東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中間試験問題(中3数学)

2015-09-30 12:12:43 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

秋晴れのいい天気になりましたが、明日、明後日と雨模様になるようです。土曜日以降は回復して、いい天気が続くようです。

近隣の中学校で昨日から中間試験が始まったところがあって、塾生が数学の試験に出題された問題を持ってきました。

その問題は、
「(x+3)(y+3)=3、(x+4)(y+4)=13 のとき、(x+5)(y+5) の値を求めよ。」
です。

一見して、2つの条件式も、値を求める式も、xyとx+yの基本対称式で表わせるので、それらの値を求めれば、(x+5)(y+5)を簡単に計算できます。(もちろん、x、yを求めることもできて、それから計算することもできます)

ここでは、基本対称式の値を求めて解いてみます。

まず、
(x+3)(y+3)=3     (1)
(x+4)(y+4)=13    (2)
A=(x+5)(y+5)     (3)
として、(1)から
xy+3(x+y)+9=3
xy+3(x+y)=-6     (4)
で、(2)から
xy+4(x+y)+16=13
xy+4(x+y)=-3     (5)
です。

(4)(5)から
x+y=3            (6)
で、(4)(6)から
xy=-15           (7)
です。

一方、Aは、
A=xy+5(x+y)+25
で、これに(6)(7)を代入して、
A=-15+5×3+25
 =25
となり、これが答えです。

次に、この問題を図で調べてみます。

ここで、X=x+3、Y=y+3と変換して、(1)(2)(3)を書き直します。
 XY       =3     (8)
(X+1)(Y+1)=13    (9)
A=(X+2)(Y+2)     (10)

これらの(8)(9)(10)は、横と縦の長さが、それぞれ、XとY、X+1とY+1、X+2とY+2の長方形の面積を表わしているので、下のような図を描いてみます。


▲図.(8)(9)(10)の長方形を描きました

この図から判るように、(8)と(9)の面積差は、緑色の長方形で表わしたXと、黄色の長方形で表わしたYと、赤色の正方形で表わした1なので、
X+Y+1=13-3
で、これを整理して、
X+Y=9            (11)
です。

さらに、(10)(=A)と(9)の面積差は、緑色の長方形で表わしたXと、黄色の長方形で表わしたYと、赤色の正方形で表わした1が3個なので
X+Y+3=A-13
で、これを整理して、
A=X+Y+16         (12)
で、これに(11)を代入して、
A=9+16
 =25
と、先ほどの答えと一致しました。


式の計算で解いても、図を使って解いてもどちらでも良いのですが、お互いの関連性を調べてみると勉強になることも多いかと思います。

簡単な図形問題(3)

2015-09-29 11:40:47 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

早いもので、先日夏休みが終わったと思ったら、もう中間試験の時期になり、天気のほうも、暑くもなく寒くもなく、秋らしくなってきました。

さて、今回は平成24年度都立日比谷高校の図形問題を取り上げます。これは大問1の小問の一つで難しくはありません。

問題は、
「下の図で、点Cは線分ABを直径とする半円Oの弧AB上にある点で、弧AC>弧BCである。
 点Cにおける半円Oの接線と、線分ABをBの方向に延ばした直線との交点をDとする。
 点Eは弧AC上にあり、弧AE:弧EC=1:4である。
 直線CEと、線分ABをAの方向に延ばした直線との交点をFとする。
 ∠ODC=30°のとき、∠OFCの大きさは何度か。」
です。


▲問題図

問題文は長めですが、難しいことが書いてあるわけではないので、与えられた条件を、図1のように問題図に書き込みましょう。


▲図1.与えられた条件を書き込みました

ここで注意しなくてはならないのは、「点Cにおける半円Oの接線と、線分ABをBの方向に延ばした直線との交点をDとする」という件のところで、これから、∠OCD=90°となります。

これが判れば、∠COD=60°→∠AOC=120°と進み、弧AE:弧EC=1:4の使い道もはっきりして、∠AOE:∠EOC=1:4となります。

一方、∠AOE+∠EOC=∠AOC=120°なので、先ほどの中心角の比と組み合わせて、図2のように、∠AOE=24°、∠EOC=96°と判ります。


▲図2.解答図

続いて△OECに着目すると、OE=OCですから△OECは二等辺三角形で、その底角は等しいので、∠OEC=42°です。

最後に△OEFに着目して、三角形の外角はそれと隣り合わない2つの内角の和に等しいので、∠OEC=∠EOF+∠EFOから、∠EFO=∠OEC-∠EOF=42°-24°=18°で、∠OFC=∠EFOなので、∠OFC=18°になります。


この問題のポイントは、
・円の接線は、円の半径と垂直に交わる
・弧の長さの比は、中心角や円周角の比になる
ですから、しっかり押さえておきましょう。

重要構文 It ~ (for A) to ...

2015-09-28 11:34:15 | 英語の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

薄いセーターを脱いで教室を掃除したのですが、大汗をかくほど暖かい日になりました。今日、明日と夏日になるようです。

昨日、中3の塾生の一人が、 It ~ (for A) to ...という重要構文を勉強していました。

教科書(NEW CROWN 三省堂)には
“It is important for us to read books every day.” (私たちにとって毎日本を読むことは大切です)
という例文が挙げてあります。

例文のなかの it は、形式主語(preparatory subject)と言って、to不定詞(この場合、to read books every day)を指し、for us は、不定詞の意味上の主語で、「私たちが、本を毎日読むこと」となります。

教科書には、例文の important に代わってよく使われる言葉として、easy(簡単な)、difficult(難しい)、possible(可能な)、impossible(不可能な)、interesting(面白い)、necessary(必要な)、important(大切な)、 fun(楽しい)が挙げてあり、to不定詞についても、get up early every day(毎日早起きする)、 study the history of the earth(地球の歴史を勉強する)などが書いてあるので、それらを組み合わせていろいろ英文を作ってみるとよいでしょう。

一方、この構文を使わないで、to不定詞を文頭の主語の位置に置く、つまり、
“To read books every day is important for us.”
という表現も載っているのですが、オックスフォード現代英語用法辞典には、「やや古い英語なら不定詞は容易に文の主語になれるが、現代英語の場合は、形式張らない文体では、it を形式主語として用い、不定詞をうしろに持っていくことが多い」とあり、英文法書「Forest」(石黒昭博監修)も同様です。

さらに、「一億人の英文法」(大西泰斗著)には、「to不定詞は文頭に置くとかなり目立つ」「主語に置かれたto不定詞は「これから」のニュアンスをもつこともしばしばある」とあります。

以上から、特段の理由がなければ、It ~ (for A) to ...の構文を使うのがいいようです。


いずれにしても、この構文は入学試験で頻出なので、しっかり覚えておきましょう。

「寺子屋」か「寺小屋」か

2015-09-27 11:14:13 | 社会の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

朝は小雨がぱらついていましたが、今は少し明るくなってきました。明日から暫くの間、秋晴れの過ごしやすい日が続くようです。

土、日曜日は基本的に中3生などの受験生しか来塾しないのですが、昨日は中学校の中間試験前ということで、中2の塾生も勉強に来ました。そのなかの一人は江戸時代の歴史を勉強していて、そのときの質問が、「てらこや」の「こ」は「子」ですかというもので、つまり、「寺子屋」と「寺小屋」のどっちなの、ということです。

これについては、学習指導要領や教科書に「寺子屋」と表記してあり、「寺小屋」が正しいのですが、「寺小屋」という表記も微妙なところです。

例えば、平成24年度の山梨県立高校入試、平成25年度の愛知県立高校入試では、様々な文献に「寺小屋」という表記もあるという理由で、「寺小屋」も正答にし、平成25年度大分県立高校入試では、これを誤答としたようです。

一方、広辞苑を引いてみると、【寺子屋・寺小屋】「(寺子の学習する家の意)(1)江戸時代から明治初年の学制公布までに設けられた、庶民の子弟のための初等教育機関。(以下省略)」とあり、両語併記となっているのですが、ここで出てくる【寺子】については、「寺子屋に通って学ぶ子」とあって、意味の上では「寺子屋」のほうがぴったりのようです。


もし試験に「てらこや」が出題されたら、各県の教育委員会での見解も異なるようなので、「寺子屋」と書くほうが無難のようです。

反比例

2015-09-26 11:30:49 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

秋雨前線が本州から少し離れた南の海上に停滞するため、来週末まで晴れたり曇ったりの天気が続くようです。朝夕は大分寒くなってきたので暖かくして過ごしましょう。

さて、今回は平成25年度都立国立高校の入試問題です。

問題は、
「yはxに反比例している。xの値が50%増加するとき、yの値はa%減少する。aの値を、小数第1位を四捨五入して求めなさい。」
です。

この問題は大問1のなかの小問の一つなので易しい問題です。ところが、共通問題では見かけない(模擬試験では出題されます)反比例についての問題なので、それを知らないと正解できません。

初めに、yがxに反比例しているとは、
y=k/x (kは定数、x≠0)       (1)
で表わされるということで、そのグラフは下図のようになります。


▲図。反比例のグラフ

本問を解くには、式(1)を使って与えられた条件を立式するればOKです。

まず、xが50%増加するというのは、
x→(1+0.5)x             (2)
ということで、それに応じてyがa%減少するというのは、
y→y(1-a/100)            (3)
ということです。

ここで(2)(3)の→の右側の式を、それぞれ(1)のxおよびyに代入して次の等式を作ります。

y(1-a/100)=k/(1+0.5)x   (4)

あとは(1)と(4)から、
k/x・(1-a/100)=k/(x・1.5)
1-a/100=1/1.5
とx、y、kを消去して、aについて解くと、
a=(1-1/1.5)×100
 =33.3・・・
です。

答えは、小数第1位を四捨五入して算出するので、
a=33
です。


反比例は、初めに小6で出てきて、そのあと中1で関係式やグラフ(双曲線)を含めて勉強します。受験生にとっては昔勉強したことなので、忘れている人もいるかもしれません。しっかり頭に入れておきましょう。

「バチカン市国」 と 「バチカン市国の」

2015-09-25 11:33:54 | 英語の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

近隣の中学校では来週中間試験なので、多くの塾生が頑張って勉強しています。そんな最中、昨夜の質問の一つが、英語での国名とその形容詞についてでした。

例えば、「アメリカ」はAmerica、「アメリカの」はAmerican、「日本」はJapan、「日本の」はJapanese、イギリスはBritain、「イギリスの」はBritish と表わします。

これらの3例のように、国名(またはそれに近い語)の後ろに、-an、-ese、-ish を付けてその形容詞を作るものが多いのですが、「ギリシア」Greece、「ギリシアの」Greek、「タイ」Thailand、「タイの」Thai など例外もたくさんあります。

結局、それらの言葉に出会ったら(もし必要があれば調べて)その都度覚えていくしかないということなのですが、そのとき話題になったのが、世界で一番小さな国の「バチカン市国」です。

早速、辞書などで “Vatican” を引いてみると、ウィズダム英和辞典には、“the Vatican City” (バチカン市国 :ローマ市内にある教皇支配下の世界最小の独立国)とあるだけで「バチカン市国の」を表わす語はありません。

一方、オックスフォード現代英英辞典には、 “(the) Vatican City” の項目に、 “a small country in western Europe” とあり、品詞は名詞と形容詞とありました。

つまり、“(the) Vatican City” で、「バチカン市国」と「バチカン市国の」を表現できるようです。(インターネットで検索すると、“Vatican”=「バチカン市国」「バチカン市国の」というものもありました)

ついでに世界で2番目に小さな国の「モナコ公国」を調べてみると、“Monaco” が国名で、“Monegasque”(モニガースク、カタカナ表記ですみません)が「モナコの」「モナコ人」を表わします。


国名、その形容詞、その国民を表わす英単語を調べると、英語と地理が同時に勉強できます。興味のある人はやってみてください。

簡単な図形問題(2)

2015-09-24 14:48:19 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

好天に恵まれた連休でしたが、それが終わると同時に雨模様で、次は日曜日に晴れるようです。中学生の皆さんは中間試験が近いので頑張って勉強しましょう。

さて、今回は簡単な図形問題です。

問題は、
「△ABCにおいて、AB=3ACのとき、∠Aの2等分線に頂点Bから下ろした垂線の足をDとすると、BCはADを2等分することを示せ」
です。


▲問題図

問題図を眺めると、∠Aが2等分されていて、さらに∠ADB=90°であることから、辺ACを延長して二等辺三角形を作りたくなります。

そこで図1のように、ADとBCとの交点をE、ACの延長とBDの延長との交点をF、CFの中点をGとします。


▲図1.補助線を引きました

ここで、AD⊥BF、∠BAD=∠FADなので、△ABFは二等辺三角形となり、AB=AFです。

すると、AB:AC=AF:AC=3:1で、CF:AC=2:1から、
CG:AC=1:1   (1)
となります。

一方、△FBCにおいて、FD=DB、FG=GCなので、中点連結定理により、BC//DG、つまり、
EC//DG       (2)
となります。

そこで、△ADGにおいて、(1)(2)が成立するので中点連結定理から、AE:ED=1:1となり、BCはADを2等分することが判ります。

次に図2のように、AB=nACの場合を調べてみましょう。


▲図2.AB=nACの場合

先ほどと同様に、△ABFは二等辺三角形で、AB=AFです。

AB:AC=AF:AC=n:1で、CF:AC=(n-1):1から、
CG:AC=(n-1):2
となります。

一方、△AECと△ADGにおいて、
∠EAC=∠DAG
です。

また、EC//DGから、平行線の同位角は等しいので
∠AEC=∠ADG
です。

したがって、
△AEC∽△ADG
なので、
AE:ED=AC:CG
     =2:(n-1)   (3)
となります。

ここで、n=3とすると、(3)から、AE:ED=2:2=1:1となって、最初の問題の答えと同じになりました。

さらに、n=2のとき、CとDは、それぞれ、AFおよびBCの中点なので、BCとADとの交点Eは△ABFの重心になり、AE:ED=2:1です。一方、(3)にn=2を代入すると、AE:ED=2:1となり、一致することが判ります。


今回は、二等辺三角形の性質と中点連結定理を使いましたが、どちらも入試問題に頻出なので、しっかり頭に入れておきましょう。

最大公約数の求め方-ユークリッドの互除法-

2015-09-23 11:13:02 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

うろこ雲があって秋らしい空になりました。「うろこ雲がでたら3日のうちに雨」と言われていますが、確かに天気予報も週末は曇り→雨になっています。

さて、今回は最大公約数を求めるユークリッドの互除法についてです。

2つの自然数の最大公約数を求める方法は、小学校の場合、各々の自然数の約数を書き出し、共通する公約数で一番大きいものを見つけるというものです。

例えば、8と12の場合、8の約数は、1、2、4、8、12の約数は、1、2、3、4、6、12なので、それらの公約数は、1、2、4となり、したがって、最大公約数は4になるというものです。

これが中学校になると素因数分解を利用することができます。

例えば、8、12を素因数分解すると、それぞれ、
 8=2^3
12=2^2×3
なので、これらの2数に共通する素因数を探して、最大公約数が2^2=4と判るわけです。

ところが。2つの数が4165と6035のように複雑(直ぐに素因数分解できない)ときは厄介です。実際に、この2数を素因数分解すると、
4165=5×7^2×17
6035=5×17×71
で、最大公約数は5×17=85となるのですが、これを見つけるのはなかなか大変です。

普通、最大公約数を見つけるために、図1のような計算をするのですが、2つ目の公約数17を見つけるのが難しいということです。


▲図1.4165と6035の最大公約数を見つける計算

そこで、こんなときに役立つのが、ユークリッドの互除法です。

その計算方法は以下の通りです。

まず、大きいほうの数を小さいほうの数で割ります。この場合、6035を4165で割るわけです。

すると、
6035÷4165=1・・・1870
となります。

次に、前の計算での(割る数)を(余り)で割ります。この場合、4165を1870で割るわけです。
4165÷1870=2・・・425
となります。

さらに、この操作を割り切れるまで(余りが0になるまで)繰り返すと、
1870÷425=4・・・170
425÷170=2・・・85
170÷85=2・・・0
のようになり、この最後の計算式の(割る数)85が最大公約数となります。(もし、2数が互いに素、つまり1以外の公約数を持たないときは、最後に1で割ることになり、このとき余りは0になります)

それでは、この方法を図2のような縦4165、横6035の長方形を正方形で敷き詰めていくことで調べてみましょう。


▲図2.ユークリッド互除法の説明

まず、元の長方形(4165×6035)に、その縦を1辺(4165)とする正方形を1個敷いて、横の長さが1870の新しい長方形を作ります。(新しい長方形の横の長さ(1870)は、横(6035)÷縦(4165)の余り(1870)です)

次に、この新しくできた長方形(4165×1870)に、その横を1辺(1870)とする正方形を2個敷いて、縦の長さが425の新しい長方形を作ります。(新しい長方形の縦の長さ(425)は、縦(4165)÷横(1870)の余り(425)です)

さらにこれを正方形で長方形がピッタリと敷き詰められるまで続けます。

・新しくできた長方形(425×1870)に、その縦を1辺(425)とする正方形を4個敷いて、縦の長さが170の新しい長方形を作る。
・新しくできた長方形(425×170)に、その横を1辺(170)とする正方形を2個敷いて、縦の長さが85の新しい長方形を作る。
・新しくできた長方形(85×170)に、その縦を1辺(85)とする正方形を敷くと2個でピッタリとなります。←(終わりました)

これは、元の長方形(4165×6035)を85×85の正方形で敷き詰めることができ、かつ、この正方形が一番大きいものだということを表わしています。つまり、4165と6035の最大公約数は、85となります。

ちなみに、図3は手元の公式集に載っていたユークリッド互除法の計算手順例です。


▲図3.ユークリッド互除法の計算手順例

左に並んでいる2、2は縦を分割した正方形の個数で、右に並んでいる1、4、2は横を分割した正方形の個数になります。(このような計算をしなくても、大きい数を小さい数で割って、次に、割る数を余りで割る操作を、余りが0になるまで繰り返すと覚えておけばOKです)


当然、数式を使った説明も可能です。興味のある人は調べてみてください。

二酸化炭素と石灰水

2015-09-22 11:03:26 | 理科の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

朝夕は、秋らしく涼しくなりましたが、現在の東久留米の気温は25℃と少し暑く感じます。天気予報を見ると、明日から気温がだんだん下がっていくので、これが今年最後の暑さかもしれません。

さて、今回は二酸化炭素と石灰水の話題です。

中学の理科では、頻繁に二酸化炭素が出てきます。例えば、石灰石に薄い塩酸を加えて二酸化炭素を作ったり、それを下方置換や水上置換で集めたり、さらに植物の光合成でも登場します。

この二酸化炭素の検出法の一つに、石灰水(水酸化カルシウム水溶液)を白く濁らせるかを調べるというものがありますが、これを化学反応式で表わすと、
Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O
で、水酸化カルシウムと二酸化炭素が反応すると、水に溶けない炭酸カルシウム(CaCO3)ができて白く濁って見えるとういわけです。

ところが、さらに二酸化炭素を通す(加える)と、
CaCO3 + H2O + CO2 → Ca(HCO3)2
と反応します。

ここで生成した炭酸水素カルシウム(Ca(HCO3)2 は、水のなかでほぼ完全に電離し、カルシウムイオンと炭酸水素イオンになっていて、これらは透明なので白い濁りは消えてしまいます。

さらに面白いことに、炭酸水素カルシウムの水溶液を加熱するなどして二酸化炭素を追い出すと、炭酸水素カルシウムを炭酸カルシウムに戻すことができて、その溶液は再び白濁します。

実は、これが鍾乳洞ができる原理です。

つまり、空気中の二酸化炭素含んだ雨水が石灰石を溶かして、炭酸水素カルシウムを含んだ雨水になり、それが急に地上にでて圧力が下がるときや、天井から雫になって空気に触れる面積が大きくなると、二酸化炭素を放出して水に溶けない炭酸カルシウムに戻り、鍾乳石などになるわけです。


炭酸水素カルシウムのことは知らなくてもよいかもしれませんが、石灰水に二酸化炭素を通すと白濁することは、入試の頻出事項なので、しっかり覚えておきましょう。

近代日本の軍制改革

2015-09-21 10:14:54 | 社会の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

雲が少し多いようですが明るく晴れていて、最高気温も26℃と過ごしやすい日になりそうです。

さて、昨夜のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」では奇兵隊の悲劇的な最期が描かれました。

戊辰戦争で長州藩は新政府軍の主力を担いますが、1869年(明治2)末には財政上の理由から兵力を整理しなければならなくなります。そのため奇兵隊など約5千人を解散し、新しく2250人からなる常備大隊に改編します。つまり、戊辰戦争で活躍した兵の半数以上が解雇されました。

その解雇された者は農民や町人が多く、彼らは身分差別に怒って隊を脱走し、差別解雇・隊幹部の不正の弾劾、戦傷者への援助要求をかかげ、1870年(明治3)1月に反乱を起こして山口の藩庁を包囲します。さらに農民一揆も加わり反乱は広まる形勢となります。

そこで、木戸孝允が急遽山口に向かい、800名の討伐軍で反乱軍を鎮圧に乗り出します。討伐軍は、反乱軍と小郡柳井田で会戦し、最終的に反乱軍を潰走させます。

鎮圧後の処罰は厳しく脱退兵百数十人が処刑され、高杉晋作が創設した奇兵隊は悲劇的な終焉を迎えます。

このあと木戸は、藩が持つ軍を一掃して日本の統一軍をつくる必要性を述べていて、大村益次郎も藩軍隊を解散し広く国民から兵隊を徴募して新軍隊を創設すべきと考えました。

大村が暗殺された後、その意志を継ぎ、徴兵制の準備を進めたのが山県有朋で、1873年(明治6)1月に徴兵令が発布されます。

徴兵制は、満20歳に達した男子の皆兵がたてまえでしたが、兵役免除規定があり、戸主と後継ぎ、官公吏・またはそれになる学生、代人料270円を納めた者は免除されるというものでしたが、これにより組織された常備軍は、のちに西南戦争で大きな威力を発揮したように、統一国家にとって欠かせない支柱になっていきます。


ところで兵役免除の代人料270円ですが、明治4年と10年の太政大臣の月給800円と現在の総理大臣の約240万円(賞与は除く)から計算すると、270×240万÷800=81万円になりますが、明治4年の巡査の月給7~10円と比較すると約30倍になり、一般庶民には支払える金額ではなさそうですね。

角の二等分線定理と調和点列

2015-09-20 11:07:28 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

朝のラジオの天気予報で、埼玉県の熊谷が真夏日になるけれど、これが今年最後の真夏日だろうと言っていました。「暑さ寒さも彼岸まで」ということで、これからどんどん涼しく、そして寒くなっていきます。8月初めの猛暑も少し懐かしく感じます。

さて今回は、角の二等分線定理を取り上げます。

角の二等分線定理は、図1のように△ABCの∠Aの2等分線と辺BCとの交点をDとすると、AB:AC=BD:DCが成り立つというものです。


▲図1.角の二等分線定理

これは、以下のように証明します。

まず、図2のように、辺ABを延長した直線と頂点Cを通りADと平行な直線との交点をEとします。


▲図2.角の二等分線定理の証明

ここで、AD//ECなので、
∠BAC=∠AEC(同位角)
∠DAC=∠ACE(錯角)
です。

さらに仮定から、
∠BAC=∠DAC
なので、
∠AEC=∠ACE
となり、△ACEは二等辺三角形です。

つまり、
AC=AE         (1)
です。

一方、
BA:AE=BD:DC
で、これに(1)を代入して、
BA:AC=BD:DC
から
AB:AC=BD:DC   (2)
となり、証明終わりです。

以上は三角形の内角を2等分した場合でしたが、図3のように、外角を2等分した場合も成り立ちます。


▲図3.三角形の外角の二等分線定理

まず、図4のように、辺ABと∠Aの2等分線と平行で頂点Cを通る直線との交点をGとします。


▲図4.三角形の外角の二等分線定理の証明

ここで、AF//GCなので、
∠HAF=∠AGC(同位角)
∠FAC=∠ACG(錯角)
です。

さらに仮定から、
∠HAF=∠FAC
なので、
∠AGC=∠ACG
となり、△ACGは二等辺三角形です。

つまり、
AC=AG         (3)
です。

一方、
BA:AG=BF:FC
で、これに(3)を代入して、
BA:AC=BF:FC
から
AB:AC=BF:FC   (4)
が成り立ちます。

ここで図5のように、点Dと点Fは、それぞれ辺BCとその延長線上の点で、しかも辺BCを同じ比に、内分および外分する点です。このとき、点Dと点Fは、BCを調和に分けるといい、また、これらの4点B、C、D、Fを調和点列といいます。


▲図5.調和点列

この調和点列には、(2)(4)から
BD:DC=BF:FC
つまり、
DC/BD=FC/BF    (5)
が成り立ちます。

ここで、
DC=BC-BD
FC=BF-BC
を(5)に代入して整理すると、
(BC-BD)/BD=(BF-BC)/BF
1/BD+1/BF=2/BC
となり、逆数が等差数列(=調和数列)になることが判ります。


調和点列はいろいろなところで見つけることができるので、その都度、紹介していきたいと思います。

ゴルバチョフとペレストロイカ

2015-09-19 10:39:13 | 社会の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

天気予報通り秋晴れのよい天気になり、この好天は1週間ほど続き、快適な連休を過ごせそうです。

さて、先日、塾生からペレストロイカの具体的な内容について質問されたので、簡単にまとめてみました。

ペレストロイカは、1985年3月にソ連共産党書記長に就任したゴルバチョフが、翌年2月の第27回ソヴィエト大会で提示したもので、当時、成長の鈍化、技術革新や産業の高度化の遅れが明らかになったソ連経済を立て直す政策です。

それまでのソ連経済は、計画経済のもと、1938年にアメリカについで世界第2位に達します。ところが、政治・軍事を優先させたため、特に食糧・食品などの民需産業が未発展な状況にありました。

そのようなソ連経済は、1970年代後半には、石油・天然ガスの輸出が好調でアメリカと並び世界をリードしていたのですが、1979年にアフガニスタンのアミン政権の打倒に介入したことによる軍事費負担と、1980年代初めの石油価格下落などにより、ゆきづまっていきます。

このような状況下、登場したのがゴルバチョフですが、当初のペレストロイカは市場経済の導入を目指す経済改革で、具体的には、個人企業の解禁、企業の自主性拡大、外国との合弁事業の認可などでした。ところが、物不足とインフレ、財政赤字と対外債務の増加により経済混乱に陥り、国民生活は窮乏化します。

そして、経済改革が進展しない原因の一つが、共産党内部保守派の抵抗であったため、ゴルバチョフは政治改革にも踏み込んでいくことになります。

ゴルバチョフは、改革派と保守派との間でバランスを取りながら改革推進していくのですが、1991年にソ連邦の体制を変える新連邦条約をまとめると、保守派はクーデターを起こします。

しかし、このクーデターは、エリツィンのロシア共和国政府に指導されたモスクワ市民の抵抗で失敗し、その後、ゴルバチョフは共産党書記長辞任と中央委員会解散勧告を伝え、ついにソ連共産党が解体します。

さらに、1991年12月、ロシア連邦共和国を中心にウクライナ、ベラルーシは独立国家共同体(CIS)を創立したため、ソ連邦は消滅、初代ソ連大統領のゴルバチョフは辞職します。ここで、彼のペレストロイカは終わり、改革運動は、ロシア共和国のエリツィンに引き継がれていくことになります。


ベルリンの壁崩壊やソ連の崩壊は、私が30歳過ぎの出来事なのですが、遠い昔のことのように感じます。今、こうして調べてみると、世界現代史もダイナミックで面白いものです。

接線を引く作図問題

2015-09-18 12:39:45 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

曇りがちの天気ですが、気温は21℃と過ごしやすい日になりました。明日からのシルバーウィークは概ね好天のようで行楽日和になりそうです。

昨日、塾生から、学校の授業で出題された作図問題について質問を受けました。

それは、問題図のように円Oと円の外部にある点Pがあり、点Pから円Oに接線を引くという問題です。


▲問題図

都立高校の共通問題には、必ず作図問題が出題されますが、それらは最終的に、角の二等分線や線分の垂直二等分線を描くものがほとんどで難しくありません。

それに対して本問は、接線を引く、つまり、円周上のどこかの点と円の外部の点を結んだ直線で、それが円の半径と垂直に交わる直線を引くということなので、共通問題の作図問題に比べて難度は高くなります。

とは言っても、円周上の点という条件と直角という条件から、円の直径に対する円周角を思い起こせる人は、簡単に正解にたどり着ける問題です。

そこで図1のように、中心Oと点Pを結び、線分OPを2等分し、その点をMとします。


▲図1.直径の円周角が直角になることを利用した解き方

次に、点Mを中心として半径MO(=MP)の円を描き、その円と円Oの交点をC(C’)とします。

すると、∠OCP(∠OC’P)は、円Mの直径に対する円周角なので、90°です。

したがって、直線PC(PC’)は、点Pを通る円Oの接線になります。

これが一見してピンとくる解答だと思うのですが、別の解き方も調べてみました。

それは図2のように、三角形の合同を使う方法で、まず、中心Oと点Pを結び、線分OPと円Oとの交点をNとします。


▲図2.三角形の合同を使う解き方

そして、点Nを接点とする接線を引き、その接線上の点で、中心Oからの距離がOPと等しくなる点をQとし、中心Oと点Qを結んだ線分と円Oとの交点をCとします。

ここで、△ONQと△OCPを考え、それらが合同であることを言えば、∠OCP=∠ONQで、一方、∠ONQ=90°(直線NQは円Oの接線です)なので、∠OCP=90°となり、直線PCが接線ということになります。

そこで、△ONQと△OCPを調べると、
OQ=OP     (仮定)
ON=OC     (円Oの半径)
∠NOQ=∠COP (共通)
から、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
△ONQ≡△OCP
となります。

あとは上記したように、∠OCP=90°となるので、直線PCが接線になります。(図2の下側で同じことをすれば、もう一つの接線を引くことができます)


作図問題は、都立高校の共通問題だけではなく、自校作成問題でも頻出なので、よく勉強しておきましょう。

“very” などの程度を表わす語の強弱

2015-09-17 11:09:43 | 英語の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

天気予報通り、朝からしっかりと雨が降っています。最高気温は、昨日より5、6度下がって20℃に届かないようです。しかし、明日には同じくらい上がるようで、風邪など引かぬように気をつけましょう。

先日、英和辞典(研究社カレッジライトハウス英和辞典)を引いたときに目に付いたのが、 “very” の項目にあった「程度を表わす語の強弱」です。

そこには、弱いほうから順番に、
[かなり]     fairly, quite, rather, pretty
[非常に]     very
[驚くほど]    amazingly, remarkably, surprisingly
[非常に]     awfully, extremely, terribly
[全く、すっかり] completely, absolutely, entirely, totally, utterly
とありました。

そこで、文法書「一億人の英文法」(大西泰斗著)で調べると、そこには、
[ほとんど~ない] barely
[ほとんど~ない] hardly
[少し]      a little
[ちょこっと]   a (little) bit
[かなり]     fairly
[かなり]     rather
[かなり]     quite
[かなり]     pretty
[とても]     very
[本当に]    (quite)
[本当に]     really
[とっても]    so
[完全に]     absolutely
[~すぎ]     too
とあります。(quiteは、読み方・顔の表情などで大きく強度が変わるそうです)

さらに、ここには、各語について、くだけた-中間-堅苦しい、の分類もあって、
くだけた語は、
a (little) bit, pretty
くだけた~中間の語は、
really
くだけた~堅苦しいの語は、
so
堅苦しい語は、
quite
で、残りはだいたい中間ということです。


辞書や文法書を開くと、いろいろ面白いことが書いてあって楽しいものです。暇なとき眺めてみるとよいでしょう。

簡単な図形問題

2015-09-16 12:29:54 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

朝は少し晴れ間も見られたのですが、今はすっかり曇ってきました。夜には小雨になって、明日は本降りということです。

さて、今回は平成24年度都立西高校の図形問題です。都立高校の数学入試問題は、共通問題も自校作成問題も大問1は数問の基礎問題から成っていますが、本問もそのなかのものなので難しくはありません。

問題は、
「右図において、四角形ABCDはAB=4cm、AD=6cmの長方形である。
 円Pは、辺AB、辺BC、辺ADに接しており、円Qは辺BC、辺CDに接している。また、2円P、Qの中心を結んだ線分PQの長さは、2円P、Qの半径の長さの和に等しいものとする。
 円Qの半径の長さは何cmか。」


▲問題図

少し前に取り上げた都立八王子東高校の入試問題と同じ長方形なので、それを利用すれば面白いかなと思ったのですが、残念ながら上手くいきそうもありません。と言うことで、今回は普通に円Qの半径をrとして三平方の定理を使って解くことにします。

まず、図1のように、P、Qから辺BCに垂線を下ろし、その足をそれぞれR、Sとします。

次に、Qから線分PRに垂線を下ろし、その足をTとします。


▲図1.直角三角形PQTを作りました

ここで、
PT=2-r
QT=SR=6-2-r=4-r
PQ=2+r
なので、直角三角形PQTに三平方の定理を適用して、
PT^2+QT^2=PQ^2
から、
(2-r)^2+(4-r)^2=(2+r)^2
が成り立ちます。

これを整理すると、
4-4r+r^2+16-8r+r^2=4+4r+r^2
r^2-16r+16=0
となります。

これを解の公式で解くと、
r=8±√(64-16)
 =8±√48
 =8±4√3
で、r<2なので、
r=8-4√3
となり、円Qの半径は、8-4√3(cm)となります。


簡単な問題でしたが、しっかり解けるようにしておきましょう。