夕立がにおいも消した ついさっき君と歩いた道はもうない
(かっぱ) (きゅーりをこのむ)
ふと景色に目をやり、となりを歩いていた人にすぐ目を戻した
とき、すでに顔が判じがたいほど暗さが増している。
世界が別の世界に移行してしまう時間帯。
西洋では「トワイライト」、日本では「逢魔が刻」。
放っておいても消えていくはずの旧世界に、ほんのひとときの
夕立がとどめを刺した。
後ろに伸びているはずの道を振り返らなくても、主体にはそれ
が解ったのでしょうか。
----------------------------
砂利道をならさぬように靴を脱ぐそれだけ夜空は高いところへ
(末松さくや) (旅人の空(待ち人の雪別館))
「ならさぬように」は「鳴る」と「均(なら)す」の二つの意味が込
められているように思います。
ほんの少しの音、または地形の変化も見逃さぬほど、今夜の
空は澄みきって高い。
そんな夜空にかろうじて対応できるのは、生まれ持った素足
だけ。
あらゆる理屈を超えてそれを理解した主体は、そっと靴を脱い
だのでしょう。
----------------------------
歩道橋 錆びた手すりに耳をあて 極秘の通信している少年
(幸くみこ) (そこそこがんばる)
やりましたねー、この遊び。
錆の匂いのする歩道橋を小石で叩いたり擦ったりすると、反対
側で耳を当てていた友達が
「聞こえる聞こえる!」
と大声ではしゃぐ。
ときどき、ひとりで手すりに耳を当てていても、様々な音が聞こ
えてきました。
車の振動、歩行者の足音、それからどうしても説明できない不
思議な物音…。
未知の生命と「極秘の通信」をしていたのかもしれません。
個人的には、2つの文字あけは無くても大丈夫かな、と思いま
した。
(かっぱ) (きゅーりをこのむ)
ふと景色に目をやり、となりを歩いていた人にすぐ目を戻した
とき、すでに顔が判じがたいほど暗さが増している。
世界が別の世界に移行してしまう時間帯。
西洋では「トワイライト」、日本では「逢魔が刻」。
放っておいても消えていくはずの旧世界に、ほんのひとときの
夕立がとどめを刺した。
後ろに伸びているはずの道を振り返らなくても、主体にはそれ
が解ったのでしょうか。
----------------------------
砂利道をならさぬように靴を脱ぐそれだけ夜空は高いところへ
(末松さくや) (旅人の空(待ち人の雪別館))
「ならさぬように」は「鳴る」と「均(なら)す」の二つの意味が込
められているように思います。
ほんの少しの音、または地形の変化も見逃さぬほど、今夜の
空は澄みきって高い。
そんな夜空にかろうじて対応できるのは、生まれ持った素足
だけ。
あらゆる理屈を超えてそれを理解した主体は、そっと靴を脱い
だのでしょう。
----------------------------
歩道橋 錆びた手すりに耳をあて 極秘の通信している少年
(幸くみこ) (そこそこがんばる)
やりましたねー、この遊び。
錆の匂いのする歩道橋を小石で叩いたり擦ったりすると、反対
側で耳を当てていた友達が
「聞こえる聞こえる!」
と大声ではしゃぐ。
ときどき、ひとりで手すりに耳を当てていても、様々な音が聞こ
えてきました。
車の振動、歩行者の足音、それからどうしても説明できない不
思議な物音…。
未知の生命と「極秘の通信」をしていたのかもしれません。
個人的には、2つの文字あけは無くても大丈夫かな、と思いま
した。