隔たりが、7千万以下のものが無限組存在することを証明しました。「双子素数」では隣り合った素数の隔たりが2なので7千万では程遠いようですが、ある値で限定したことは画期的で、その後、猛烈な勢いで研究され、今年にはこの隔たりが252という研究結果も出てきているようです。「双子素数予想」の解決する日も遠くないのかも知れません。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『自然比矩形』  (虚明自照ヒフミヨ)
2024-01-22 21:39:01
 ≪…「双子素数」というのは、3と5、11と13…≫の、
 3+5-1=7 11+13-1=23 も素数と、
 このコトを偶素数の黄泉帰りから、 
『でんぐり返り素数』と呼ぶらしい・・・
 
 岡潔数学体験館で観られるといいなぁ~

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