はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

鑑賞サイト2008(004:塩)

2008年03月08日 14時44分11秒 | 題詠100首 鑑賞サイト
粗塩を揉みこみながら思ひ出す大きな手をしていたひとのこと
                    空色ぴりか(美利河的題詠百首)

  「揉みこ」むという動作から、夕食用の肉塊に塩を塗しつけているのでしょうか(お腹の脂肪に、という読み方もありますが、ちょっとねえ…)。
  その作業中、ほんのちょっとした触感から、ある人のことを思い出す。
  この場合、あの人の「大きな手」ならこの作業も簡単にできるな、と思ったのではなく、その人自身の「手」の手触りがよみがえったと読むべきでしょう。

  その手の持ち主を恋人と読むこともできますが、僕は父親ではないかと思います。
  「していた」と過去形を用いているので、ひょっとして故人なのかもしれません。
  遠い昔に握って歩いた手の感触が、料理という日常の動作からふっとよみがえる。
  それをやさしく懐かしむ気持ちが、後半のひらがなの連なりで表現されています。

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2 コメント

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どもありがとうございます! (空色ぴりか)
2008-03-08 16:54:11
私の歌をよんでくださってありがとうございます。肉かー,おもしろいーと思いました。ひょっとして中村さんてアウトドア派?

塩をもみこむ作業=>手をおもいだす というのは,いわゆる「つきすぎ」かなーとびびりながら出した ので,勇気をいただいたきがしてうれしかったです。
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空色ぴりかさんへ (中村成志)
2008-03-08 17:33:57
あ、肉じゃなかったですか?(オロオロ)
思いこみが激しいもので、トンチンカンな読み方をしてしまうことがよくあるのです。お許しくださいー。

アウトドアは確かに好きですが、野外で肉に下味を付けるなんてめんどくさいことはできません。たいていはレトルト食品で。
はい、けっこう無精なんです。

これに懲りずに、また遊びに来てくださいね。
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