東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

公立中高一貫校の楽しい問題

2017-05-31 12:26:07 | 中学受験
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

小5の塾生の公立中高一貫校対策問題集に、
「(  )のなかに適当な故事・ことわざを書きなさい。
の耳に念仏
さるも木から落ちる
・(               )
・大山鳴動してねずみ一匹
の威を借るきつね   」
という問題がありました。

挙がっている4つのことわざに共通するのは動物で、上から順に、さる、( )、ねずみ(きつね)になっていて、正解への第一歩は、これらの動物の並び方の規則性を見つけることです。

塾生は50音などから規則性を見つけようとしましたが、すぐに十二支を思いつき、「、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い」と書き上げました。

そして、4つのことわざの動物は「うま」から始まり1つおきに並んでいて、( )に登場する動物が犬であることを発見しました。

最後に、解答欄に「犬も歩けば棒に当たる」と書き込み、無事正解です。

公立中高一貫校の問題にはクイズやパズルのようなものも多く、なかなか楽しいです。興味のある人は挑戦してみてください。

平成29年度都立高校入試問題(15)【西高】

2017-05-30 13:10:09 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

全国各地で真夏日になりましたが、この暑さも今日がピークで明日から少し気温は下がるようです。とは言っても25℃以上の夏日でしばらく暑い日が続くようです。

さて、今回は平成29年度都立高校数学入試問題を取り上げます。

問題は、西高で出題された大問4の整数問題で、それは、
「下の図のように、1、2、3、4、5、6、7、8、9の数字を1つずつ書いた9枚のカードがある。


この9枚のカードを箱の中に入れてよく混ぜる。
Nさんは次の規則で、2桁の自然数nを作ることにした。

規則
 箱の中からカードを1枚取り出し、そのカードに書かれた数字を十の位の数とする。
 取り出したカードは箱の中に戻す。
 再び箱の中からカードを1枚取り出し、そのカードに書かれた数を一の位の数とする。

次の各問に答えよ。

[問1] √nが自然数となるnの値は、全部で何通りあるか。

[問2] xを3桁の自然数とする。
     Nさんは規則でできるnを用いて、次の[手順]で計算を行った。

[手順]
① xからnを引いた差をmとする。
② nの各位の数の和をaとする。
③ mの各位の数の和をbとする。
  ただし、mが1桁の数の場合、bはmと等しいとする。
④ aとbの和をcとする。

次の(1)、(2)に答えよ。

(1) Nさんは、x=100のときに、規則でできるいろいろなnを用いて、[手順]で計算を行ったところ、[手順]でできる数cは、つねに一定の数になることに気がついた。
 なぜ一定の数になるのか、nの十の位の数をd、一の位の数をeとして、文字dとeを用いて説明せよ。

(2) Nさんはさらに、xを100以外の数にして、規則でできるいろいろなnを用いて、[手順]で計算を行った。
 xが100以外の数のときは、[手順]でできる数cが一定の数になるとは限らないことが分かった。
 例えば、x=101のとき、[手順]でできる数cは、11か20の2つある。
 [手順]でできる数cが2つ以上あり、そのうちの1つが4となるxの値をすべて求めよ。」
です。

早速、[問1]から取り掛かりましょう。

これは簡単で、与えられた9枚のカードを使ってできる2桁の平方数の個数が答えになります。

つまり、16、25、36、49、64、81の6個なので、答えは 6通り です。

次に[問2]の(1)です。

n=10d+e
1≦d,e≦9
とすると、
a=d+e
です。

また、
m=x-n
 =100-10d-e
 =10(9-d)+10-e
になり、ここで10-eは1桁の自然数なので、

・d=9のとき、
 b=10-e

・d≦8のとき
 b=9-d+10-e
  =19-d-e
です。

したがって、
・d=9のとき、
 c=a+b
  =d+e+10-e
  =9+10
  =19

・d≦8のとき、
 c=a+b
  =d+e+19-d-e
  =19

以上から、[手順]でできる数cは一定の数19になります。

最後に[問2]の(2)です。

aとbは、
a+b=4
a≧2
b≠0
を満たさなければならないので、
a=2または3
です。

したがって、nの候補は 11、12、21 になります。

・n=11の場合
mは3桁以下の自然数で、b=2なので、mの候補は200、110、101、20、11、2 で、さらにx=n+mが3桁の自然数であることから、mの候補は200、110、101になります。

したがって、xの候補は211、121、112です。

・n=12、21の場合
b=1なので、mの候補は100、10、1 で、さらにx=n+mが3桁の自然数であることから、mの候補は100になります。

したがって、xの候補は112、121です。

以上をまとめると、xの候補は211、121、112です。

ここで、n=99とすると、
・x=211の場合
m=211-99=112
で、
a=18
b=4
から、
c=18+4=22
になり、[手順]でできる数cが2つ以上あることが判りました。

・x=121の場合
m=121-99=22
で、
a=18
b=4
から、
c=18+4=22
になり、[手順]でできる数cが2つ以上あることが判りました。

・x=112の場合
m=112-99=13
で、
a=18
b=4
から、
c=18+4=22
になり、[手順]でできる数cが2つ以上あることが判りました。

以上から、[手順]でできる数cが2つ以上あり、そのうちの1つが4となるxは 211、121、112 です。


目先が変わっていて面白い問題です。

平成29年度都立高校入試問題(14)【西高】

2017-05-29 14:08:40 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

天気のいい日が続き今日の最高気温は28℃に達するようです。さらに明日は30℃超の真夏日の予報で、熱中症に気をつけて過ごしましょう。

さて、今回は平成29年度都立高校数学入試問題を取り上げます。

問題は、西高で出題された大問1の最短距離の問題で、それは、
「下の図1に示した立体は、頂点がO、底面が15cmの線分ABを直径とする円、母線の長さが30cmの円すいである。
 2点C、Dは母線OB上にあり、OC=CD=DBである。
 点Pは母線OA上を動く点である。
 図のように点Cから点Pを経由して点Dまでひもをかける。
 ひもの長さが最も短くなるように点Pをとるとき、ひもの長さは何cmか。
 ただし、ひもの伸び縮みや太さは考えないものとする。」
です。

▲図1.問題図

早速図2のように、問題図に与えられた条件を書き入れましょう。


▲図2.与えられた条件を書き入れました

ここでは、点Cから点Pを経由して点Dに到る最短距離を求めるわけですが、このような場合には展開図を描いて、その平面上で始点と終点を結んだ直線の長さを求めれば、それがが最短距離になります。

そこで、与えられた円すいの側面の展開図である扇形を調べましょう。

図3のように、円すいの母線の長さは30cmなので、側面の扇形は直径60cmの円の一部になり、さらに底面の円周の長さ、つまり扇形の円弧の長さは15πcmなので、扇形の中心角(∠BOB’)は15π/60π×360°=90°です。


▲図3.与えられた円すいの側面の展開図です

あとは、△OCDに三平方の定理を適用すると、

が成り立ち、これに、OC=10cm、OD=20cmを代入して、

から

です。

以上から、ひもが最も短くなるときのひもの長さは 10√5 cm で、これが答えです。


簡単な問題です。

約数の個数と和と積

2017-05-28 12:48:21 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、自然数の約数の個数と和と積についてです。

ここでは自然数を12として調べていきましょう。

12の約数は、1、2、3、4、6、12で、その個数は6個、約数の和と積はそれぞれ28と1728です。

初めに、

と素因数分解して、それぞれの素因数について、その指数を0まで減じたものの和、つまり、


の積Sをつくると、

になります。

ここでSを展開すると、

となり、Sは12の約数の和になっていることが判ります。

また、Sを展開して現われた項は12の約数なので、この項数が約数の個数になります。

つまり、12を素因数分解したときの2と3の指数に1を加えたものがそれぞれの項数になり、それらの積

が全ての項数で、これが約数の個数になります。

最後に、約数の積Pをつくり、これを変形すると、

となり、Pは12の約数の個数の1/2乗になることが判ります。

以上の約数の個数と和と積の関係はすべての自然数で成り立ちますが、このように具体例を記憶に留めておくとよいでしょう。

インターネットを利用して勉強しましょう

2017-05-27 11:38:38 | 勉強のやり方
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

中間試験が終わった中学、高校では、既に新しい単元の授業が始まり、高2の塾生は国語の授業で取り上げられる「山月記」の語彙を調べていました。

「山月記」は中島敦の短編小説で、中国の説話を題材にしているためか、出てくる語彙の読み方が難しいものが多いのですが、以前であれは読み方の分からない漢字があった場合、漢和辞典で調べるしかなかったのが、今はインターネットで簡単に調べることができるようになりました。

さらにインターネット上には、数多くの解説があり、おまけに朗読まで聴くことができるなど素晴らしい学習環境が整っています。(20分間ほどの江守徹氏の朗読に聴き入ってしまいました)

これらを上手く利用して楽しく勉強するとよいでしょう。

√5の求め方

2017-05-26 14:12:42 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

高校数1の中間試験勉強のなかで、√5の概数を使う問題が出てきました。

「富士山麓オウム鳴く」の語呂合わせを知っていれば、√5=2.2360679・・・と一件落着なのですが、これを知らなくても開閉法などいろいろな方法で√5を計算することができます。

そこで、ここではヘロンの近似式を紹介します。

ヘロンの近似式は、

のとき

さらに、

のとき

というものです。

早速、これを使って√5を計算してみましょう。

まず、
a=2、b=1とすると、

になり、小数点第1位まで一致しました。

少し物足りないので、
a=9/4、b=1/16とすると、

になり、小数点第3位まで一致しました。

ヘロンの近似式は簡単な式なので、開平法の計算手順を忘れてしまいがちな人にはいいかもしれません。

定期考査の勉強方法

2017-05-25 13:24:45 | 勉強のやり方
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

中学の中間試験結果が出揃ってきて、昨日は中2の塾生の数学テストを見直しました。

不正解だった問題のうち、正解できる問題の合計点が16点、学校で使っている問題集と同じ問題の合計点が8点といった具合です。

中学の定期考査では事前に教科書と傍用問題集の出題範囲が明らかにされるので、その範囲を「しっかり」勉強しておけば90点前後の得点が可能です。

つまり、この塾生の場合、24点分の「しっかりさ」が足りなかったわけで、具体的には傍用問題集を2回足らず(提出するので1回はやらなくてはなりません)演習したといったところでした。

それでは何回やればよいのかということになるのですが、一つの目安として、問題を見たら解答をすらすら書けるまでといったところでしょう。、

2年前に都立トップ高に進学した生徒(中学3年間学年1または2番でした)は、教科書を徹底的に勉強していて、国語の脚注にある文言も覚えていたそうです。

答案を返してもらったら、是非、教科書と傍用問題集にある問題で正解できなかったものを調べてみてください。

そうすることで何が足りなかったのか明確になり、次回の定期考査でそれを対策すれば、成績は確実に上がります。

頑張ってください。

TVドラマ「刑事7人」

2017-05-24 13:07:40 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、つい先程の出来事についてです。

教室の掃除の後、赤青二色鉛筆を買いに出て、その足で昼の弁当を買いに滝山中央名店会に戻ってきたところ、随分昔(昭和40年代)に見て以来の大勢の人出にびっくり。

何人かの人がプラカードや横断幕を持っていたので、これは昨日衆院を通過した「テロ等準備罪」の反対デモだなと思ったのですが、プラカードに書いてあるのは、「建設反対」とか「再開発反対」とか、どうやら「テロ等準備罪」とは関係ないようで。(確かに、滝山中央名店会と全国的な案件のデモはマッチしませんが)

すると滝山中央名店会を再開発してショッピングセンターでも造るのかと思いきや、知り合いのお茶屋の人が、テレビ朝日の「刑事7人」というTVドラマのロケだよと教えてくれました。

その主役は東山紀之さんだそうで、東山さんも来ているのと尋ねると、上を指して屋上を走りまわっていると教えてくれたので、暫く屋上を見上げていたところ、犯人らしき人を追っかけているシーンを見ることができました。(リハーサルと本番の2回)

放映は7月ということで、見逃さないようにします。

原子記号のはなし

2017-05-23 14:30:50 | 理科の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

中2の理科では原子記号を勉強していて、生徒たちはそれらを覚えるわけですが、塾生を見ていると原子記号の暗記はそれほど苦行ではないようです。(水素からカルシウムまでといくつかの金属原子の合計25種ですが)

実際、「水兵リーベ~」などの語呂合わせと演習数回で、勉強時間にすると1時間前後で覚えてしまいます。

これらの中2生が暗記しているアルファベットで構成された原子記号を考案したのは、スウェーデンの化学者ベルセリウスで、それは1813年頃のことです。

それ以前には、イギリスの化学者ドルトンが、その著書 “A New System of Chemical Philosophy” (1808年)で、下の図のような、図形を用いた原子記号を発表しています。


▲図.ドルトンの発表した原子記号

図の上段の左から
水素、窒素、炭素、酸素、リン、硫黄、(不明)、(不明)

中段の左から
ナトリウム、カリウム、ストロンチウム、バリウム、鉄、亜鉛、銅、鉛

下段の左から
銀、プラチナ、金、水銀
になるようです。

ドルトンの原子記号は、覚えるのはともかく、書くのが大変そうです。

人称代名詞のはなし

2017-05-22 12:47:23 | 英語の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

中1の英語でしっかり覚えておかなければならないことの一つに、下の表に示した人称代名詞があります。


▲表.人称代名詞

この表の複数、3人称の “they” をOALDで引いてみると、
1. people,animals or things that have already been mentioned or are not easily identified (すでに言及されたか簡単に同定される(複数の)人、動物または物)

2. used instead of he or she to refer to a person whose sex is not mentioned or not known (性別が述べられていないか分からない1人の人に言及するのに “he” や “she” の代わりに用いられる) 

そして例文には、
“If anyone arrives late they’ll have to wait outside.” (もし、誰か遅れて来たら、その人は外で待たなくてはならないだろう)

3、4は省略
とあります。

1はお馴染みの複数、3人称の “they” ですが、2は “he” や “she” の代わり、つまり、単数としても使われるということです。

この単数の “they” の用法は、古くからあったようで、堀田隆一著「はじめての英語史」に詳述してあります。


興味のある人は読んでみてください。

中1の皆さん、期末試験に向けて頑張りましょう

2017-05-21 11:27:09 | 勉強のやり方
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今春中学に進学した生徒の皆さんにとって初めての定期考査が終わりましたが、どんな感じでしたか。500点満点で400点以上とれて、大したことないと感じている人も少なくないと思いますが、侮ってはいけません。

次の期末試験以降、試験問題がどんどん難しくなっていって、平均点が下がっていきます。

中1生の典型的な得点推移は、下の図のように、1学期期末、2学期中間でぐっと下がり、2学期期末もしくは3学期学年末で底を打つといった感じで、これで学年のなかでの順番が確定すると言った按配です。


▲図.中1生の得点推移(イメージ)

1学期の中間で450~500点の生徒はこの落ち込みが少なく、中学3年間、学年トップクラスに居続けることが多いのですが、350~400点の生徒はこの落ち込みが大きいことが多く、500点満点で200点を割り込む生徒もいます。

中1の皆さんは、1ヶ月半後の期末試験に向けて頑張ってください。

中間試験に出題された問題(中2数学)

2017-05-20 13:08:09 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

中2の塾生が持ってきた数学の中間試験問題に、2000年数学オリンピック予選の問題が出題されていました。

問題は、
「3a+5b (ただし、a、bは0以上の整数)の形で表せない自然数の最大値を求めよ。」
というものです。[答えは7です。詳細は日本数学オリンピックの簡単な問題(85)

日本数学オリンピックといっても予選の2番ですからそれほど難しくはないのですが、残念ながら、その塾生は分からなかったそうです。

まあ、他の計算問題や文字を利用した問題は概ねできたようなので本人は至極満足していましたが、このような問題もコツさえ掴めば直ぐにすらすら解けるようになるでしょう。

線分図を描こう

2017-05-19 13:05:24 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

近くの中学校(私の母校です)の中間考査は今日でお仕舞いで、それに代わって、高校の中間考査が始まりました。という訳で、明日、明後日も塾生が来る(と思う)のですが、定期考査などに無縁でも、しばしば土曜日に来塾する勉強好きの小5生がいます。

その塾生は頻繁に来塾するので、当然のことながら先取り学習の状況で、今は小5の後半で勉強する「割合」を修了するところです。

「割合」は、中学生でもしっかり理解できていない生徒が多いような小学算数の難所の一つで、この塾生も初めのうちはちんぷんかんぷんだったようですが、近ごろはすらすらと下にあるような線分図を描いて涼しい顔をしています。


▲線分図例.問題「ゆき子さんの家の近くの洋品店で、安売りをしています。ゆき子さんのお母さんは、定価1500円のシャツを20%引きで買いました。このシャツを何円で買ったのでしょうか」(小5算数教科書の例題(改))

どうやら上手く「割合」の関門をくぐりぬけることができたようです。

「割合」に限らず、文章題に対して線分図を描いて(描かせて)みると、その理解度がはっきりします。大いに線分図を描きましょう。

立体図形のはなし

2017-05-18 12:38:01 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

小5の塾生が、100点満点だった立体の体積のテストを嬉しそうに見せてくれました。当初、単純な立方体や直方体の体積を求めることはできたのですが、へこんだり飛び出したりした部分がある立体図形については、そのイメージを掴み難かったようです。

このあと、立体図形は小5の終わりに角柱と円柱を勉強し、その後中学校でより詳しく扱うことになります。そして都立高校入試でも出題されるのですが、平均的な中3生はかなり難しく感じるようです。

この原因の一つとして、立体図形に馴染みが薄いことを挙げることができますが、これには下図のように、工作用紙などで実際に立体図形を作ってみるのが効果的です。


▲図.塾生が作った立体図形です

図の立体図形は小4の塾生が作ったもので、左から正四面体、円錐、正四角錐です。このなかでも円錐の工作はなかなか難しいもので、興味がある人は作ってみてください。

「式の計算」に潜む『悪魔』(中2数学)

2017-05-17 12:14:58 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今週末から中間考査が始まる中学校が多く、中2の数学では「式の計算」が試験範囲です。

この「式の計算」で十分気をつけなければならないのが、( )や分数式の前の『-』(マイナス)で、教室ではこれを『悪魔』と呼んでいます。

例えば、

の計算で、
 
とするところ、

とミスします。

さらにこれが厄介なのが、計算をやり直すと正答を得るという点で、そのため、多くの生徒はこれを「ケアレスミス」(実はケアレスミスなどというものはないと考えているのですが)と片付けてしまいます。ところが、このような計算ミスの頻度は想像以上に高くて、数学の成績が平均以上の生徒でもおよそ10%前後といったところです。(是非、50問くらい計算して調べてみてください)

こうなると「ケアレスミス」とはいってられなくて、原因をはっきりさせて対策することが必要です。

まず、計算ミスの原因ですが、上記の分数式の計算では、2番目の分子のaの項を計算するとき、分数の前の『-符号』、通分のための『2』、aの係数の『2』の3つの情報を頭のメモリーに格納して計算処理します。(多くの場合、この段階ではミスしません)

そして問題が起こるのはbの項を計算するときで、分数の前の『-符号』への意識が薄れ、符号が反転する計算ミスが発生します。(元々3つの情報を頭に入れて計算処理することは頭への負荷が大きいです)

そこで、このような計算ミスの対策ですが、( )や分数式の前の-を見たらぐっとブレーキを踏んで計算スピードを落とすことで、上記の例では、

のように、( )を使う1ステップを導入すると頭の負担が大いに軽減されて計算ミスがなくなります。

簡単なことですが、なかなかブレーキを踏める生徒は少なく、多くの生徒がカーブを曲がりきれなくて事故を起こします。( )と分数の前の『-』を見たら『悪魔』がいると考えてください。