馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

回腸盲腸重積の診断と外科的介入 でも、それより大切なのは予防

2024-04-13 | 急性腹症

もう1週間も疝痛が続いている1歳馬。

小腸の膨満が確認されている、ということなので、疑うのは回盲部重積。

超音波画像診断で・・・・・

見えた。

盲腸の中にある重積像。

回盲部は盲腸の内側、体の中心側にあるので、体表からの超音波検査では映せないことが多い。

この馬は絶食状態で盲腸の容積が小さく、そして気体もなかったので描出できたのだろう。

これで確定診断として良いだろう。

開腹しても、回盲部は術創から外へ出せないし、目視することもできない部分だとされている。

それでは手術しにくいんだよ・・・・・

重積している回腸はひっぱたら盲腸から抜けた。

入り込んでいた部分は絞められていたので白いが復活するだろう。

回腸を盲腸へ側々吻合してバイパスする。

翌日には退院して行った。

          ー

回盲部重積は葉状条虫症だ。

この春、回盲部重積や盲腸結腸重積の症例が続いている。

葉状条虫の駆虫をしましょう。

        ////////////

シメさん、「 エサ台を独占しないで 分けて下さい 」とシジュウカラ

の図