ゴエモンのつぶやき

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障害者の旅支え30年 春口さん一家4人 列車「ひまわり号」

2014年11月13日 01時58分57秒 | 障害者の自立

 障害者と家族、ボランティアが列車を借り切って旅する「ひまわり号」が多摩地区で初めて走ってから三十年。まだ障害者の鉄道旅行が困難だった一九八〇年代に、ひまわり号の旅を実行委員会方式で開催する動きが、都内から全国へと広がった。だが最近は運営を担う人材不足もあってピーク時より半減した。そんな状況下、国分寺市では、NPO法人理事長の春口明朗(あきお)さん(71)が一家四人で、障害者の夢をつないできた。 

 JR国分寺駅を三日、ひまわり号が出発した。総勢百八十三人が長野県の諏訪湖まで日帰り旅行を楽しんだ。ことしも運営スタッフの中に、実行委員長の春口さんと、妻で会計担当の富子さん(70)、長女で事務局長の下舘愛さん(38)、次女の鈴木夢さん(36)の笑顔があった。「参加者に喜んでもらえるひまわり号は、私たちにとっても年一回の楽しみな家族旅行なんです」と春口さん。

 春口さんは小学校教諭などを勤めたころ、障害児教育に力を入れ、退職後にNPO法人「Ohana(オハナ)」を設立して、農園で知的障害者らの就労を支援している。富子さんは二十年ほど前から知的障害者のグループホームを運営している。

 夫妻は八四年十一月三日に多摩地区で九つの地域実行委が合同で初めてひまわり号を走らせた時から、現在まで運営に携わってきた。「始めたころはトイレをどうするかなど議論続きで大変でしたが、心からうれしそうな参加者の笑顔を見て続行を決意した。だれもが生き生き暮らせるまちづくりを願う私に、ひまわり号運動はぴったりと合った」と春口さんは振り返る。

 当時、八歳と六歳だった愛さんと夢さんの姉妹も、街頭でカンパ集めをする両親を手伝った。この後、毎年のように実行委を手伝い、やがて中心メンバーに。「両親の姿を見ていて、ひまわり号を手伝うのは自然なことでした」と口をそろえる。今回も事務局長の愛さんは出発式の司会をこなし、Ohana職員の夢さんは障害者と一緒に作ったお菓子を車内で販売して歩いた。

 実行委メンバーらは「国分寺でひまわり号が続いているのは、春口さん家族がいたから」と感謝を口にする。春口さんは「三十年もの間、妻と娘たちが当たり前のように力を合わせてくれたことを、うれしく思います」と笑顔を見せた。

 <「ひまわり号」> 車いすなどの障害者にとって駅の階段やトイレなどの問題から鉄道旅行が困難だった時代に、北区の北病院職員と当時の国鉄職員らが協力して1982年11月3日、障害者らを乗せたひまわり号を上野-日光駅間で初めて走らせた。翌年から全国に実行委員会方式で拡大した。

 多摩地区では84年に9つの地域実行委合同で始まり立川など4駅から乗車した747人が諏訪湖への旅を楽しんだ。

 98年には全国で延べ71本が走ったがその後、運営スタッフの後継者難などからほぼ半減したとみられる。多摩地区ではほかに立川で実施している程度だ。

「ひまわり号」のマークを手にした春口明朗さん=ひまわり号の車中で

2014年11月12日      東京新聞


障害者就労、農業と連携 県内支援事業所の取り組み例急増

2014年11月13日 01時53分56秒 | 障害者の自立

 長野県内の障害者就労継続支援事業所で、農業に取り組む例が急増していることが11日、県への取材で分かった。2009年度の37事業所が13年度までの4年間で78事業所に増加。背景には、新たな仕事の確保や賃金向上に迫られている事業所側と、後継者不足などに悩む農業者側とのニーズが合致していることがありそうだ。

 県障がい者支援課によると、雇用契約を結んで最低賃金を保証する「A型」事業所は、09年度に農業に取り組んでいた2カ所が13年度には8カ所に。養鶏や野菜・果物の生産、加工まで手掛け、県外出荷する例があるという。

 雇用はせず工賃を支払う「B型」では35カ所が70カ所に倍増。利用者の給食用に農業に取り組むほか、農産品販売や加工を拡大したり、事業所外の農地に利用者が働きに出たりする例もある。

 最低賃金が保証されないB型の平均工賃は13年度月額で1万4074円だが、農業に取り組む事業所は同1万4707円とやや高い。同課は、農産品加工で付加価値を付けて販売できるほか、原材料の仕入れにかかるコストが少ないためとみている。

 障害者就労継続支援事業所はこれまで、箱折りや縫製、部品組み立てといった下請けの仕事が多かったが、企業の海外移転などで受注が減少。また、障害者自立支援法(2006年)で施設入所から在宅への移行が進んで事業所数が増え、仕事の確保が厳しくなっている。

 09年度の農地法改正で社会福祉法人やNPO法人も農地を借りることができるようになったことも、事業所の農業進出を後押ししている。障害者の就農を支援する人材育成などに取り組むNPO法人「グリーンケアーNAGANO」(長野市)の山本宗輝理事長は「農家が事業所に農地を貸す動きが広がっている。福祉と農業の連携に関心が向き始めている」とする。

 県も本年度から農家・農業法人と事業所が農作業の請負契約を結べるよう、互いを結び付ける仕組みを設けた。障がい者支援課は「農業は、障害者の雇用拡大や賃金向上につながる」と期待している。

11月12日(水)      信濃毎日新聞

来春に向けて菜の花を植える就労継続支援事業所の利用者=11日、長野市


全盲女優だからこそ 美月さん主演 障害者楽しめる舞台

2014年11月13日 01時46分39秒 | 障害者の自立

 先天性の視覚障害があり、二十歳の時に失明した全盲の女優美月(みづき)めぐみさん(50)が所属する「演劇結社ばっかりばっかり」(練馬区)の第十五回公演「海坊主」が十四日から十六日まで、同区桜台一の「ジョイジョイステーション」で上演される。 

 美月さんは二十代から朗読劇グループで活動したが、「舞台に立ちたい。視覚障害者の役なら不可能ではない」と思い、後に夫となる演出担当の鈴木大輔さん(45)と二〇〇六年十一月、劇団を創設した。

 今回の公演で美月さんは、バーを切り盛りする全盲で芝居好きのママ役を演じ、伝説のダフ屋「海坊主」について語る。売れ残ったチケットで見た女性ばかりの歌劇団に心奪われた海坊主が、ネットの普及などで稼業が厳しくなる中、どう生き残ったのか…。回想を交えて舞台は進む。

 海坊主にエスコートしてもらう場面で、美月さんは「つえはつかまないでね」とささやき、そっとひじを差し出す。「(介助者が)白杖(はくじょう)をつかんでしまうことがあるので、誘導の仕方を知ってもらいたくて」と狙いを明かす。せりふは台本を自動点訳ソフトで点字データに変換して覚えるという。

 舞台は役者の位置を伝えるために足音を大きくし、「それ」「あれ」などの指示代名詞を使わないなど、視覚障害者に配慮。せりふを吹き出しにしてスクリーンに映し、聴覚障害者も楽しめるよう工夫する。

 鈴木さんと役者仲間の三好孝之さん(45)は初出演。「吹き出しの場所を考えながら立ち位置を決めたり、美月さんを誘導したり、普段の芝居にはない気遣いが必要」と戸惑いながらも、けいこを重ねてコツをつかんできたという。

 公演は十四、十五の両日が昼夜、十六日は昼のみ。前売り二千五百円、当日二千八百円。希望すれば会場最寄りの西武池袋線桜台駅か、都営バス練馬車庫停留所から誘導のサービスもある。問い合わせは、ばっかりばっかり=電090(3818)6424、メールotegami@bakkaribakkari.net=へ。

けいこをする美月さん(右)と三好さん。せりふが吹き出しで映し出される=港区の都障害者福祉会館で

2014年11月12日      東京新聞


障害者雇用率が改善 県内1・79%

2014年11月13日 01時43分31秒 | 障害者の自立

 二〇一三年に全国最下位だった県内企業の障害者雇用率が、一四年は改善される見通しになった。三重労働局の川口達三局長が十一日、県庁で開かれた「県障がい者雇用推進協議会」で今年の速報値を報告した。法定雇用率(2%)には達しないものの、川口局長によれば全国ワーストだった昨年の1・60%から、今年は0・19ポイント増の1・79%に上昇したという。

 六月一日時点の数値で、報告義務がある従業員五十人以上の事業所が対象。昨年の障害者雇用率は全国平均の1・76%にも届かなかった。

 川口局長は改善の要因に関して「昨年の数字が悪かったので、県内の皆さんに相当、頑張ってもらった」と話した。全国の順位を含めた数値は十一月下旬に正式発表される見通し。

 協議会は鈴木英敬知事が会長を務め、行政機関や経済・労働・障害者団体などで構成。鈴木知事はあいさつで「県民総参加で着実に障害者雇用を進めたい」と呼び掛けた。

 この日の会合では意見交換があり、障害者と企業、住民の交流を目指して十二月二十四日に開業する「ステップアップカフェ『Cotti菜(こっちな)』」に関して「モデル企業を発信する場に」「運営事業者任せにせず、まちの公民館のような使い方をすべきだ」「市場原理の中で打ち勝てる施設を」との意見が上がった。

 また、事務局の県は会合で今後の取り組み方針を報告。企業間の情報交換や協力を支援する「県障がい者雇用推進企業ネットワーク」(仮称)の構築と、個人単位による応援団「すてっぷあっぷ隊」の発足を挙げた。

2014年11月12日    中日新聞


障害者差別解消法と公共図書館――電子図書館サービスへの期待とは

2014年11月13日 01時33分38秒 | 障害者の自立

2016年4月に施行予定の障害者差別解消法は、電子図書館サービスにどう影響するのか。図書館総合展で開催されたフォーラムからお届けする。

 11月5日~11月7日にかけてパシフィコ横浜で開催された第16回「図書館総合展」。3日間の来場者数は2013年の2万9963人を超え、過去最高となる3万1632人が足を運んだという。

 会場内では、140社以上のブースで図書館に関係したソリューションや設備が展示され、90あまりのフォーラムが開催された。本記事では、最終日の7日に開催された「公共図書館の電子書籍サービスの新展開 ―障害者差別解消法と読書アクセシビリティ―」と題したフォーラムを紹介する。

障害者差別解消法の成立と電子図書館サービス

 同フォーラムは、静岡県立大学国際関係学部の教授で内閣府障害者対策委員会の委員長でもある石川准氏の講演で始まった。

 2016年4月、日本では障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)が施行される予定となっている。この法律では、障害者基本法に基づき、すべての障害者に対して障害を理由とした差別を解消し、障害の有無に関わらず互いに人権や個性を尊重し合える社会を目指すことを目的としている。

 障害者差別解消法では、差別に対して2つの類型が示されている。1つは障害を理由とした「不当な差別」、もう1つは合理的配慮の提供という作為義務を果たそうとしない「合理的配慮の不提供」だ。ここでいう合理的配慮の定義は以下のようなものだ。

障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの

 つまり、障害者の求めが過度なものでない限りは、日本政府や地方公共団体、独立行政法人、そして民間企業は対応しなければならない。民間企業の対応は努力義務とされているが、勧告などに従わなかった場合には罰則もある。なお合理的配慮は障害者自らが申し出る必要があるが、障害者の中には意思表示が難しい人もおり、今後の課題となっている。

 障害者差別解消法が施行されると、すべての公共図書館は障害のある人たちに対して合理的配慮が義務付けられる。点字図書や対面朗読といった従来の方法では、人員の面からも利用者の要求に応えることは難しくなるだろう。そこで注目されているものの1つが電子図書館サービスだ。

 石川氏は、日本点字図書館が運営する「サピエ図書館」を「日本で最も便利な電子図書館である」と紹介。サピエ図書館では点字データ16万タイトル以上、音声デイジーデータ(音声データが入ったCD-ROM)5万タイトル以上を個人会員の場合は無料で利用できる。

 しかし石川氏によると、サピエ図書館のネットワークに参加している公共図書館はわずか110館ほどだという。「サピエに施設会員として登録すれば、地域の視覚に障害を抱える人や見えづらさに悩む高齢者に対して、DAISYなどの翻訳図書を提供できる。障害者差別解消法により公共図書館は合理的配慮の義務が生じるので、こういったサービスの提供もお願いしたい」と述べ講演を終えた。

電子図書館サービスの開始に向けて、各社の動き

 石川氏の講演に続いては、電子図書館事業に取り組む各社の代表者によるパネルディスカッションが開かれ、石川氏をはじめ、メディアドゥ ライセンスビジネス部長 兼 OverDrive Japan 推進室長の星名信太郎氏、日本電子図書館サービス代表取締役社長の山口貴氏、大日本印刷 hontoビジネス本部部長の盛田宏久氏、兵庫県三田市立図書館長の前川千陽氏といった電子図書館サービスに取り組むプレイヤーが集結した。コーディネーターは、立命館大学文学部教授の湯浅俊彦氏。

 メディアドゥは5月に電子図書館プラットフォームの世界最大手、米OverDriveとの戦略的業務提携を発表。2015年4月の電子図書館サービスの展開開始に向け、現在慶応義塾大学メディアセンターと共同で、OverDrive電子図書館システムの実証実験を実施している。

 日本電子図書館サービスも、山中湖情報創造館において出版社十数社と協力し、電子書籍貸し出しサービスの実証実験を実施している。現在借りられる電子書籍は約1650タイトルほどで、出版社が協力していることもあり、従来の図書館にはないようなラインアップになっているという。

 「当社の方針は、出版社と著者と図書館の掛け橋になるというもの。図書館で起きているアクセシビリティの問題について、出版社の間で中心となって解決に向け動いていきたい」(山口氏)

 指定管理者である図書館流通センターの管理の下、8月に電子書籍サービスを導入した三田市立図書館。館長の前川氏は、サービス導入に際して市民を対象に開かれた説明会はどの回も大盛況で、11月の利用登録者数は約1000名に上ると話した。入館者も前年度の2倍にまで増加しているという。

 「視覚障害者の方々に対して対面朗読などを行っているボランティア団体の方からは、利用者が対面朗読と電子書籍の音声読み上げ機能をうまく選択できるようになるといいですねという声をいただきました」(前川氏)

 また、聴衆として参加していた立教大学図書館の職員により、同図書館の視覚障害を持つ学生に対しての取り組みも紹介された。立教大学図書館では、視覚障害を持つ学生に対して本のテキストデータや、OCRにより変換した文字データを提供している。しかし、OCRで得た文字データは文字化けなどの誤変換が多く、2人体制で校正しても、1冊の本につき完成までに半年を要するという。職員は「大学としては目が見える学生にも、目が見えない学生にも同じように資料を読んでもらいたい。今後、電子図書館サービスの供給が進むことを期待しています」と話した。

2014年11月11日 14時30分     ITmedia eBook USER