ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者といじめ問題

2013年12月03日 01時37分29秒 | 障害者の自立
 本格的に寒い季節となりました。皆さん、体調はいかがでしょうか。今年は強い寒気が日本列島に舞い降り、いちだんと厳しい冬になるという予報なので、健康には充分気をつけていきましょう。

 先々週のコラムで、進路選びでの注意点について書きました。さんざん悩んだ末にようやく進路を決め、無事、希望通りの学校に入学できたとしても、そこがすべてのゴールというわけではありませんよね。学校生活はつねに、予想もつかないトラブルととなり合わせです。

 その中でも特に親御さんの頭を悩ませる大きな問題が……「いじめ」です。

 文科省発表のデータによると、小中学校でのいじめ発生件数は近年増加傾向にあり、今や、いじめのないクラスはない、とまで言われています。障害の有無にかかわらず、多くの子どもがいじめに苦しんでいるという現状は、この20年あまりの間で変わっていないようです。

(障害者はいじめの対象になるか)

 これが、今回のメインテーマです。もっと正確な表現で言えば、(障害者であるという理由だけで、いじめの標的にされる可能性があるか)というかたちになるでしょうか。

 この問いにイエス、つまり、障害の有無がいじめに遭うリスクを左右するとこたえる人は、障害者は弱い存在だ、というのをその根拠としています。障害を持っているといじめによる暴力をはねかえす力が弱まるのだから、結果として継続的なターゲットにされてしまう。また、いじめる側も障害という弱さにつけこんで、さらなる悪質な暴力をはたらくのではないか……。

 これに対する反論としては、「いじめ無差別説」というものがあります。現代のいじめはほぼ無差別に行われており、障害のない子もターゲットにされているのだから、障害があるというだけではいじめの理由にならない。

 どちらの意見にもそれなりの根拠と正当性があるように思えますが、僕の実感としては、「いじめ無差別説」のほうが現状に近いような気がします。年齢的に、昔のいじめについてあまり深く語ることはできませんが、今のいじめの構造を見ていると、どうも、その本質自体が少しずつ変わっているように見えるのです。

 いじめの原因として一般的に思いつくのは、(○○ができない)とか、(××がまわりよりも下手)というような、いわゆる具体的な理由ですが、現実には、はっきりとした理由のないいじめも多く、それがこの問題の根深さを物語っています。

 いじめられる側はもちろん、いじめる側でさえも、(なぜいじめるのか)がわからない。いじめの問題をいつまでも、のび太君とジャイアンのような牧歌的な関係によってとらえていると、事の本質を見失ってしまいます。

 僕自身、小学校から高校まで地域の普通学校に通っていましたが、一度もいじめらしいいじめに遭ったことはありません。どのクラスでも年度の早い段階からわりとスムーズにとけこむことができましたし、それぞれの年代で心の許せる友人もいたので、少なくとも人間関係でのトラブルに巻き込まれることはありませんでした。

 けれど、同じ時期に普通学校に進学したリハビリセンター時代の知り合いに聞くと、中学時代はしょっちゅう、歩く時に使うクラッチ(松葉杖のようなもの)を隠されたり、ノートをゴミ箱に捨てられたりと、クラスメイトからのしつこいいじめに遭っていたようです。

 他の知り合いからも同じようないじめの体験談を聞くこともあり、そうした話を耳にするにつれ、いつしか、(僕はたまたま運がよかったのかな)と思うようになりました。

 いじめ問題は、進路選びにも影響します。普通学校だといじめのリスクが高いだろうから、安全に思える特別支援学校を選ぶ。けれど、本当にそれで良いのでしょうか?

 確かに、支援学校は生徒の人数も少なく、先生の目も行き届きやすいので、いじめが起こるリスクは低いと言えるでしょう。ただし、それは決して、(支援学校にはいじめがまったくない)ということを意味するものではありません。先生方がどんなに努力なさったとしても、人間と人間が同じ空間で過ごすかぎり、いじめのリスクはつねに生じるものです。

 (いじめがないだろうから)という消極的な理由だけで支援学校を選ぶことに、僕は反対です。

 いじめに近い言葉として、からかい、というのがあります。いじめとからかいの違いは何かと聞かれると、僕もすぐにはこたえが出せないのですが、直感的なイメージとして、からかいのほうがいじめよりも軽く、親しみやすい印象があります。

 いじめと、からかい。このふたつの線引きは、意外に難しいんですよね。片方は単にからかっているつもりでも、受け取る側はいじめとして、深刻に考えてしまう。あるいは、はじめのうちは軽いからかいだったのが、だんだんに本格的ないじめに発展してしまう。どちらのケースでも、当人同士で最後まで解決するのは限界があるので、どこかのタイミングで親や教師の介入が必要となるでしょう。

 誤解を恐れずに言えば、障害者をからかいたくなる気持ち自体は、僕も理解できるんですよね。特に、小学校低学年のうちは物事をまっすぐにとらえる時期ですから、同じクラスに自分と違った格好の友達がいれば、何だろうと興味を持つのが自然です。

 僕は障害の特性上、極端に緊張したり興奮したりするとよだれが垂れてしまいます。今はある程度自分の力でコントロールできるようになったのですが、小学校ぐらいまではその傾向が特にひどくて、教科書もよくよだれで濡らしてしまうほどでした。

 ある日の休憩時間。僕のよだれが今まさに机の一点に落ちようとしたその時、近くで見ていた友達がすかさず言ったのです。

「あっ、よだれ爆弾だ!」

 これも、大人の基準をあてはめれば、いじめの範囲に入るのかもしれません。けれど、その時の僕は、いじめられたという感覚はまったくありませんでした。むしろ、話題の中心になれたことですごくうれしい気分になったのを覚えています。

 もしもこれが、

(よだれが垂れてて気持ち悪い)

 などと言われたら、さすがの僕も傷ついたかもしれませんが、何しろ(よだれ爆弾)ですからね。こんなユーモラスな表現は、小学生にしかできません。ちょっとした一言によって、笑いのあるコミュニケーションが成立する。人間関係の楽しさというのは、その部分にあるのではないでしょうか。

 いじめとからかいの違い。最後に僕なりのこたえを出すとすれば、一方的か双方向か、ということだと思っています。いじめは、相手の気持ちや反応に関係なく行われる一方的なものですが、からかいは本来、双方向的なものです。(よだれ爆弾)というフレーズに心から笑うことができた時点で、僕とそのクラスメイトとのコミュニケーションは成立しているのです。

 個々の関係性を一切考慮することなく、(いじめもからかいもすべて悪いことだ)という建前を教師の側が押しつけてしまうと、健全なかたちでのコミュニケーションも阻害してしまい、かえって本人を孤立させてしまうことにつながりかねません。ただ、最初は軽いからかいから始まったものがだんだんに深刻ないじめへと発展するケースは考えられるので、大人の目による適切なチェックはもちろん必要ですけれど。

 教育現場からいじめをなくそうと努力することは、もちろん大切です。けれどその一方で、障害の有無に関係なくいじめへの免疫というか、(万一いじめに遭ったらこういうプロセスで対処をする)というマニュアルを事前に持っておくことも、自衛策としては必要なのではないでしょうか。

 悲しいことですが、現代において、学校でいじめに遭うというのはもはや、特別な現象ではなくなっています。それは、障害があろうとなかろうと関係ないことです。皮肉なことに、いじめ問題では、障害児も健常児も(平等)なのです。

エッセイ--立石芳樹 (たていし・よしき)

朝日新聞-2013年12月 2日

障害者選手の拠点整備へ=国立リハセンターの活用検討-政府

2013年12月03日 01時35分56秒 | 障害者の自立
 政府は2日までに、2020年東京五輪・パラリンピック開催に向け、パラリンピックの日本代表候補選手専用のトレーニング拠点施設を新設する方向で検討を始めた。埼玉県所沢市の国立障害者リハビリテーションセンター敷地内に施設を建設する案などが有力だ。

時事通信-(2013/12/02-21:23)

聴覚障害者の支えに 聴導犬訓練士 秋葉圭太郎さん

2013年12月03日 01時23分02秒 | 障害者の自立
 二十七歳で脱サラし、聴導犬訓練の世界に飛び込んだ。それから約四年。秋葉圭太郎さん(31)は訓練士として聴導犬デビューを目指し、試行錯誤を続ける。うまくいかず、悔しさが募る日々。ある聴覚障害者の女性の言葉が今も目に焼きつき、支えになっている。それは手話だった。

 《聴導犬と生活して、子どもを産もうと決断できた。人生が変わった》

 女性は四十代の主婦。訓練中にたまたま話を聞いた聴導犬利用者だった。女性は生まれたばかりのわが子に目をやり、ほほ笑んでいた。「本当に幸せな光景だった。それが今も励みになっている」

 秋葉さんは大学卒業後、東京・銀座の広告会社に就職した。毎晩遅くまで働き、企業のポスターや電車の中づり広告を手掛けた。広告はたくさんの人の目に触れ、自身の収入も十分だった。

 ただ、本当にやりたいことは別にあると感じるようになった。「誰かの人生に深く関わる仕事をしたい」。思い切って退社を決め、福祉の仕事を探した。そのころ研修生を募集していたNPO法人「聴導犬普及協会」(ふじみ野市)を知り、門をたたいた。一年間の研修を経て、二十八歳でスタッフに。現在は訓練士兼広報担当として働く。

 聴導犬は、目覚まし時計やインターホンの音に気づくと、聴覚障害者の体に触れて伝える。外出時は、車や自転車が近づいてくるのを教え、銀行や病院では名前の呼び出しも聞き分ける。二〇〇二年施行の身体障害者補助犬法は、スーパーや飲食店などの公共的な施設に盲導犬や介助犬、聴導犬の同伴者の入店を認めるよう義務づけている。

 訓練は犬の生後二~三カ月に開始。まずは音に興味を持ってもらうことから始める。段階的に音の場所を探したり、人を誘導したりさせ、外出先で落ち着いて行動できるかなど実践的な訓練へ進む。

 聴導犬としてデビューできるまでには約二年かかる。犬種に制限はないが、聴導犬になるのは十匹に三匹ほどという。秋葉さんはこれまで四匹を担当したが、いずれも聴導犬にはなれていない。「先輩訓練士とは力の差がある。経験を積み、犬の気持ちを分かるようにならなきゃだめ」と自らを叱咤(しった)する。

 聴導犬は現在、国内に五十一匹いる。盲導犬に比べ認知度が低く、飲食店などで入店を拒否されるケースや、仕事中の聴導犬を触ろうとしたりする人も少なくない。秋葉さんは訓練の傍ら、学校や地域のイベントで聴導犬のPRにも力を入れる。

 今月か来年一月には、新たな候補犬を迎える予定だという。「聴導犬と聴覚障害者は人生のパートナー。その手伝いができると思うと、大変でもやらなきゃと思えるんです」 (岡本太)

 あきば・けいたろう 千葉県山武市出身、ふじみ野市在住。小学校低学年から、母親が拾ってきた雑種犬を育てたが、聴導犬については「この世界に入るまで知らなかった」。聴導犬普及協会は寄付で運営しており、居酒屋のアルバイトで生計を立てている。仕事とアルバイト以外の時間は手話や法律などの勉強に充てている。


聴導犬のPR犬を連れて歩く秋葉圭太郎さん=ふじみ野市で
東京新聞-2013年12月2日

メガソーラーの除草や除雪で障害者と連携、青森県三沢市の発電事業者

2013年12月03日 01時18分11秒 | 障害者の自立
 青森県三沢市で11月22日、メガソーラー(大規模太陽光発電所)のメンテナンス作業に関し、三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合と社会福祉法人楽晴会(障害者就労トライアルセンターボイス)との間で委託契約が結ばれた。
 
 市内にある青建設計、小坂工務店、浪岡電設、田嶋板金工業の4社で2012年8月に設立した同組合は、三沢市大字三沢字小山田地内の2サイトで合計出力2.7MWのメガソーラーを建設し、2013年4月から事業を開始した。これらのメガソーラーでは夏の除草や冬の除雪、汚れの洗浄など1万1592枚もの太陽光パネルのメンテナンスが必要になる。野外作業ではあるものの、取り組みやすく通年で行う作業ということもあり、同組合ではハローワーク三沢を通じて市が主催する三沢市障害者支援協議会の障害者就労支援部会に委託先の検討を依頼していた。同部会では就労期間に限定のない安定した業務であることから、就労継続支援B型事業所による委託形式が適切と助言。「障害者が地域で暮らしていけるように」と就労場所を求めていた社会福祉法人楽晴会が運営する『障害者就労トライアルセンターボイス』とメンテナンス委託契約を締結した。

 メガソーラーにおけるメンテナンス業務の障害者への委託は青森県内で初めて。委託期間は2014年3月末までの契約だが、年度で更新する予定。同組合の相場代表理事は、「地元業者で立ち上げて、管理も地元業者で全てやっていきたいというのが最初からの考え。その精神が今回の契約に結び付いた」と言う。楽晴会の齋藤理事長も「障害者にとって大きな夢と希望のある仕事。社会的に疎外されやすい人たちが少しでも働ける場所を作りたい」と意気込む。


三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合と社会福祉法人楽晴会との間で委託契約が結ばれた(出所:三沢市)

日経BPクリーンテック研究所.2013/12/02 20:56

障害者いきいき、化粧品用クマタケラン出荷 大和村の学校跡

2013年12月03日 01時13分27秒 | 障害者の自立
 大和村に住む障害者たちが共同作業で収穫、出荷したショウガ科の植物、クマタケランを原料にした化粧品が11月、発売された。作業場は廃校になった戸円小中学校を活用し、ボランティアのほか地域住民も協力。生きがいづくりと社会参加の取り組みが商品となって実を結び、メンバーは「今後の活動にも弾みがつく」と手応えを感じている。
 化粧品の原料のクマタケランは、ゲットウに似た植物。ポリフェノールを豊富に含み、抗菌作用があるとされ、葉は団子や餅などを包むのに使われる。
 作業は、学校跡周辺に生えている株や農家から提供されたものを集荷し、葉と茎に分けて洗い、拭き、カットする。東京都町田市の化粧品会社「シェルゥーム」が買い取り、加工する。同社の浜崎哲義社長が同村出身で、支援事業とタイアップすることになった。


化粧品の原料になるクマタケランの出荷作業に励む参加者=大和村戸円の戸円小中学校跡

南日本新聞-(2013 12/02 13:00)