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「暫定」なのに
一九七八年度から始まった「思いやり予算」は、米側の負担拡大要求に日本政府が唯々諾々と応えてきた歴史でした。
在日米軍の特権を定めた日米地位協定も、米軍維持に関する「すべての経費」について「合衆国が負担する」としています。「思いやり予算」は、この規定にさえ反するものですが、政府は「地位協定で負担可能」と強弁して強行しました。
その後も米側の要求に応え、拡大を続けたため、政府の立場でも地位協定上の説明がつかなくなり、締結したのが、期間限定の特別協定でした。(八七年)
このとき政府は「暫定的、一時的、限定的な、特例的な措置」と弁明しましたが、結局、特別協定は五回も延長。七八年度で六十二億円だった「思いやり予算」は、毎年二千億円以上の規模にまで膨れ上がりました。
二〇〇八年度予算に計上されている二千八十三億円は、同予算でも強行された社会保障費の自然増からの削減額二千二百億円に匹敵します。
審議の中では自民党議員からも「米軍が駐留する国々のうちで、わが国の負担は世界一」「(増額を求め続ける米側は)全然『思いやり』だと思っていないんじゃないか」と疑問の声があがりました。
前回の延長(〇六年)で「歴史的意義を深く理解する」として賛成した民主党も、国民の批判が広がる中で、今回は反対にまわりました。
それでも政府は、今回の特別協定について「暫定的、限定的、特例的な措置として適当だと判断した」(町村信孝官房長官、三月十八日の衆院本会議)と説明。米軍のためなら、二十年間続けても「暫定的」という苦しい弁明です。
「再編」も負担
重大なのは、「思いやり予算」を続ける説明さえつかないのに、在日米軍再編の経費まで負担を拡大しようとしていることです。
沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設計画をはじめとする米軍再編は、米軍の先制攻撃戦略を支えるために、基地強化と米軍と自衛隊の一体化をはかるものです。
ローレス米国防副次官(当時)は、その日本側負担の総額が三兆円に及ぶことを明言しています(〇六年)。ところが、日本政府はいまだに負担総額を明らかにしないまま、すでに千百億円以上も支出してきました。(〇八年度予算分を含む)
米国に忠誠を示すためなら、国民の命を脅かす米軍基地を支えるためでも、国民への説明がつかなくても、総額を示さなくても構わない―。こんな福田・自公政権の姿勢に、国民の批判が強まることは避けられません。 (引用 しんぶん「赤旗」08年4月3日)
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基地の縮小・撤去こそ
2006年1月に米兵に妻を殺害された山崎政則さんは、「人間を人間と思わずに殺すことになんのためらいもない、人殺しの訓練を受けた者しかできない殺し方(横須賀市でのタクシー運転手刺殺事件)です。米兵犯罪が続くならば米兵を基地からださないでほしいし、米兵犯罪をなくすには基地をなくす以外ない」と思いを語っています。
そうです、イラクやアフガンに出撃する米軍基地は日本にいりません。憲法9条をもつ日本に似つかわしくありません。米軍基地がなければ、際限なく続く税金のムダ「思いやり予算」などというものもいりません。
日米安保条約の廃棄こそ、アメリカに忠誠の異常な国、日本の真の独立の道です。