はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

鑑賞サイト2008(011:除)

2008年03月18日 18時58分09秒 | 題詠100首 鑑賞サイト
除光液にマネキュア落とし明日よりはふたたび愛を語らぬ戦士
                           橘 みちよ(夜間飛行)

 主体の静かな覚悟と緊張感が伝わってきます。
 「明日よりは」から、歌われている時刻は夕方から夜にかけてと推測します。
 その暗闇と「除光液」、さらには明日から始まる光(希望)のない戦いの予感が呼応します。
 ただ、上の句の読みにちょっと迷いました。

 「マネキュアに除光液落とし」ならば分かりやすいのですが、「除光液」に「マネキュア」を「落と」す。
 まず思い浮かぶのは、器に汲んだ除光液に、マネキュアを1,2滴落とす。
 場面としてはおもしろいですが、「だから?」となって、下の句につながりません。
 次に考えたのは、除光液を塗って普段の爪に戻していた指先に、再度マネキュアを塗ったという解釈です。
 これなら下の句の「ふたたび」につながるし、風景も見えてきます。
 ただ、マネキュアを指につけるとき「落とす」という形容をするのか?
 お化粧関係には詳しくないんですが、確か小さい刷毛のようなもので塗っていた気がします。

 そう考えると、この読みも違うかなあ。
 違う読みをされた方、教えてください。