東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

都立御三家の確率問題(5)

2015-10-31 10:54:35 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

昨日より寒くなったので、少し厚手のセーターを着てきました。明日は気温が少し上がるようですが、もう11月なので段々寒くなっていきます。受験生の皆さんは、体調に気をつけて、入試の準備を進めてください。

さて、今回は都立御三家の確率問題です。

問題は平成23年度日比谷で出題されたもので、それは、
「1から6までの目の出る大小1つずつのさいころを同時に投げる。
 大きいさいころの出た目の数をa、小さいさいころの出た目の数をbとし、aとbの積をcとするとき、√(216/c)の値が整数になる確率を求めよ。
 ただし、大小2つのさいころはともに、1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。」
です。

まず、1から6までのa、bについて、それぞれ√(216/c)を計算して表を作りましょう。その結果が下表です。


▲表.1から6までのa、bに対応する√(216/c)の値

この表から、すべての場合の数は36通り、√(216/c)が整数になる場合の数は6通りと判るので、√(216/c)が整数になる確率は、6/36=1/6で、これが答えです。

次に、表を利用しない解き方を調べましょう。

216を素因数分解すると、216=2^3×3^3 です。

√(216/c)が整数になるためには、216/cが平方数にならなくてはなりません。したがって、cは因数として、2を1つまたは3つ、かつ、3を1つまたは3つ持たなければなりません。

つまり、可能なcは、2×3=6、2^3×3=24、2×3^3=54、2^3×3^3=216になります。

ところが、c=abで、1≦a、b≦6 (a、bは整数)なので、1≦c≦36ですから、結局cの取り得る値は、6または24となります。

そこで、c=6となるa、bの組合せ(a,b)を調べると、それは、(1,6)(2,3)(3,2)(6,1)の4通りです。

さらに、c=24となるものは、(4,6)(6,4)の2通りで、c=6と24の場合を合わせると6通りになります。

すべての場合の数は36通りなので、求める確率は、6/36=1/6になります。


この問題のように根号を持つ数が整数になるというような場合、根号のなかの数を素因数分解するのが定石です。しっかり覚えておきましょう。

都立共通問題の確率問題(4)

2015-10-30 12:03:32 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

陽が射して暖かい日になりました。週末は少し気温が下がるようですがいい天気が続くようです。

さて、今回は都立共通問題の確率問題です。

問題は平成22年度のもので、それは、
「1から6までの目の出る大小1つずつのさいころを同時に1回投げる。
 大きいさいころの出た目の数をa、小さいさいころの出た目の数をbとするとき、bがaの倍数となる目の出方は全部で何通りあるか。」
です。

確率ではなく場合の数を求める問題です。

早速、表を作りましょう。下表は、bをaで割ったときの商をまとめたものです。


▲表.bをaで割った商をまとめました

ここで、bがaの倍数になるというのは、bをaで割った商が整数になるということです。そこで、表で整数の個数を数えると14通りで、これが答えです。

次に、表を使わない解き方を調べてみます。

bがaの倍数ということは、aはbの約数ということなので、b=1.2,・・・,6に対して、それぞれの約数の個数の和が求める場合の数になります。

そこで、実際に調べてみると、
・b=1のとき、1個(約数1)
・b=2のとき、2個(約数1、2)
・b=3のとき、2個(約数1、3)
・b=4のとき、3個(約数1、2、4)
・b=5のとき、2個(約数1、5)
・b=6のとき、4個(約数1、2、3、6)
で、これらの約数の個数の和は、1+2+2+3+2+4=14で、答えは14通りになります。


都立共通問題の大問1には確率・場合の数の問題が出題されることが多いですが、確率を問うているのか、場合の数を問うているのか、しっかり確認して解答しましょう。

都立御三家の確率問題(4)

2015-10-29 11:31:48 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

ときどき陽が射しますが雲の多い天気です。気温も20℃に届かず昨日に比べてぐっと低くなりました。特に受験生の皆さんは風邪など引かぬよう体調に気をつけて過ごしてください。

さて、今回は都立御三家の確率問題です。

問題は平成24年度日比谷のもので、それは、
「1から6までの目の出る大小1つずつのさいころを同時に投げ、大きいさいころの出た目の数をa、小さいさいころの出た目の数をbとする。
 半径がacmで、弧の長さがbcmのおうぎ形の面積をScm2とするとき、Sが3の倍数になる確率を求めよ。
 ただし、大小2つのさいころはともに、1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。」
です。

おうぎ形の面積Sが、半径a、弧の長さbのとき、S=ab/2となることを知っていれば、1から6までのa、bについてSを計算して、それが3の倍数かどうかを調べればお仕舞いです。

もし、S=ab/2を知らなくても、おうぎ形の面積とそのおうぎ形を含む円の面積との比が、弧の長さと円周の長さとの比と同じになることからS=ab/2を導くことができます。

まず下図のように、おうぎ形の面積S(扇形)、半径a、弧の長さbとすると、おうぎ形を含む円の面積S’(円)=πa^2、円周の長さ=2πaになります。


▲図.おうぎ形と円の面積と弧の長さと円周

すると、おうぎ形の面積S(扇形)=S’(円)×b/(2πa)=πa^2×b/(2πa)=ab/2と先ほどの式を導くことができます。

そこで確率の計算ですが、1~6までのa、bについてS=ab/2を計算して下表を作ります。


▲表.1~6までのa、bに対するSの値

この表でSが3の倍数になっている場合の数は15通りで、すべての場合の数は36通りなので、Sが3の倍数になる確率は、15/36=5/12で、これが答えです。

次に表を作らない解き方を調べましょう。

S=ab/2を変形して、
2S=ab             (1)
とします。ここで、1≦a,b≦6, a,bは整数です。

Sが3の倍数なので、(1)の左辺は6の倍数で、つまり、abは6の倍数になります。

ここで、aが6の倍数、3の倍数で6の倍数でない、2の倍数で6の倍数でない、それ以外の4つの場合に分けて調べていきます。

・aが6の倍数(つまりa=6)のとき、bはどれでもOKなので、abが6の倍数になる確率は1/6×6/6=6/36
・aが3の倍数(つまりa=3)のとき、bは2の倍数なのでb=2、4、6で、abが6の倍数になる確率は1/6×3/6=3/36
・aが2の倍数(つまり、a=2、4)のとき、bは3の倍数なのでb=3、6で、abが6の倍数になる確率は、2/6×2/6=4/36
・aが上記以外(つまり、a=1、5)のとき、bは6の倍数なのでb=6で、abが6の倍数になる確率は、2/6×1/6=2/36
です。

したがって、上記のすべての場合でabが6の倍数になる確率は、6/36+3/36+4/36+2/36=15/36=5/12となります。


この問題ではおうぎ形の面積を導入して一捻りしていますが、簡単な整数問題を使う場合も多くあります。いずれにしても基本的なものなので、慌てずに対処してください。

都立共通問題の確率問題(3)

2015-10-28 12:07:51 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

予報が外れて昨夜は雨が降らなかったようで、今日も晴れのいい天気になりました。教室の掃除をしていると汗をかくくらい暖かくなりました。

さて、今回は都立共通問題の確率問題です。

問題は平成23年度のもので、それは、
「下図のように、1、2、3、4、5の数字を1つずつ書いた5枚のカードがある。
 この5枚のカードから同時に2枚のカードを取り出すとき、取り出した2枚のカードに書いてある数の積が10未満になる確率を求めよ。
 ただし、どのカードが取り出されることも同様に確からしいものとする。」
です。


▲問題図

まず図1のように樹形図を作ってしまいましょう。


▲図1.樹形図

図1で、黒の数字が取り出したカードの数で、その右にある( )の数字が2枚のカードの数の積です。赤のものが10未満、青のものが10以上です。

ここで、すべての場合の数は4×5=20通り、積が10未満になる事象の場合の数は12通りなので、積が10未満になる確率は、(積が10未満になる事象の場合の数)÷(すべての場合の数)から、12/20=3/5で、これが答えです。

次に樹形図を使わない解き方を調べましょう。

取り出した2枚のカードの数をそれぞれa、bとします。

与えられた条件を立式すると、
1≦a≦5, aは整数
1≦b≦5, bは整数
a≠b
2≦ab≦9
となります。(a、bのどちらかが1のとき、他のものは2以上なので、2≦abと4なります)

ここで、a=1、2、3,4,5のそれぞれの場合について、2≦ab≦9を満たすbを調べていきます。

・a=1のとき、  2≦b≦9  なので、これを満たすbは、2、3、4、5 (4通り)
・a=2のとき、  1≦b≦9/2 なので、これを満たすbは、1、2、4   (3通り)
・a=3のとき、 2/3≦b≦3  なので、これを満たすbは、1、2     (2通り)
・a=4のとき、 2/4≦b≦9/4 なので、これを満たすbは、1、2     (2通り)
・a=5のとき、 2/5≦b≦9/5 なので、これを満たすbは、1       (1通り)
で、aとbの組合せは12通りです。

一方、aが1から5までの1つの数になる確率は1/5で、bがそれ以外の数になる確率は1/4なので、aとbのある1組の数の組合せができる確率は1/5×1/4=1/20です。

以上から2≦ab≦9となる確率は、1/20×12=3/5になります。


本問では「未満」という言葉がでてきましたが、10未満は10を含みません。他の範囲を示す言葉には、「より大きい(小さい)」や「以上(以下)」などがありますが、10より大きい(小さい)は10を含まず、10以上(以下)は10を含みます。きちんと覚えておきましょう。 

都立御三家の確率問題(3)

2015-10-27 10:54:27 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

昨日の天気予報では曇りだったのですが、晴れて良い天気になりました。夜半から雨になって明日はぐずぐずした空模様になるようです。

さて、今回は都立御三家の確率問題です。

問題は平成25年度日比谷のもので、それは、
「1から6までの目の出る大小1つずつのさいころを同時に1回投げる。
 大きいさいころの出た目の数をa、小さいさいころの出た目の数をbとする。
 a+4bの値をaの値で割った余りが1となる確率を求めよ。
 ただし、大小2つのさいころはともに、1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。」
です。

まず、aとbがそれぞれ1から6までの数をとるときのa+4bを計算し、次にその値をaで割って余りを求めましょう。その結果を下の表に示します。


▲表.a、bが1から6まで値をとるときのa+4b(左表)とそれをaで割ったときの余り(右表)

この表から、a+4bをaで割ったときの余りが1となる事象の場合の数は3通り、すべての場合の数は36通りなので、a+4bをaで割ったときの余りが1になる確率は、3/36=1/12となり、これが答えです。

続いて、表を使わない解き方を調べてみます。

a+4bをaで割ったときの余りは、4bをaで割ったときの余りと同じになります。(aをaで割ると余りは0です)

つまり、a+4bをaで割って余りが1となる確率を求めることは、4bをaで割って余りが1となる確率を求めることと同じになります。

そこで、4bをaで割って余りが1となることを、その商をQとして立式すると、
4b÷a=Q・・・1        (1)
2≦a≦6, aは整数       (2)
1≦b≦6, bは整数       
Qは整数              
となります。(aは、aで割ると余りが1になるのでa≧2です)

ここで(1)から
aQ=4b-1           (3)
です。

(3)の右辺は奇数なので、a=1、3、5となりますが、(2)から、a=3または5になります。

そこでa=3と5の場合について調べます。

・a=3の場合
(1)にa=3を代入すると、
4b÷3=Q・・・1
で、4b=3b+bから
b÷3=Q・・・1         
です。

1から6までの整数のなかで3で割って1余るのは1と4なので、b=1または4と判ります。

・a=5の場合
(1)にa=5を代入すると、
4b÷5=Q・・・1
で、4b=5b-bから
-b÷5=Q・・・1
です。

-1から-6までの整数のなかで5で割って1余るのは-4なので、b=4と判ります。(-4=(-1)×5+1 で、-4を5で割ると商が-1、余りが1になります)

以上から、a+4bをaで割って1余るaとbの組合せ(a,b)は、(3,1)(3,4)(5,4)で、その確率は、1/36×3=1/12となります。


実際の試験では最初の解き方のように表を利用するのが簡単ですが、a+4bが少し面倒な式の場合、2つ目の解き方のように少し工夫するとよいでしょう。 

都立共通問題の確率問題(2)

2015-10-26 12:03:42 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

弱い風がありますが、陽射しが強く暖かい日になりました。明日から天気が崩れるようで、明後日には雨が降るようです。

さて、今回は都立共通問題の確率問題です。

問題は平成24年度のもので、それは、
「袋の中に、赤玉が2個、白玉が4個、合わせて6個の玉が入っている。
 この袋の中から同時に2個の玉を取り出すとき、赤玉と白玉が1個ずつである確率を求めよ。
 ただし、どの玉が取り出されることも同様に確からしいものとする。」
です。

早速、図1のような樹形図を描きましょう。


▲図1.樹形図を描きました

図1の樹形図から、すべての場合の数は5×6=30通りで、赤玉と白玉が1個ずつ取り出される場合の数は16通りと判ります。

したがって、赤玉と白玉が1個ずつ取り出される確率は、
(赤玉と白玉が1個ずつ取り出される確率)=(赤玉と白玉が1個ずつ取り出される場合の数)/(すべての場合の数)
                    =16/30
                    =8/15
で、これが答えです。

次に、乗法定理と加法定理を使って解きましょう。

図2のように、取り出した玉を置く並んだ2つの場所を想像します。


▲図2.乗法定理、加法定理を使った解き方

赤玉と白玉が1個ずつ取り出されるとき、並んだ2つの場所の左右にそれぞれ、赤玉-白玉、または白玉-赤玉が置かれる場合を考えます。

左に赤玉が置かれる確率は2/6、続いて右に白玉が置かれる確率は4/5なので、左に赤玉、右に白玉が置かれる確率は、2/6×4/5=8/30になります。

同様に、左に白玉、右に赤玉が置かれる確率はそれぞれ、4/6および2/5なので、左に白玉、右に赤玉が置かれる確率は、4/6×2/5=8/30です。
したがって、赤玉と白玉が1個ずつ取り出される確率は、8/30+8/30=16/30=8/15になります。


基本問題なので、試験ではしっかり正解するようにしましょう。  

都立御三家の確率問題(2)

2015-10-25 12:04:25 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

昨晩は強い風が吹きました。朝、ラジオで今年最初の木枯らしと言っていました。今も少し北風が吹いていて、夕方から冷え込むようですが、明日は穏やかな天気になるようです。

さて、今回は都立御三家の確率問題を取り上げます。

問題は、平成26年度日比谷のもので、それは、
「1から6までの目が出る大小1つずつのさいころを同時に1回投げる。
 大きいさいころの出た目の数をa、小さいさいころの出た目の数をbとするとき、座標が(-3,a)、(-3,-b)である点をそれぞれA、Bとする。
 点Oは原点とし、原点から点(1,0)までの距離、および原点から点(0,1)までの距離をそれぞれ1cmとする。
 3点O、A、Bを頂点とする△OABの面積が6cm2になる確率を求めよ。
 ただし、大小2つのさいころはともに、1から6までどの目が出ることも同様に確からしいものとする。」
です。

確率や平面座標の話が出てきて問題の意味が判り難いと感じる人もいるかと思いますが、そんなときには図を描いて調べてみることが大切です。

さいころの目の数a、bはともに1から6までの数ですから、
Aの座標は、(-3,1)、(-3,2)、(-3,3)、(-3,4)、(-3,5)、(-3,6)、
Bの座標は、(-3,-1)、(-3,-2)、(-3,-3)、(-3,-4)、(-3,-5)、(-3,-6)
を取ることになります。

そして、原点と上記のAが取り得る座標の1つの点とBが取り得る座標の1つの点を結んでできる三角形の面積が6cm2となるAとBの組合せの場合の数を求めればよいことが判ります。

ここで有難いことに、AとBのx座標の値がどちらも-3なので、図1のように、線分ABはy軸に平行で、それを底辺とした場合、△OABの高さは3となります。


▲図1.A(緑色の点)、B(黄色の点)の取り得る座標と△OAB

例えば図1では、A(-3,4)、B(-3,-3)で、△OABの面積は、7×3÷2=21/2cm2です。

そこで、1から6までのa、bに対応する△OABの面積を計算した表を作りましょう。


▲表.a、bに対応する△OABの面積

表から、すべての場合の数は6×6=36通り、△OABの面積が6cm2になる場合の数は3通りなので、
(△OABの面積が6cm2になる確率)=(△OABの面積が6cm2になる場合の数)/(すべての場合の数)
                   =3/36
                   =1/12
で、これが答えです。

次に表を作らないで解く方法を調べましょう。

△OABの面積=線分ABの長さ×3÷2=6cm2から、線分ABの長さ=4cmです。

ところが、線分ABの長さは、Aのy座標-Bのy座標=a-(-b)=a+bなので、
a+b=4         (1)
で、ここで
1≦a≦6,aは正の整数  (2)
1≦b≦6,bは正の整数  (3)
です。

そこで(1)から
b=4-a         (4)
として、(4)と(3)から
1≦4-a≦6
-2≦a≦3        (5)
となります。

さらに(2)と(5)から
1≦a≦3
で、結局、
a=1、2、3
です。

以上から(1)(2)(3)を満たすa、bの組合せ[a,b]は、[1,3]、[2,2]、[3,1]になり、それぞれに対応するA、Bは、図2に示すように(-3,1)と(-3,-3)、(-3,2)と(-3,-2)、(-3,3)と(-3,-1)になります。


▲図2.△OABの面積が6cm2となるA、Bの組合せ


ここで、aが1、2または3になる確率はそれぞれ1/6、
bが3、2または1になる確率はそれぞれ1/6なので、
[a,b]が[1,3]、[2,2]または[3,1]になる確率はそれぞれ1/36です。

したがって、[a,b]が[1,3]、[2,2]または[3,1]のいずれかになる確率は、
1/36+1/36+1/36=3/36=1/12 
となり、表を使って求めた答えと一致しました。


都立御三家の確率問題は、本問のような図形問題や整数問題に関連させて少し捻ってあることが多いので、問題の意味を取り違えないように図表などを利用して対処しましょう。  

都立共通問題の確率問題(1)

2015-10-24 11:41:49 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

秋晴れのさわやかな天気になりました。明日は少し気温が下がるようですが、今日と同じく秋晴れになりそうです。

さて、今回は都立高校入試の共通問題で出題された確率問題を取り上げます。

問題は平成27年度のもので、それは、
「袋の中に、赤玉が3個、白玉が2個、合わせて5個の玉が入っている。
 この袋の中から同時に2個の玉を取り出すとき、少なくとも1個は白玉である確率を求めよ。
 ただし、どの玉が取り出されることも同様に確からしいものとする。」
です。

まず図1のように、樹形図を描いて調べてみましょう。


▲図1.樹形図を描きました

図1の樹形図では、3個の赤玉をr1、r2、r3、2個の白玉をw1、w2としました。

細かいテクニックですが、樹形図を手早く描くために漢字で「赤」「白」などと書くのは止めましょう。

ついでによくある質問に、同時に取り出すのに樹形図に順番がついているのはなぜかというものがありますが、1つの樹形図の左と右は両手を使って玉を取り出し、左手で取り出した玉を樹形図の左に、右手で取り出した玉を樹形図の右に書いたと考えてください。

図1の樹形図が完成してしまえば、あとはすべての場合の数と対象事象の場合の数を数え上げて、
(対象事象の起こる確率)=(対象事象の場合の数)/(すべての場合の数)
で計算すればお仕舞いです。

ここで、すべての場合の数は、4×5=20通りです。

一方、対象事象は少なくとも1個は白玉である場合なので、20通りのすべての場合について、1個または2個が白玉である場合を数えればよく、それは14通りなので、求める確率は、14/20=7/10となり、これが答えです。

次に、乗法定理と加法定理を使って計算してみましょう。

取り出した2個の玉を入れる並んだ2つの場所を想像します。

少なくとも1個は白玉ということは、図2に示すように、白-赤、赤-白、白ー白の3つの場合があります。


▲図2.乗法定理、加法定理を使います

図2の左側の白-赤の場合、左に白玉が入る確率は2/5、右に赤玉が入る確率は3/4で、これらが同時に起こる確率は2/5×3/4=6/20です。

同様に、図2の中央の赤-白の場合は、3/5×2/4=6/20、図2の右側の白-白の場合は、2/5×1/4=2/20です。

以上から、少なくとも1個は白玉である確率は、6/20+6/20+2/20=14/20=7/10となります。

さらに余事象を使った解き方もあります。

少なくとも1個は白玉である場合は、2個とも赤玉である場合の余事象なので、2個とも赤玉である確率を求めて、それを全確率1から引けば、少なくとも1個は白玉である確率を求めることができます。

2個とも赤玉である確率は、乗法定理を使って、3/5×2/4=6/20=3/10なので、少なくとも1個は白玉である確率は、1-3/10=7/10となります。


以上のようにいろいろな解き方がありますが、高校入試では樹形図が基本ですから、手早くそれを描く練習をしておきましょう。

都立御三家の確率問題(1)

2015-10-23 11:27:34 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

予報通り曇りになりました。明日は晴れになり、来週の半ばまで雨は降らないようです。

さて、これまで都立御三家の整数問題を調べてきましたが、今回から確率問題を調べていきます。

初回の問題は平成27年度日比谷、西、国立で出題されたもので、それは、
「1から6までの目が出る大小1つずつのさいころを同時に1回投げる。
 大きいさいころの出た目の数をa、小さいさいころの出た目の数をbとするとき、3a+2bの値が6の倍数になる確率を求めよ。
 ただし、大小2つのさいころはともに、1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。」
です。

確率問題の基本的解法は、樹形図や表などを作って、すべての場合の数と対象の事象が起こる場合の数を数え上げ、
(対象の事象が起こる確率)=(対象の事象が起こる場合の数)/(すべての場合の数)
を計算することです。

そこで、大きいさいころと小さいさいころの目の数をそれぞれa、bとして、a,b=1,2,3,4,5,6のすべての組合せに対応する3a+2bの値を示した下表を作ります。


▲表.a(1から6)とb(1から6)に対応する3a+2bの値

ここで、3a+2bが6の倍数になっているものを数え上げると、それは6通りあり、すべての場合の数が36通りなので、求める確率は、6/36=1/6で、これが答えです。

次に、表を使わないで解いてみましょう。

与えられた条件を立式すると、
3a+2b=6n      (1)
1≦a≦6, aは整数   (2)
1≦b≦6, bは整数   (3)
1≦n≦5, nは整数       ←(a、bがそれぞれ最大値6となるとき(1)の左辺が30になるので、n≦5です)
です。

(1)を
2b=3(2n-a)    (4)
とすると、bは3の倍数で、さらに(3)からb=3または6となります。

b=3のとき、(4)から
2n-a=2
a=2(n-1)
で、aは2の倍数で、(2)を満たすものは、a=2、4、6です。

b=6のとき、(4)から
2n-a=4
a=2(n-2)
で、aは2の倍数で、(2)を満たすものは、a=2、4、6です。

以上から、3a+2bが6の倍数となるのは、aが2、4または6、かつ、bが3または6のときです。

aが2、4または6となる確率は、3/6=1/2、bが3または6となる確率は、2/6=1/3なので、aが2、4または6、かつ、bが3または6となる確率は、1/2×1/3=1/6になります。


後半の解き方では、確率の乗法定理(独立事象)を使いました。この乗法定理や加法定理を使うと樹形図を使わずに解くことができるので便利です。樹形図をしっかり描けるようになったら勉強するのがよいでしょう。

都立御三家の整数問題(8)

2015-10-22 11:52:34 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

朝から秋晴れで気持ちの良い日になりました。明日は曇るようですが、明後日はまた晴れになるようです。

昨夜、中3の塾生が学校での実力テストの数学で100点満点、高1の塾生が定期テストの数学で1問間違いと嬉しい結果を教えてもらったので気分が上々です。

さて、今回も都立御三家の入試問題で出題された整数問題を取り上げます。

問題は平成24年度国立で出題されたもので、それは、
「3けたの自然数の中で、自然数の2乗に等しい数は何個あるか。」
です。

早速、与えられた条件を立式しましょう。

自然数でそれを2乗したものが3けたになるものをnとすると、与えられた条件は、
100≦n^2≦999 , nは自然数       (1)
となります。

(1)の平方根をとると、
√100≦√n^2≦√999
10≦n≦√999                (2)
です。

ここで√999を超えない最大の自然数をmとすると、問題の条件を満たす自然数nの個数Nは、
N=m-9                    (3)
になります。(nを小さいほうから並べると、10,11,・・・,mなので、それらの個数はm-10+1=m-9になります)

つまり、この問題は√999を超えない最大の自然数mを求めるということです。

そこで、mが√999以下ということから
m≦√999
で、これを2乗して、                   
m^2≦999                   (4)
とします。

ここで、暗算で計算できる30^2=900からあたりをつけて、31^2=961、32^2=1024を計算すると。m=31と判るので、(3)から
N=31-9=22
で、答えは22個になります。


もし(2)を10≦n≦3√111とした場合、√100≦√111≦√121から、10≦n≦3×10=30としないように注意しましょう。 

都立御三家の整数問題(7)

2015-10-21 11:02:30 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

午前中は曇りで午後から晴れるようです。週間天気予報を見ると、雲と太陽が一緒になったマークが並んでいるので、この1週間は今日と同じような天気が続くようです。

さて、今回も都立御三家の入学試験に出題された整数問題を取り上げます。

問題は平成25年度国立に出題されたもので、それは、
「√(48(17-2k))の値が整数となるような正の整数kを求めなさい。」
です。

前回と同じような問題です。

初めに与えられた条件を立式しましょう。

√(48(17-2k))=N ,Nは整数       (1)
となりますが、(1)の左辺は0以上なので(1)を書き直すと、
√(48(17-2k))=N ,Nは0以上の整数   (2)
となります。

さらに(2)の左辺の根号内の式も0以上にならなくてはなりませんから
48(17-2k)≧0                (3)
で、(3)から
17-2k≧0
k≦17/2                     (4)
です。

一方、与えられた条件に、kは正の整数とあるので、結局、kは、
1≦k≦8 ,kは整数                (5)
となります。

ここで、k=1,2,・・・,8 と8通りのkを(2)に代入して調べてもOKですが、ここでは(2)を変形して調べていきます。

まず、48を素因数分解すると48=2^4×3で、これを(2)の左辺に代入すると、
√(2^4×3(17-2k))=N           (6)
です。

そこで(6)の両辺を2乗すると、
2^4×3(17-2k)=N^2            (7)
です。

(7)が成り立つためには、(  )のなかの17-2kが3と平方数を因数に持たなければならないので、
17-2k=3m^2 ,mは0以上の整数        (8)
となります。

ここで(8)をkについて解くと
k=(17-3m^2)/2               (9)
で、(5)と(9)から
1≦(17-3m^2)/2≦8             (10)
となります。

さらに(10)から
2≦17-3m^2≦16
1/3≦m^2≦5
なので、m^2=1または4 です。

最後に上記の2つの場合を調べると、
・m^2=1のとき、(9)から k=7
・m^2=4のとき、k=5/2
となりますが、ここでkは整数なので、k=7となり、これが答えです。


実際に解くときには、(5)の段階でk=1~8まで調べるか、(8)の段階で17-2kが3の倍数であることからk=1,4,7を導き、これらを17-2kに代入して、15(=3×5),9(=3×3),3(=3×1)を計算し、3でないほうの因数が平方数になっているかで判定するのが実戦的かもしれません。 

都立御三家の整数問題(6)

2015-10-20 11:19:43 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

朝は雲が多かったのですが、段々陽が射してきて明るくなりました。しばらく穏やかな日が続くようです。

さて、今回も都立御三家の入学試験に出題された整数問題を取り上げます。

問題は平成21年度西高のもので、それは、
「√(120n)が整数となるような正の整数nのうち、小さい方から3番目の数を求めよ。」
です。

学校の教科書には、「nを自然数とします。√(120n)が自然数となるときのnのうちで、もっとも小さい値を求めなさい。」という問題があります。、両者の違いは、「小さい方から3番目」と「もっとも小さい」ですが、この違いが結構大きいのかもしれません。

それでは初めに、与えら得れた条件を立式しましょう。

√(120n)=N ,Nは整数           (1)
ですが、ここでnは正の整数なので、√(120n)>0となりますから、Nは正の整数です。そこで(1)を書き改めて、
√(120n)=N ,Nは正の整数         (2)
とします。

次に(2)の両辺を2乗して、
120n=N^2                   (3)
とし、120を素因数分解すると120=2^3×3×5なので、(3)は、
2^3×3×5×n=N^2 
2^2×(2×3×5×n)=N^2           (4)
となります。(2^3から平方数2^2をくくりだしました)

ここで(4)の左辺が平方数になるためには、(  )のなかが平方数にならなければなりません。つまり、nは2、3、5を因数に持つことになり、
n=2×3×5×k^2 ,kは正の整数        (5)
となります。

(5)のkについては、k=1のときのnが条件を満たすもっとも小さい数になり、k=2、3、・・・と大きくなるに伴い、nは2番目、3番目、・・・と順番に大きい数になります。

問題では小さい方から3番目のnを問うているので、(5)にk=3を代入して、
n=2×3×5×3^2
 =270
で、これが答えになります。


実際に問題を解く場合は、最小のn=30を求めたあと、それに1番目は1^2、2番目は2^2、3番目は3^2と勘定して、30×3^2=270とすればよいでしょう。このとき、1番目は1、2番目は2、3番目は3としないように注意してください。

都立御三家の整数問題(5)

2015-10-19 11:18:05 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

薄手のセーターを着て歩いていると汗ばんでくるほど暖かい日になりました。明日からは段々気温が下がるようですが晴れの日が続くようです。

さて、今回も都立御三家の入学試験で出題された整数問題を取り上げます。

問題は、平成22年度西高に出題されたもので、それは、
「m、nはともに自然数で1以外に公約数を持たない数とする。
 n/mに168/55をかけた数と、n/mに315/22をかけた数がともに自然数であるとき、もっとも小さいn/mを求めよ。」
です。

中学入試問題でよく目にしますが、高1の問題集にも載っている問題です。

まず、168と55、315と22が互いに素(1以外に公約数を持たない)であるか調べておきましょう。

それぞれの数を素因数分解すると、
168=2^3×3×7              (1)
 55=5×11                (2)
315=3^2×5×7              (3)
 22=2×11                (4)
なので、168と55、315と22は互いに素です。

次に、与えられた条件を立式します。

「n/mに168/55をかけた数が自然数である」は、
n/m×168/55=p ,pは自然数      (5)     

「n/mに315/22をかけた数が自然数である」は、
n/m×315/22=q ,qは自然数      (6)
です。

(5)を調べると、nとm、168と55は互いに素なので、n/mと168/55との積が自然数、つまり分母が1になるためには、
mは168の約数                (7)
nは55の倍数                 (8)
でなければなりません。

同様に(6)を調べると、315と22も互いに素なので、n/mと315/22との積が自然数になるためには、
mは315の約数                (9)
nは22の倍数                 (10)
でなければなりません。

したがって、(7)(9)からmは168と315の公約数で、(8)(10)からnは55と22の公倍数でなければならないことが判ります。

このようなn/mでもっとも小さいものは、mが最大でnが最小な数を選べばよいので、結局、mは168と315の最大公約数、nは55と22の最小公倍数となります。

168と315の最大公約数は(1)(3)から3×7=21、55と22の最小公倍数は(2)(4)から2×5×11=110なので、m=21、n=110、つまり、n/m=110/21で、これが答えです。


類題をやったことのある人が多いと思いますが、しっかり確認しておきましょう。

都立御三家の整数問題(4)

2015-10-18 10:50:42 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

からっと秋晴れになるのかと期待していたのですが、雲の多い天気になりました。明日の予報には晴れマークだけ記してあるので、気持ちのよい日になりそうです。

さて、今回も都立御三家の入学試験で出題された整数問題を取り上げます。

問題は平成25年度西高で出題されたもので、それは、
「Nを自然数とする。
 240をNで割ったときの余りが9となるNのうち、最も小さいものを求めよ。」
です。

いつものように与えられた条件を立式しましょう。

「240をNで割ったときの余りが9となる」は、商をQとすると、
240÷N=Q・・・9        (1)
になります。

ところが、ここで忘れてはいけないことが、
N≧10               (2)
です。

余りが9になるのですから、割る数Nは10以上でなければならないということです。

そこで(1)を取り扱いやすいように加減乗除だけで表わすと、
NQ+9=240
NQ=231             (3)
となります。

(3)は前回、前々回と同様の形で、これからNの候補を絞り込むことができます。

まず、(3)の右辺の231を素因数分解して、
NQ=3×7×11          (4)
とします。

(4)を満たすNは、1、3、7、11、21、33、77、231です。

そして、これらの候補のなかで(2)の条件を満たす最も小さいNは11で、これが答えです。


割り算で余りがRの場合、割る数Nは、N≧R+1 となることを覚えておきましょう。

都立御三家の整数問題(3)

2015-10-17 11:08:41 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今朝TVで来年正月の箱根駅伝予選会の中継を放送していて、もうそんな時期なんだと感じました。入学試験もどんどん近づいています。受験生の皆さんも頑張ってください。

さて、今回も都立御三家の入試に出題された整数問題を取り上げます。

問題は平成22年度日比谷高校のもので、それは、
「4p^2-q^2-51=0 を満たす自然数p、qの値をすべて求めよ。」
です。

前回の問題と同じように、pとqの式の積=整数 という形にすればOKです。

与えられた式の左辺にある 4p^2-q^2 は、(2p+q)(2p-q)と因数分解できるので、与式は、
(2p+q)(2p-q)=51     (1)
と目的の形に変形できます。ここで、p、qは自然数なので、2p+q、2p-qは自然数になります。

次に(1)の右辺の51を2つの整数の積に分解するのですが、2p+qと2p-qが自然数なので、2つの自然数の積に分解すればよいことになり、それは、51=1×51、3×17、17×3、51×1 の4通りです。

ここで、(1)を満たす 2p+qと2p-qの組合せを(2p+q,2p-q)とすると、
(2p+q,2p-q)=(1,51)、(3,17)、(17,3)、(51,1)
となりますが、2p+q>2p-qなので、(17,3)、(51,1)の2通りの場合を調べれば十分です。

・(17,3)の場合
2p+q=17      (2)
2p-q=3       (3)
で、(2)(3)の辺々を足し合わせて、
4p=20
から
p=5          (4)
です。   

(2)と(4)から
q=7
となります。

・(51,1)の場合
2p+q=51      (5)
2p-q=1       (6)
で、(5)(6)の辺々を足し合わせて、
4p=52
から
p=13         (7)
です。

(5)と(7)から
q=25
となります。

以上をまとめると、問題に与えられた式を満たす自然数p、qの値は、p=5,q=7 と p=13,q=25 で、これが答えです。


前回と同じ形の問題ですが、この解法パターンをしっかり覚えておきましょう。