気ままに

大船での気ままな生活日誌

和様の書

2013-08-09 10:06:02 | Weblog
トーハクで開催されている”和様の書”展は、見所満載だった。中国から入ってきた水墨画が等伯らによって和様化されたように、書も同様に和様化され、日本的美意識をベースに進化した。その道筋を教えてもらえる展覧会だった。

まず、いきなり現れた、ぼくのお気に入り、光悦・宗達コラボの”鹿下絵和歌巻断簡”。五島美術館でも観たもの。まさに和様の書のトップバッターに相応しい。第1章は書の鑑賞ということで、字のうまいへたは抜きにして(笑)、歴史上の人物の書簡なども見せてもらえる。ぼくはこういう墨跡は大好き。今回も、信長が15歳の与一郎(のちの細川忠興)に片岡城一番乗りの功名を簡潔に讃えた手紙を見ることができた。通常、代筆が多く、このように信長自身の字はめったい見られないという。いかにもという字を書く(爆)。秀吉のおね宛ての手紙には、生まれた子の名はひろいとするようにという内容。家康は、孫の千姫の侍女であるちよほに宛てに、不憫な孫への心情を綴っている。それぞれ、”字は人なり”が現れていて面白い。

そして今回の目玉のひとつ、四大手鑑。全部、国宝というからすごい。画帖に書の断簡がアルバムのように貼りつけてある。それぞれの書はよく分からないので、料紙を含めた全体美を鑑賞して、所蔵元に関心を移した(汗)。リストを見たら、藻塩草が京博、そして、残りは、MOA、出光、京都陽明文庫とある。うん、なるほど。陽明文庫は、後述の”御堂関白記”も出展している。ほほお、さすが近衛家と感心する。

そして、第二章 仮名の成立と三蹟。ここでの目玉は、ユネスコ”世界記憶遺産”に登録された藤原道長の自筆日記”御堂関白記”。20年以上続けた日記というからすごい。ぼくのブログも、今日から8年目に入るが、20年を目標にしよう、と決意したのであった(汗)。ぼくのような只の人ではなく、摂政太政大臣の日記だから価値はゼンゼン違う。めったに見られないものをみせてもらった。2008年の”宮廷のみやび/近衛家1000年の名宝”展でもみてますがね。

そして、三蹟。まさに、和様の書の大成者たち。小野道風、藤原佐里そして、藤原行成。よく分からないから、こういう字が超一流の字なのかと思いながら眺める。佐里の書で残っているのは詫び状ばかりというのも面白かった。イイね、サリー。

さらに、最近発見されたという、今回の目玉展示のひとつ、最古級の仮名が書かれた藤原良相邸跡出土墨書土器(平安時代・9世紀)も見逃せない。

第三章は信仰と書。ここにぼくが個人的に関心をもっていた”一品経懐紙/西行筆”がある。祇園祭のとき京博で、この帖装の表紙の裏に貼られたという土佐光起の”紅葉図”を見てるんで、是非、みたかった。紅葉絵の華やかさなないが、先月と合わせ、セットで見られたのは嬉しい。この日が最終展示日だったノダ。、国宝、平家納経もここに。これもあちこちで部分部分を拝見している。国宝、扇面法華経冊子もここ。扇に写経することも功徳があると考えられていたとのこと。

第4章は高野切と古筆。高野切は、平安時代後期の”古今和歌集”の写本の通称。ここでは、仮名の代表選手として、いくつも展示されている。最古の写し本である、古今和歌集(元永本;藤原定実筆)は、第5章、世尊寺流と和様の展開に。そして、光悦筆”四季草花下絵和歌巻”もここ。色変わりの料紙に、宗達派による桜、藤、秋草、そして大きな下弦の月、千鳥の群れ等が描かれたうつくしい四季の風景。その上に、光悦筆の”千載和歌集”からの歌25首が散らし書き。素晴らしい。

あれれ、この感想文、光悦・宗達からはじまって光悦・宗達派でおわることになった。光悦好きだからすっかたがなかんぺさ。





今日はこれから、上野か東京。そして夕方は三鷹で小学校時代の仲間たちと暑気払い。忙しい一日になりそうだ。午前様にならぬよう気をつけねば。
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ぼんぼり祭の夕

2013-08-09 07:07:14 | Weblog
ぼんぼり祭の風情は、やっぱり雪洞に灯が入る夕方。午後5時から舞殿前で海上自衛隊横須賀音楽隊の吹奏楽演奏もあるというので、それに間に合うようにワイフと待ち合わせた。

源氏池の前で待っていた彼女が、池の向こう岸に目を凝らしている。なんだと思ったら、カワセミをみつけたんだと言う。そのうち、ひらりと舞い上がり、水上に急降下、ご自慢の翡翠色の羽根を翻した。ここで観たのは初めて。うれしいひとときだった。でも、遠すぎて、ぼくのカメラでは十分に捉えることはできなかった。

舞殿では、すでに、初めの演奏が始まっていた。本殿に昇る石段には大勢の聴衆が。ぼくらも最上段まで登り、吹奏楽の夕を楽しんだ。メリーポピンス、サウンドオブミュージックから私のお気に入りと続き、情熱大陸のテーマ、そしてEXILEの”道”は、二人のボーカル付きで。しみじみとした歌唱だった。あの震災の日に真っ暗な夜を(南三陸の)学校で過ごし生徒たちがこの「道」を歌って励まし合ったという。そして、ひばりのメドレー。拍手が鳴りやまず、アンコールで軍艦マーチ。



そして、しばらくして、巫女さんによる灯入れがはじまる。










すべてのぼんぼりが灯る







灯ったぼんぼりは一段と映える

一本松

堀口すみれ子さん










帰りは蕎麦屋で一杯。
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