ゆっくりと降りる光だ さんざめくダイヤモンドダスト、シーユー ・
斉藤そよ(photover)
「ダイヤモンドダスト」の形容に「さんざめく」が使われたのは初めて見ました。
「さんざめく」の語感はなんとなく静謐なイメージもあり(「さ」行の効能でしょうか)、不思議に合います。
初二句も、ダイヤモンドダストの運動に似合っていますね。
迷ったのが「シーユー ・」です。
その直前に読点があるので、三・四句と繋がる語だとは分かるのですが、誰に向かっての言葉なのか。
普通に読めばダイヤモンドダストに対してですが、この歌に登場していない誰かに言っている可能性もある。
最後の「・」も意味深です。
シーユー・アゲイン、・ネクストウィークなど時勢にかかわる言葉が続きそうなところを、まるでぶった切るように唐突に終わっている。
色々と深読みができそうです。
でもこれは、無理に読み込むお歌じゃないですね。
むしろすっと読んで、その涼しげな輝きを胸の上で転がして楽しむのが、正しい読み方のような気がします。
ここまで無理に読み込んできて、いまさら言うのもなんですが。
中村の趣味だとお思いください。
斉藤そよ(photover)
「ダイヤモンドダスト」の形容に「さんざめく」が使われたのは初めて見ました。
「さんざめく」の語感はなんとなく静謐なイメージもあり(「さ」行の効能でしょうか)、不思議に合います。
初二句も、ダイヤモンドダストの運動に似合っていますね。
迷ったのが「シーユー ・」です。
その直前に読点があるので、三・四句と繋がる語だとは分かるのですが、誰に向かっての言葉なのか。
普通に読めばダイヤモンドダストに対してですが、この歌に登場していない誰かに言っている可能性もある。
最後の「・」も意味深です。
シーユー・アゲイン、・ネクストウィークなど時勢にかかわる言葉が続きそうなところを、まるでぶった切るように唐突に終わっている。
色々と深読みができそうです。
でもこれは、無理に読み込むお歌じゃないですね。
むしろすっと読んで、その涼しげな輝きを胸の上で転がして楽しむのが、正しい読み方のような気がします。
ここまで無理に読み込んできて、いまさら言うのもなんですが。
中村の趣味だとお思いください。
除光液にマネキュア落とし明日よりはふたたび愛を語らぬ戦士
橘 みちよ(夜間飛行)
主体の静かな覚悟と緊張感が伝わってきます。
「明日よりは」から、歌われている時刻は夕方から夜にかけてと推測します。
その暗闇と「除光液」、さらには明日から始まる光(希望)のない戦いの予感が呼応します。
ただ、上の句の読みにちょっと迷いました。
「マネキュアに除光液落とし」ならば分かりやすいのですが、「除光液」に「マネキュア」を「落と」す。
まず思い浮かぶのは、器に汲んだ除光液に、マネキュアを1,2滴落とす。
場面としてはおもしろいですが、「だから?」となって、下の句につながりません。
次に考えたのは、除光液を塗って普段の爪に戻していた指先に、再度マネキュアを塗ったという解釈です。
これなら下の句の「ふたたび」につながるし、風景も見えてきます。
ただ、マネキュアを指につけるとき「落とす」という形容をするのか?
お化粧関係には詳しくないんですが、確か小さい刷毛のようなもので塗っていた気がします。
そう考えると、この読みも違うかなあ。
違う読みをされた方、教えてください。
橘 みちよ(夜間飛行)
主体の静かな覚悟と緊張感が伝わってきます。
「明日よりは」から、歌われている時刻は夕方から夜にかけてと推測します。
その暗闇と「除光液」、さらには明日から始まる光(希望)のない戦いの予感が呼応します。
ただ、上の句の読みにちょっと迷いました。
「マネキュアに除光液落とし」ならば分かりやすいのですが、「除光液」に「マネキュア」を「落と」す。
まず思い浮かぶのは、器に汲んだ除光液に、マネキュアを1,2滴落とす。
場面としてはおもしろいですが、「だから?」となって、下の句につながりません。
次に考えたのは、除光液を塗って普段の爪に戻していた指先に、再度マネキュアを塗ったという解釈です。
これなら下の句の「ふたたび」につながるし、風景も見えてきます。
ただ、マネキュアを指につけるとき「落とす」という形容をするのか?
お化粧関係には詳しくないんですが、確か小さい刷毛のようなもので塗っていた気がします。
そう考えると、この読みも違うかなあ。
違う読みをされた方、教えてください。
(蝶っぽい)フーッと伸びたくるくるがしゅるっと戻るアレないですか
穴井苑子(猫のように純情)
一読して好きになりました。
丸々会話調で短歌をつくるって、意外に難しいのです。
僕も何度か挑戦しましたが、ダメでした。
どうしても説明っぽくなったり、文法がそろったりしてわざとらしくなるんです。
この歌では、
「フーッと(息を吹き込むと)くるくる(したものが)伸び(て、それが)しゅるっと戻る」
そう表現したいところを、わざと舌足らずにして、単語の配置も置き換えている。
それによって、店頭でもどかしげに説明している主体の焦りが、リアルに伝わってきます。
また、擬音がそのままタイポグラフィーのように形を表しているのも楽しい。
「フーッ」が、あの「くるくる」がピーンと伸びたように、
「る」が、それが幾重にも丸まっているように見えます。
正直、ここまできたら初めの( )も無くして、全編もどかしげな説明調で迫ってほしかったなあ。
まあ、このへんは完全に好みの問題ですが。
あるいは、この「(蝶っぽい)」は主体の言葉ではなく、第三者の囁きなのでしょうか。
だとすれば、また違った読み方が出てきますね。
それにしても「アレ」、なんていう名前でしたっけ?
穴井苑子(猫のように純情)
一読して好きになりました。
丸々会話調で短歌をつくるって、意外に難しいのです。
僕も何度か挑戦しましたが、ダメでした。
どうしても説明っぽくなったり、文法がそろったりしてわざとらしくなるんです。
この歌では、
「フーッと(息を吹き込むと)くるくる(したものが)伸び(て、それが)しゅるっと戻る」
そう表現したいところを、わざと舌足らずにして、単語の配置も置き換えている。
それによって、店頭でもどかしげに説明している主体の焦りが、リアルに伝わってきます。
また、擬音がそのままタイポグラフィーのように形を表しているのも楽しい。
「フーッ」が、あの「くるくる」がピーンと伸びたように、
「る」が、それが幾重にも丸まっているように見えます。
正直、ここまできたら初めの( )も無くして、全編もどかしげな説明調で迫ってほしかったなあ。
まあ、このへんは完全に好みの問題ですが。
あるいは、この「(蝶っぽい)」は主体の言葉ではなく、第三者の囁きなのでしょうか。
だとすれば、また違った読み方が出てきますね。
それにしても「アレ」、なんていう名前でしたっけ?