気ままに

大船での気ままな生活日誌

二見彰一展

2011-07-25 15:01:22 | Weblog

八雲神社のお神輿巡行をみて、ぼくは巨袋呂坂洞門を抜けてすぐの、神奈川県立
近代美術館鎌倉別館の前に出た。今、ここで、二見彰一展をやっている。
この作家については何の知識がなかったが、ブルーを基調としたポスターの版画絵に
惹かれて、入場した。

いきなり、暗いブルーの版画絵がずらり。近づいて、目を凝らさないと、何が描いて
あるのかわからない。深い海の底のようだな、と思っていたら、実際、そういうテーマの
絵がいくつもあった。海の星、深海のエピソード、海のパストラル、海のソネット、深海魚、等々。

十億光年向こうの宇宙のようだなと思ったら、実際そういうテーマの絵があった。
星の音、星たちのアルベジオ、等。心の奥のようだなと思ったら、実際そういう
テーマの絵があった。心の部屋、記憶の中で、等。

暗いブルーの背景に浮かぶものは、抽象的な図形や線が多いがときどき、
瓶や椅子や花や楽器が入っている。でもそれがメインテーマというわけではなく、
線や図形と同じ、ONE OF THEMなのだ。
著者のメッセージのパネルが会場にいくつか架かっているが、こんな言葉があった。
”銅版画をはじめるようになってから、私は音楽的イメージを作品にしたいと思った、
ひとつの音が組み合わされ、ひとつの曲ができるように” 
だから、椅子やホルンは一つの音符あるいは一小節にすぎないのだ。

そういえば、100点もの作品が展示されているが、その中には、音楽のように
リズミカルな作品がいくつもある。基調は深いブルーだから、その音楽は、
ぼくらの心の奥にある、深い海や宇宙の中で秘やかに響くのだ。

音楽だけではなく、詩のリズムが彼の作品に入りこんでいる。”八木重吉の十一の詩と
二見顕一の銅版画十葉”が展示されているが、それぞれの詩が、二見彰一の”挿絵”と、
あるときは悲しげに、あるときは軽やかに共鳴している。でも、ここではブルーが
消えている。いくつか、そういう作品もある。それはそれでブルーを見慣れた目でみると
とても新鮮だ。

広重ブルー、巴水ブルーを好むぼくは、二見ブルーがすっかり気に入ってしまった。
もちろん図録も買った。神奈川県立近代美術館は約250点の二見彰一作品を
所蔵しているという。またの展覧会を楽しみにしていよう。

 

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