東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

塾よりスイミングクラブ

2014-04-30 12:18:14 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

予報通りに雨になりました。明日は晴れと雨のマークが出ていて不安定な天気になるようです。

学研から毎月送られてくる小冊子の「Dr.吉田」先生のコラムについては何回か紹介しましたが、今回は「知能指数と運動」の話題です。

スウェーデンやオランダの大学の研究グループが、この100年間で知能指数が14.1ポイント低下したという研究結果を報告したそうです。

視覚的刺激に対する脳の反応時間は、IQの成績とおよそ相関することが明らかにされていて、1889年から今までの反応時間を調べた実験結果を分析して、IQの変化を推測したものです。(てっきり、IQは高くなっていると思ってました)

このようにIQが大幅に低下したのは、運動する量が減ったことが主な原因である可能性が高いようです。

スウェーデンの大学で、120万人超に対して彼らのIQと身体検査結果とを分析した結果、心臓血管能力が高い程IQも高いという関係をつきとめました。心臓血管能力とは、血液を循環させ全身に酸素を送り届ける能力のことで、脳に大量の血液(酸素)を送ることができることとIQが高いということは関係がありそうです。この心臓血管能力は、毎日の運動量に比例し、日常生活の中で運動する量が多い程、IQが高くなる傾向があるということです。

上記以外にも世界の多くの研究機関で、IQが運動によって高まるということが実証されていて、さらにIQを高めるのにより効果的な運動が「有酸素運動」ということも明らかになっています。つまり、酸素を大量に消費しながら長時間に渡って持続する運動、例えば、水泳とか長距離走が効果的ということです。

昔の話になりますが、高校のとき水泳部の連中はよくできると言われていて、確かに医者になった奴が多かった気がするので、そうだったのかも知れません。

ということは、塾よりスイミングクラブということでしょうか。困りました。

三角形の重心と質量の中心は一致するのか

2014-04-29 10:32:02 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

少し晴れ間も見られましたが、天気は下り坂で木曜日までは雨模様です。GWが明けて1週間ほど経つと中間試験が始まります。今週末からの連休に予定のある人は、雨模様の3日間でよく勉強しておきましょう。

さて、今日は三角形の重心と質量の中心の話です。三角形の重心は、三角形の各頂点と対辺の中点を結んだ線(中線と言います)の交点です。

それに対して、質量の中心というは、均質な板で作った三角形を下から針で支えバランスの取れる点になります。(これができるか分かりませんが)そして、この場合、重心と質量の中心が一致します。

このことについて、「ファインマン物理学」では次のように記述しています。「質量の中心位置を求める計算は、数学課程の方の領分であって、これは積分学のいい練習になる。微積分を習ってからだと、質量の中心位置を求めるのに役に立つ手をいろいろ覚えるのも、悪くない。そのような手の一つは、いわゆるパップスの定理を使うのである。」

ここで「パップスの定理」というのは、「パップス-ギュルダンの定理」のことで、「平面上の有界な閉領域をそれと交わらない同一平面内の軸を中心として回転させるときにできる体積は、閉領域の面積×閉領域の質量の中心の軌跡の長さ」 になると言うものです。

「ファインマン物理学」では、図1のような底辺がD、高さがHの直角三角形を例として挙げています。


▲図1.直角三角形の質量中心の求め方

図1のHを軸にして直角三角形を360°回転させると円錐ができます。Hから質量の中心までの長さをxとすると、質量の中心の軌跡の長さは、2πxで、動いた直角三角形の面積は、HD/2なので、それらを掛け合わせたπxHDは円錐の体積πD^2×H/3に等しくなります。すなわち、x=D/3となる訳です。同様に、Dを軸にして回転させた場合を考えれば、y=H/3となります。すると、図2に示したように、x=D/3、y=H/3の点は中線の交点と一致し、これは、重心と質量の中心が一致すると言うことです。


▲図2.直角三角形における重心と質量の中心の一致

この後、ファインマン先生は、「三角形がどんな形をしていても、その質量の中心は、頂点から対辺の中点にひいた中線3本が1点に交わるところである」とジャンプしてしまい、「三角形を一つの底辺に平行に細くきる。中線はそのあらゆる細片を2等分する。よって質量の中心はこの中線の上にある」と言う手がかり(図3)を残して、より複雑な形に進んでしまいます。(三角形の場合、各辺に平行な細辺(微小高さの長方形)を作れることがポイントです)


▲図3.手がかり

以上のように、三角形の重心と質量の中心が一致することを「パップス-ギュルダンの定理」(これを証明するためには重積分を使います)で理解するより、厳密でないにしろ「手がかり」で直感的に理解することができます。

四鏡と「豊鏡」

2014-04-28 12:40:43 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

雲が多く明日から雨が降るようです。週末には良い天気になるようです。

昨夜のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」は、播磨の争乱の続きです。毛利勢により尼子勝久を頭に山中鹿之助が籠る上月城が落城する一方、織田勢により三木城の支城である神吉城、志方城が落城します。その後、毛利勢が侵攻しなかったため、織田勢は、三木城攻略を秀吉に任せて引き上げます。これが天正6年8月のことで荒木村重の謀反まであと2ヶ月です。

この織田勢撤退の記録は、「黒田家家譜」や「豊鏡」に書かれていて、前者は、黒田藩士であり江戸時代の学者でもあった貝原益軒が編纂したもので、後者は、竹中半兵衛の嫡子・竹中重門が著した秀吉の伝記で、父親半兵衛の活躍も書いてあるようです。

「豊鏡」とは仰々しい名前ですが、「~鏡」というと四鏡と呼ばれる「大鏡」、「今鏡」、「水鏡」、「増鏡」の歴史書が有名です。その他に、「吾妻鏡」、「後鑑」もあります。

「大鏡」を初めととして四鏡はしばしば大学入試問題の出展になったり、また、去年の東大入試では「吾妻鏡」から出題されました。しかし、「豊鏡」から出題されることはなさそうですね。内容は結構面白そうですが・・・。

英文の速読練習

2014-04-27 12:31:15 | 勉強のやり方
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

暑くもなく寒くもなく、過ごしやすい陽気が続きます。今日も中3生の英語補習です。

語学習得には、たくさん読んだり聴いたりすることが大切です。(多分、これ以外に手段はないと思います) しかし、中学の教科書の英文量が少なく、かつ、決まった時間に大量の英文を読む訓練をしないため、多くの生徒が都立高校入試問題に梃子摺ります。

そのため週末の補習では、300~600wordsくらいの英文を速読していきます。その速読方法は、英文和訳式の戻り読みをせずに英文を前から読み下していきます。そこで大切なのは、主語と動詞を中心に文の骨格を把握することで、そのために「~は(が)、」、「~を」、「~に」、「~の」などの助詞をきちんと認識すると良いでしょう。

そのようにして英文を読むスピードが上がってくると単語の読み違えが起こります。例えば、“tried” と “tired” や “there” と “these” などです。これは、“tired” という単語を記憶している場合、“tried” という単語を見たときに自分の意識よりもその記憶のほうが先に文字を認識してしまうことにより生じます。

これに対しては、誤読した単語を覚えておいて、次からそれらの単語に注意を払いながら読むことが大切です。そこで誤読していないかを確認するため、訳文をチェックするか、誰かに確認してもらいながら速読することが効果的です。

重心の求め方

2014-04-26 13:09:52 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

暖かい日が続きます。来週の半ばに少し崩れるようですが、GW中は概ね良い天気になりそうです。今日も中3生の英語の補習授業です。

昨晩ファインマン物理学を読んでいたら巻末の演習問題に重心を求める問題がありました。図1のように、直径20cmの円板に直径10cmの円形の穴を作ったとき、その重心の位置を求める問題です。


▲図1.重心の問題

図2のようにxy座標を定めて、x軸上のGを通りy軸に平行な直線で左右の重さのバランスが取れるとすればGが重心になるのですが、これを計算で求めるのは大変です。


▲図2.重心の問題2

そこで、2質点の重心公式
Xg=(m1X1+m2X2)/(m1+m2)
を使うのですが、このとき、穴の部分の質量を負とするのがポイントです。

円板の面密度をρとして計算すると、
m1=100πρ
m2=25πρ
X1=0cm
X2=-5cm
より、
Xg=-(25πρ×(-5))/((100-25)πρ)
  =125/75=1.67cm
となります。

次に、この問題を一般化して、図3のように半径aの円板から半径b(2b<a)の円形の穴を開けた場合を考えます。このとき穴の中心の座標を(x2,0)とします。


▲図3.重心の問題の一般化

そこで、
m1=πρa^2   (A^2は、Aの2乗を表します)
m2=πρb^2
X1=0
を2質点の重心公式に代入し、
Xg=-(πρb^2X2)/(πρ(a^2-b^2))
  =-b^2X2/(a^2-b^2)
となります。

この式から判ることは、XgがO(円板の重心)と一致するのは、b=0またはX2=0のときで、b=0は穴がないとき、X2=0は穴の中心がOに一致するときで、つまり、ドーナツ型の図形になるときです。(当たり前ですね)

また、bがaに近づくと分母が0に近づき、Xgが発散してしまいますが、これは、b=aでは円板自体がなくなり問題の意味がなくなってしまうことに対応します。

小6算数「折り紙問題」

2014-04-25 12:43:37 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

晴れの日が続きます。 GWも始まるのでこれが続くと嬉しいです。

小6の算数は、対称図形から始まりますが、そこに「折り紙問題」と言うものがあります。これは、折り紙を何回か折った後、その一部を切り取り、そして折り紙を広げたとき、どのように切り取られているかを問う問題です。

図1は簡単な例で、折り紙を2回折った後、2つの灰色の三角形(△EHIと△DFG)を切り取った場合です。


▲図1.折り紙問題

この程度であれば、頭の中でイメージできる児童もいるのですが、折る回数を増やしていくと、普通はお手上げになってしまいます。多分、3回折ったものを頭の中でイメージできれば相当頭が良いと思いますが、解答の手順をきちんと踏んでいけば、誰でも正解することができます。


▲図2.折り紙問題 解答手順

図2に解答手順を示します。折り紙を折り終わり、指定部分を切り取ったものから順番に広げていきます。図2では、2つの灰色の三角形△EHIと△DFGを切り取りました。そこで折り紙を1回広げます。そのとき広げた折り目、つまり、DEが対称軸になるので、△EHIに対して△EH’I、△DFGに対して△DF’Gが切り取られていることになります。

続いて、次の折り目を広げます。その折り目、つまり、ACは対称軸なので、△IHH’に対して、△I’HH’、△DFF’に対して、△BJJ’が切り取られていることになります。つまり、正解は図2の左図となる訳です。

このように折った順番を1回ずつ巻き戻しながら、切り取られた図形の折り目に関する鏡映像を描いていけば正解することができます。

GW中に暇な時間があったら、3、4回折った折り紙問題を頭の中で考えてみたらいかがでしょうか。

大きな桁の整数の割り算

2014-04-24 13:30:35 | 中学受験
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

良い天気が続きます。将棋名人戦は、羽生三冠が2連勝で名人位奪回に幸先良いスタートです。森内名人も巻き返してくるでしょうからこれからの勝負が楽しみです。

公立中高一貫校の適性検査問題では、いくつかの学校で桁数の大きい整数の割り算が出題されます。例えば、都立小石川中では、日本の工業製品出荷額の割合を計算する問題が出題されました。東京、愛知、大阪、福岡の4都府県について、それぞれ、84488、383532、158932、82491を2908029で割り、百分率で小数第1位まで求めるというものです。

これをそのまま筆算しても良いのですが、百分率にして小数第1位まで求めれば良いのですから、少し簡単に計算したいものです。

そこで、割る数をa、割られる数をb、aとbの中で丸める数をαとβとすると、b/aと(b+β)/(a+α)が小数第4位まで一致するようにα、βを決めれば良いということになり、式で表すと、
lb/a-(b+β)/(a+α)l<0.0001   
となります。(ここで lxl は、xの絶対値を表します)

ここで、左辺の2項目の分子、分母をaで除すると、
lb/a-(b/a+β/a)/(1+α/a)l
=lb/a-(b/a)/(1+α/a)-(β/a)/(1+α/a)l  式(1)

そして、1/(1+α/a)=1-α/a+(α/a)^2-・・・
で2次以上の項を無視して、代入すると、
式(1)≒l(b/a)×α/a-(β/a)(1-α/a)l 
    ≒l(b/a)×α/a-β/al       

この式の2項の桁数を考えると、bとαの桁数の和がaの桁数の2倍より5桁小さくなり、βの桁数がaの桁数より5桁少なければ、0.0001より小さくできそうです。

そこで、実際に小石川中の問題を計算してみると、
東京の場合、84500÷2910000=2.903%(2.905%)
愛知では、383500÷2908000=13.187%(13.188%)
大阪では、158900÷2908000=5.464%(5.465%)
福岡では、82500÷2910000=2.835%(2.836%)
【( )の中の数値は、与えられた数字を使った計算値を小数第4位以下を切り捨てたもの】

となり、小数第2位まで一致していることが分かります。

以上のように計算は簡単になりましたが、それ以前が面倒で適性検査には使えないですね。割られる数を丸めるのは簡単ですが、どちらかと言うと割る数を簡単にしたいので、またその方法を考えて見ます。

Steinerの問題

2014-04-23 12:27:43 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

良い天気になりました。ここ暫く雨にはならないようです。昨日から将棋名人戦第2局が始まりました。羽生三冠の先手番で、第1局と同じ「相掛り」です。両雄の意地と意地のぶつかり合いと言ったところでしょうか。

さて、今日の話題は、Steiner(シュタイナー)の問題です。これは、平面上の3点を結ぶとき、その全長を最小にする結び方を問うものです。

例えば、図1のように、平面上の3点をA、B、Cとしたとき、平面内に第4の点Pを求め、AP+BP+CPを最小にするということです。


▲図1.Steinerの問題

この答えは、△ABCにおいて、すべての角が120°より小さいならば、Pは3辺AB、BC、CAのそれぞれが120°の角を張るような点で、△ABCの角のどれかが120°に等しいかそれより大きいならば、Pはその角の頂点に一致します。

では、解説を始めます。まず、Pが、A、B、Cのどれかに一致する場合、Pは△ABCの最大の角を持つ頂点に一致します。例えば、Cが最大の角とすれば、AB>CA、CBなので、CA+CB<CA+AB、CB+ABとなるからです。

次に、PがA、B、Cと一致しない場合を調べます。図2のように、Aを中心とする円を描いて、その円周上にPがあるとすると、CP+BPが最小ならば、∠APB=∠APCとなります。


▲図2.Steinerの問題の解説1

図3のように、BおよびCを中心とする円を描いたときも同様で、∠BPA=∠BPC、∠CPA=∠CPB より、∠APB=∠BPC=∠CPA=120° となります。


▲図3.Steinerの問題の解説2


ここで、円Aを描いたとき、B、Cが円の外側にあるとしていますが、(円B、Cの場合も同様)これは証明が必要です。

そこで、仮に、Bが円Aの円周上または内部にあったとすれば、BP+CP≧BCですが、AB≦APなので、AP+BP+CP≧AB+BCとなります。これは、PがBに一致したときにAP+BP+BCが最小になることを意味していて、これは、PがA、B、Cに一致しないという仮定に反します。したがって、Bは円Aの外部にあることになります。円B、円Cについても同様です。

“What do you think ~?” と “How do you feel~?”

2014-04-22 12:10:32 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

昨日の予報では明日まで雨模様となっていましたが、変更になったようで晴れ曇りの日が続くようです。

中3の英語で、「彼によってどんな本がかかれたのですか」 という語句の並べ替え問題がありました。答えは、“What books were written by him?” となっています。ここの 「どんな本」 というのを “What books” とするのは迷わないと思うのですが、ときどき、“What” と “How” のどちらを使うのか迷うケースがあります。

よくある例が、「あなたは、それについてどう思いますか」 と言うもので、“What do you think about it?” と “How do you think about it?” のどちらが正しいのか迷う人もいるかと思います。正しいのは “What do you ・・・?” です。

原則として、名詞や名詞句および名詞節が返答になる場合は、“What” を使い、形容詞、副詞やそれらの句や節が返答になる場合は、“How” を使います。

この原則に照らすと、「あなたは、それについてどう思いますか」 の返答を 「私は良いと思います」 とすると、“I think that it is good.” となって、“that it is good” の名詞節が返答の中心となるので、“What do you ・・・?” が正しいということになります。(普通、“I think that” は省略されて、“It is good.” が返答になります)

しかし、面白いことに、同じような意味の 「あなたは、それについてどう感じますか」 に対しては、“How do you feel about it?” となります。

これは、“think” が、目的語を取るのに対し、“feel” は、補語をとるためです。

なぜ、天正6年6月16日と分かるのか

2014-04-21 12:54:45 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

肌寒い日が続きます。暖かくなるのは木曜日からのようです。

昨夜のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」では、尼子勝久、山中鹿之助が籠る上月城が毛利軍に包囲され、落城寸前です。上月城を救援したい秀吉は信長の指示を仰ぐため京都に行くのですが、これは天正6年6月16日の出来事です。どうして日付まで判るかと言うと、「信長公記」という史料があり、そこに記されているからです。

この「信長公記」以外に、この時代の信長を中心とした中央政権に関する史料としては、「兼見卿記」「家忠日記」「多聞院日記」などがあり、これらの史料は一次史料で真実性が高いとされています。

また、その他にも歴史学ではあまり重要視されていない軍記物などもあります。「太閤記」が有名ですが、中国攻めに関しては、「備前軍記」「播州佐用軍記」「陰徳太平記」などがあります。こちらはこちらで大変面白いものですが。

ときどき、ドラマで妙に詳細なシーンだったり、はたまた、ちょっとした台詞の中に出てきたり、あの史料に書いてあることだな、などと思い当たると嬉しくなります。

入試に見る反射の問題

2014-04-20 11:55:21 | 勉強のやり方
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

雲っていて肌寒い日になりました。予報では、晴れ間を見られるのは来週の半ば以降のようです。

さて、ここ暫く最短ルートの問題を紹介してきましたが、これらは反射の問題として入学試験に出題されていて、古いところでは1957年の東大、その他にも名大、阪大などの難関大学から中学入試にも散見されます。2006年の豊島岡女子中では、3次元に拡張した問題が出題されています。

これらの反射の問題(最短ルート問題)を解くポイントは、与えられた図形の鏡映像を並べて運動の軌跡を直線に変換することです。これさえ知っていれば、簡単な問題なのですが、知らないと難しいものになります。

今回は、1991年の名大の問題を紹介します。

問題は、「∠AOBを直角とする直角三角形OAB上で玉突きをする。ただし、各辺では、入射角と反射角が等しい完全反射をするものとし、玉の大きさは無視する。Aから打ち出された玉が各辺1回ずつ当たって、Bに達することができるための∠OABに対する条件を求めよ」 というものです。


▲図1.反射の例題(1991年 名大)

図1に示したように、△OABの辺OBに対する鏡映像△OA’Bを描きます。続けて、△OA’Bの辺BA’に対する鏡映像△O’A’B、同様に、△O’A’Bを描けば正解まであと一歩です。

Aから打ち出された玉が辺OBに衝突するのが点Pで、そこから反射して辺ABと衝突するのが点Qになるのですが、玉の軌跡を直線に変換すると点Qは点Q’に対応します。同様に、玉が辺AOに衝突する点Rは点R’に、目的地である頂点Bは△O’A’B’の頂点B’に対応することになります。

つまり、線分AB’が4つ三角形の内部に引ける、言い換えれば、点Q’および点R’が、それぞれ線分A’Bおよび線分O’A’を内分する点になるか、と言うことになります。

上記が成り立つ条件は、∠AA’B’<180°、∠ABB’<180°です。

ここで、∠AA’B’=3∠OAB、∠ABB’=3∠OBA なので、
∠OAB<60°  ・・・(1)
∠OBA<60°
となります。

また、∠OAB+∠OBA=90°なので、
∠OBA=90°-∠OAB<60° より、
∠OAB>30°  ・・・(2)
です。

(1)、(2)をまとめると、30°<∠OAB<60°が正解となります。

与えられた図形の鏡映像を並べて軌跡を直線に変換するというテクニックを覚えておいてください。3次元に拡張した問題は後日紹介します。

乗法公式の演習方法

2014-04-19 12:23:28 | 勉強のやり方
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

予報と違い良い天気になりました。明日から曇り、明後日以降しばらく、雨模様のようです。今日から土、日曜日の補習を始めます。対象は中3生で、内容は高校入試演習で、当面、英語長文読解になります。

中3の数学では、乗法公式を勉強しています。教科書には4つの公式が挙げられていて、それらは、
(1)(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab
(2)(x+a)^2=x^2+2ax+a^2
(3)(x-a)^2=x^2-2ax+a^2
(4)(x+a)(x-a)=x^2-a^2
です。(A^2 は、Aの2乗を表します)

ここで、(1)の+aや+bを変えることで(2)以下の公式が導けるのですが、素早く展開するために(1)(2)および(4)を覚えておくことが必要です。

(1)は、2つの( )の中の第1項目を2乗し、第2項目同士の和に第1項目を掛け、第2項目同士を掛ける、
(2)は、第1項目を2乗し、第1項目と第2項目を掛けて2倍し、第2項めを2乗する、
(4)は、第1項目の2乗から第2項目の2乗を引く、
と言う操作ですが、これを頭で覚えるのではなく、身体(手)で覚えることが大切です。

まず、(1)(2)(4)のタイプに分かれた問題でそれぞれの操作を演習してください。それぞれの操作に習熟したら、それぞれのタイプが混在した問題に移り、与式を一見してどのタイプかを見抜き、適切な操作で展開する演習をしましょう。自信を持ったところで終わりにして、翌日、3つのタイプが混在した問題を演習し、全問正解すればOKです。もし、間違えたのであれば、間違えたタイプの操作を復習して演習を繰り返します。

早い人でしたら1時間内、遅い人でも2時間あれば習得できるので完全にマスターしましょう。計算力は数学の基礎力ですから、速く、正確に計算できるようになることが最重要です。頑張ってください。

「最短ルート問題」の類題

2014-04-18 13:00:53 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

予報通り朝から雨になりました。しばらくの間、ぐずぐずした日が続くようです。

先日、直線Lに対して同じ側にある2点PとQが与えられたとして、L上に点Rをどのように取ればPR+RQが最短ルートになるかという問題を扱いましたが、今回は、2点PとQとが、Lに対して互いに反対側にある場合を取り上げます。

図1のようにPR+RQが最小になるのは、線分PQと直線Lとの交点をRとする場合であることは明らかです。


▲図1.PR+RQ を最小にする場合

そこで、PとQからRへの距離の差の絶対値を最大にする場合を調べます。つまり、lPR-QRl が最大となる直線L上の点Rを求めるということです。

初めに、点Pを直線Lに関して鏡映させて点P’を得ます。当然、点P’と点Qは同じ側にあることになります。

次に、直線L上の任意の点R’を取り、△R’P’Qを考えます。三角形の2辺の長さの差は残りの辺の長さより大きくないので、lP’R’-QR’l<P’Q となります。つまり、3点R’、P’およびQが三角形を形成する場合は、最大値を持たないということで、最大値を持つのは、それらの点が直線上にあるときです。すなわち、直線P’Qと直線Lとの交点がRとなるとき、lPR-QRl=P’Q で、このとき、lPR-QRl が最大となります。


▲図2.lPR-QRl を最大にする場合

それでは、P’Qと直線Lが平行で交点を持たない場合はどうでしょうか。点Rが直線Lのどこにあろうと、3点R、P’およびQは三角形を形成します。つまり、lP’R-QRl は、最大値を持たないということで、点Rが直線Lのどちらかの方向に無限に進むとすると、lP’R-QRl=lPR-QRl の極限値がP’Qとなるということになります。

続いて、lPR-QRl が最小にする場合を調べます。これは、PR=QR、つまり、lPR-QRl=0の場合で、図3のように、直線PQの垂直二等分線と直線Lの交点がRとなります。


▲図3.lPR-QRl を最小にする場合

では、PQと直線Lが直交する場合、すなわち、直線PQと直線Lとが平行となる場合を考えます。もし、直線Lが線分PQの垂直二等分線であれば、直線L上の点RがどこにあってもPR=QRなので、lPR-QRl=0(最小値)となります。

それでは、図4のように、直線Lまでの距離が点Pと点Qとで異なる場合は、直線Lと線分PQの垂直二等分線は交点を持ちません。そこで点Rが直線Lのどちらかの方向に無限に進むとすると、lPR-QRl は0に近づきます。つまり、lPR-QRl は最小値を持たず、極限値0を持つということになります。


図4.PQ⊥Lで lPR-QRl を最小にする場合

“many” と “much” の使い方

2014-04-17 13:47:57 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

夜から曇るようで、明日は雨模様です。

数量を表す形容詞で身近な単語は、“many” と “much” でしょう。 “many” は数えられる名詞に、“much” は数えられない名詞に使うと習います。

ここで手元にある4種類の文法書を開いてみると、どれも “many”、“much” は主に否定文と疑問文に用いられ、肯定文にはあまり用いられないとあります。

「オックスフォード実例現代英語用法辞典」に至っては、“John’s got many friends because he’s got much money.” を誤用としています。

しかし、同書の次のページには、比較的形式ばった文体では、“much” と “many” は肯定文でもかなりよく使われる、とあって、例文として、 “Much  research has been carried out in order to establish the cause of cancer.” を挙げていたり・・・。

また、いま最も人気のある文法書の一つである、「総合英語 Forest」には、“many” が主語を修飾するときは、肯定文でも用いられるとあり、例文に、  “Many students use the school cafeteria.” を挙げています。

さらに、少し古いのですが、「フロンティア英文法」には、「しかし、“many” や “much” を肯定文で使っても、間違いだというわけではない」とあります。

“many” も “much” もなかなか奥が深いようで。

そこで、教科書を調べると、中3の教科書にこれに適した例文があって、それは、 “I wonder why we have so much waste. I think we buy too many things.” です。

確かに、どの文法書にも、“many” と “much” は、“too”、“so”、“as” を伴うと肯定文で普通に使われるとあるので、全く問題ありません。

結論として、肯定文では、“a lot of ” や “lots of ” などを使うのが良さそうです。数えられる名詞とか数えられない名詞とか関係ないので便利ですし。

2次方程式の複素数解を作図で求める

2014-04-16 11:40:17 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今日も良い天気になりました。中2の塾生が新学期早々のテストで国語(多分、漢字です)と英語(不規則動詞の変化)で両方とも100点を取って、ちょっと自慢げでした。今日、数学のテストがあるということで、昨夜は遅くまで頑張っていました。

さて、昨日の続きです。昨日は2次方程式の実数解の作図による解法を取り上げましたが、今日は複素数解の解法です。実数解よりは手間が掛かりますが簡単です。

昨日と同じ様に2次方程式を x^2-ax+b=0 として、点P(a,b)と点U(0,1)を結んだ線分PUが直径となる円Cを描きます。与えられた2次方程式が実数解を持たないと言うことは、円Cがx軸と交わらないということです。

ここで、原点Oを通る円Cの接線を引き、接点をTとします。次に線分OTを半径とする円Oを描き、点Cを通るy軸に平行な直線を引いたとき、この直線と円Oの交点z1 および z2 が複素数解になります。


▲図1.2次方程式の複素数解の作図

では、これを確認しましょう。点Cの座標は(a/2,(b+1)/2)で、
OC^2=(a/2)^2+((b+1)/2)^2 、
CP^2=CT^2=(a/2)^2+((b-1)/2)^2 
です。△OCTに三平方の定理を使って、
OT^2=b となります。

次に、△OSz1 を考えます。
Oz1^2=OT=b、OS^2=(a/2)^2 なので、三平方の定理により、
Sz1^2=b-(a/2)^2 
となります。

すなわち、z1 の座標は、
x座標が a/2、
y座標が、(b-(a/2)^2)^1/2 (A^1/2 はAの平方根を表します)
となり、ここで、xy平面を複素数平面と考えると、
z1,z2=a/2±((b-(a/2)^2)^1/2)i 
     =a/2±((a^2-4b)^1/2)i/2   (i は虚数単位です)
となります。これは与えられた2次方程式を解の公式で解いたものと同じものです。

また、重解の場合は、円Oが直線CSと接し、さらに、円Cがx軸と接することになります。