ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

知的障害者が働く打楽器販売・作業所を開設、垣内章伸さん /三重

2010年03月29日 01時10分47秒 | 障害者の自立
 ◇負のイメージ変えたい--垣内章伸さん(47)

 県立特別支援学校わかば学園(玉城町宮古)の生徒たちが間伐材を利用して作ったペルー発祥のカホンなどの打楽器の販売を、松阪市柚原町のミュージシャン、垣内章伸さん(47)が準備している。「卒業した知的障害者が、やりがいを持って働ける場をつくりたい」と、同市駅部田町に打楽器を販売・作業所「ラモシオン」を開設。4月発売を予定している。

 5年前、特別支援学校に通う自閉症の長男、楽守さん(15)と2人で音楽ユニット「RAMO」を結成し、全国各地でライブを展開してきた。楽守さんは小学5年の時、同級生との関係が悪くなり、人を怖がるようになったため学校へ行くことをやめた。

 そんな時、障害者や家族の交流の場を提供するいなべ市藤原町の「くれよんサークル」から声が掛かり、楽守さんを誘ってイベントに参加した。民俗楽器の太鼓を自由にたたく長男の姿に、「楽守の心に刺さったとげが抜けていく気がした」という。以来、楽守さんは音楽に夢中になった。

 そして、親子デュオ「不安定ユニットらも」を結成。垣内さんはギターを弾いて歌い、楽守さんはパーカッションなどを担当している。70曲以上のオリジナル曲を作り、演奏会を約150回重ねてきた。

 「楽守との時間をもっと増やしたい」と、昨年8月末、15年間勤めていた電動工具メーカーを辞め、演奏活動を本格化させるとともに、障害者らの音楽活動を支援する音楽レーベルを発足させた。自閉症という言葉に対し、「心に傷を持って引きこもっている」というイメージを持つ人に、先天的な障害であることを知ってもらおうとしている。

 楽器販売店を開こうと計画していた時、知的障害者の一般就労が難しい現状を知った。「楽器を製造する作業所と楽器店を兼ねた店を作ろう」。昨年9月に開店準備を本格的に始めた。店内には垣内さんのコレクションのギターを壁に掛け、演奏会ができるミニステージも設けた。

 打楽器作りは、木工機材がある玉城町の特別支援学校わかば学園に依頼。箱形の楽器カホンやカリンバなど木製打楽器を製造し、音の調整など仕上げは店が担う。

 「学校を卒業した障害者を雇い入れ、就職先の技を増やしたい。生徒たちはこつこつと作業を続けるのは得意。単純に作業するのではなく、知的障害者が自ら商品を生み出し、金を稼ぐことで『作ってよかった』と思えるようにしたい。知的障害者を雇うのはマイナスという世の中のイメージを変えたい」と熱意を抱く。

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 ◇メモ
 「RAMO」のライブが4月3日午前10時から、鈴鹿市の白子公民館で開かれる。店で販売するのはカホンなど約10種類で、価格は1万5000~3万円。問い合わせはラモシオン(0598・67・0127)。営業は午後1~8時。不定休。

毎日新聞 2010年3月28日 地方版

候補者を募集 障害者福祉が対象 /滋賀

2010年03月29日 01時08分26秒 | 障害者の自立
 財団法人糸賀一雄記念財団(湖南市)は、国内やアジア各国で障害者福祉に尽力してきた人を表彰する第14回糸賀一雄記念賞の受賞候補者を募集している。5月31日まで。

 対象は国内に住む個人。自薦・他薦は問わず、所定の申込書などで同財団に申し込む。40歳までの個人やグループが対象の第2回糸賀一雄記念奨励賞も募集している。

 故糸賀一雄氏(1914~68)は、終戦直後に知的障害児らの施設「近江学園」を創設し、西日本初の重症心身障害児施設「びわこ学園」を設立するなど日本の障害者福祉の礎を築いた。

 受賞者は、委員10人による選考委を経て理事会の議決で決まる。授賞式は11月ごろの予定。問い合わせは同財団(0748・77・0357)。

毎日新聞 2010年3月28日 地方版


障害者支援を考える シンポジウムに80人--和歌山 /和歌山

2010年03月29日 01時06分32秒 | 障害者の自立
 ◇地域で自分らしく暮らすために
 「障がいのある人もない人も地域で自分らしく暮らすために」と題したシンポジウム(和歌山弁護士会主催)が和歌山市の市中央コミュニティセンターであり、障害者支援団体関係者や弁護士ら約80人が参加した。

 「千葉県障害者差別をなくすための研究会」座長で、自閉症の長男と暮らす野沢和弘・毎日新聞論説委員が「この10年政府が何も動かなかったため、自治体が動いた」とし、同県が全国初の障害者差別禁止条例(07年施行)を策定するまでを振り返った。

 条例案は約2年半かけて、障害者と野沢さんら家族が中心となってまとめた。現役世代が参加するため、夜間に県庁で会議を重ね、関係各課の県職員も傍聴。「県職員は誰一人途中退出しなかった。一緒にプロセスを『体験』したおかげで、互いに歩み寄った。否決の危機には県職員が条例を守ってくれた」と語った。

 後半は野沢さんと、視覚障害を抱えながら「同県障害のある人の相談に関する調整委員会」副委員長を務める高梨憲司さん▽和歌山市の障害者総合リハビリテーション施設「麦の郷」の伊藤静美理事▽身体障害者を支援するNPO法人「ハッピーボックス」の笹尾恭子代表理事--の4人がパネルディスカッションした。

 高梨さんは「差別禁止条例は違反者を罰するためのものではない。障害者が暮らしやすい社会は健常者にとっても暮らしやすい。対立軸ではなく、双方のために社会風土や慣習を変えるのが目的」と条例の意義を語った。

 伊藤さんは、身寄りのない精神障害者をすぐ入院させる医療関係者の対応を批判し、「退院させる家族がない障害者の措置入院が多過ぎる。閉鎖病棟に押し込むのは治療ではない」と怒り、「貧しい親に障害者の子育てを押しつけてはいけない。社会が20歳まで責任を持って育てるべき」と主張した。

 笹尾さんは「社会に受け皿がないと気付き、障害者が活躍できる場を作ろうとやってきた」と活動を紹介し、「大切なのは自尊感情を育てること。お互いに育てることで地域も育っていくのでは」と語った。

毎日新聞


障害者権利案を公表 条例づくりの会 合理的配慮訴え

2010年03月29日 01時03分17秒 | 障害者の自立
 障害者への差別を禁じ、権利を守る「障害者の権利条例」の制定に向け「輝け!みんなの条例」JDF地域フォーラムin沖縄が27日、嘉手納町中央公民館で開かれた。「障がいのある人もない人もいのち輝く条例づくりの会」(上里一之、岡島実共同代表)が作成した条例案(全31条)を公表。来年3月の制定に向け、署名活動などを全県的に取り組むことも確認した。

 岡島共同代表は、条例における障害の定義について「体が動かないなどの機能的障害に加え、偏見や誤解、差別などの社会的障壁(バリアー)がつくりだされている状態」と説明。その上で、障害のある人も社会参加できるための調整などの義務を負う「合理的配慮」の重要性を訴えた。

 条例の特色として「自己実現への権利」を挙げ、「社会から排除されてきた人たちが、本来持つ力を発揮するための固有の権利」とした。岡島代表は「法律は使ってはじめて意味がある。趣旨を理解して使っていくことが大切だ」と条例の意義を強調した。

 シンポジウムでは、県手をつなぐ育成会の田中寛会長が「知的障害者への配慮は千差万別で難しい。まず一人一人の特性を理解することが大事」と話した。

 県自立生活センター・イルカの長位鈴子理事長は、教育を受ける平等を訴えた上で「障害者自身も社会に依存してきた。それによって力を奪われており、自分たちで考える意識に変えることも大切だ」と述べた。

 フォーラムに参加した視覚障害がある女性(53)=八重瀬町=は「普段は家にこもりがち。とてもいい勉強になった」と話した。沖縄国際大学で福祉を学んでいる2年の山田公之さんは「障害がない人は(条例について)もっと知るべきだ。条例は必要」と話した。

沖縄タイムス

発達障害 正しく理解を

2010年03月29日 01時00分36秒 | 障害者の自立
 よく耳にするようになったものの診断・支援体制が整わず、親の戸惑いも多い「発達障害」。日本発達心理学会理事長で京都大教授の子安増生さん、日本臨床発達心理士会幹事長で筑波大教授の長崎勤さん、発達障害のある次男を育てる作家の堀田あけみさんの3人が、障害とうまくつきあうコツなどを語り合った。

(司会は科学部・増田弘治)

早期診断で次の段階へ・・・作家・堀田あけみさん
 ――発達障害は、正しい理解が大きな課題ですね。


 子安 単に「発達障害」「広汎性発達障害」といった呼び方でとらえるのは非常に難しく、様々な特徴を個々人が持っている。共通性と個別性の理解が一番難しいんじゃないでしょうか。

 堀田 次男の状態を説明するのに「障害」という言葉を使っています。私の腰にしがみついてニコニコ笑っている。「自閉症だから」と説明して「何でそんなニコニコ笑っている子が自閉症なの」と軽く言われると、かなりつらい。「障害がある」と言うと、受け入れてもらいやすいことが経験からわかったんです。

 長崎 学術的には最近、発達障害の子どもたちを自閉症や学習障害という「特徴」を持った人ととらえようとする考え方に変わってきています。支援も、特別支援学校がいいのか、特別支援学級で足りるのか、それとも普通学級かなど、一人ひとりに応じた支援を考える流れになっています。

 ――個別の状態を探るには診断が大切ではないですか。1歳から3歳までの早期に診断を受けるほうがよいとも聞きますが。

 長崎 診断は重要ですね。ただ、早期発見して即、支援する体制は、日本では非常に弱い。診断にあたる児童精神科医が全国で100人ぐらいしかいない。「きっちり診断をつけて、しっかり支援していきますから」というアドバイスが十分にできない状況なんですよ。

 子安 だから堀田さんも「心構えなしに行ってはいけない」と言っておられる。診断の大前提として、どんな支援策があるのか知っておくということですね。

 堀田 私は早いほうがいいと思います。たとえばダウン症の子を持つお母さんは、生まれた時から障害児の母として心構えを持つ。けれども発達障害の場合、後から可能性が出てきて診断がつき、「普通の親」から「障害児の親」へ変身しなければいけない。そのステップがつらい。早期に可能性を示してもらえたほうが次の階段を上りやすい。

専門資格造り家族支援・・・筑波大教授・長崎勤さん
 ――公的な支援が手薄な中で、親たちにどんなことが起きていますか。

 長崎 ネットでいろんな情報を探し、場合によっては高いお金を払い、生活も犠牲にする。家族にすごくしわ寄せが行っています。


 堀田 「自閉症の子がみるみるいい子になる薬。30万円」とか、インチキな商売が入るスキも大きい。

 ――海外では家族支援の参考例がありますか。

 長崎 欧米では診断がついた時点から、子どもへの支援と家族への支援が両輪です。米国では家庭で行う「ホーム・ベースド・プログラム」が進んでいます。月曜は心理職、火曜は言語聴覚士、水曜は作業療法士と、専門家が訪問して「一緒におやつを食べる方法」「散歩の連れ出し方」などを指導する。大きな施設を造るよりコストは低く、それほど人手もいらないようです。

 堀田 日本でも、診断がついた時点で言語指導や作業療法などの施設を紹介され、「子どもの身体の問題はこっち」「お母さんのケアはここ」と教えてもらえる体制はできつつあります。ただ、そのあとは「ご自分でどうぞ」で終わるケースが多いようです。

 長崎 日本臨床発達心理士会は関係4学会が認定する専門資格「臨床発達心理士」の団体で、「日本発達障害ネットワーク」にも加わり、家族支援を訴えています。学術、当事者団体が一体で行政に提言するのが効果的でしょう。

共通性と個別性難しい・・京大教授・子安増生さん
 ――発達障害に関する本がたくさん出版されています。本を読む上でのアドバイスはありますか。

 子安 障害には個別性があるから、本の中に知りたいことが全部書いてあるわけじゃない。どうやって自分の知りたいことを探していくかだと思います。


 堀田 夫は次男の障害を知った時、片っ端から本を読もうとして「5冊ぐらい読んでわからなくなってきた」。最初の数ページで「この書き手は気が合いそうだ」と思ったら読むのがよいかもしれません。

 ――実体験の記録が望まれているのでしょうか。

 堀田 私が出版した本=『発達障害だって大丈夫 自閉症の子を育てる幸せ』(河出書房新社)=も、難しい本で混乱する親のために、わかったような気がして楽しくなる本を書こうと考えたんです。

 子安 次男の誕生から小学校低学年まででしたね。第2弾を考えておられる。

 堀田 半分まで書きました。息子は他の子との精神年齢差が年々広がり、ストレスが大きいようです。だけど「子どもと生きていくのはそんなに楽しいんだ」って思える本にしたいですね。


発達障害とは?…注意欠陥、学習障害など

 「発達障害」は、様々な障害をひとくくりにした呼び方で、その概念は複雑だ。まず、大きく「広汎性発達障害」「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」の三つに分類される。広汎性発達障害はさらに「自閉症」「アスペルガー障害」などに細かく分けられる。


 ADHDは衝動的な行動が目立ち、LDでは読み書き、計算など特定の学習が難しい。自閉症は言語の発達に遅れがあるのに対し、アスペルガー障害では著しい言葉の遅れや知的障害は見られない。知的障害がない自閉症を「高機能自閉症」と呼ぶこともある。自閉症やアスペルガー障害では他者の感情をうまく理解できず、全く悪気なく他人の欠点を言葉に出したりする。こうした特徴から、子どもや家族は「親のしつけが悪いせいだ」という誤解にさらされてきた。実際は生まれつきの脳機能の障害が原因とされ、育て方とは無関係だ。一部には研究者や芸術家として成功する人もいる。数学的思考に優れ、驚異的な記憶力を持つ人もいる。

どんな支援が?・・・都道府県にセンター

 2005年4月、「発達障害者支援法」が施行された。乳幼児期から成人期まで、地域で一貫した支援体制を作り上げ、親の不安を解消することを目的に掲げた。福祉制度の新設はなく、「発達障害者支援センター」を都道府県と大都市に設けることが柱。センターでは診断できる医療機関はどこか、どんな支援の仕組みがあるかなどの相談に乗る。

 厚生労働省によると、47の全都道府県と、今年度に昇格した岡山市を除く17の政令指定都市がセンターを設置済み。その一覧は「発達障害情報センター」のサイト(www.rehab.go.jp/ddis/)にある。

 このサイトには、子どもの行動から発達障害に気づくポイントの解説もある。ただ、「うちの子は何かヘン」と思っても、それだけで早合点するのは禁物。まずは支援センターで専門家に相談することが大事だ。


(2010年3月26日 読売新聞)