馬の膀胱内にできた結石です。
こどもの握りこぶしくらいあります。
これほどの結石が作られるのは、それほどよくあることではないようです。
今まで数頭しか診たことがありません。
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はるか昔、育成馬が運動後に血尿が出る。と相談されたので、膀胱結石の可能性を指摘しました。その育成馬は牡だったので、開腹手術して摘出したそうです。
膀胱を開腹手術創まで引っ張ってくるのはたいへんなようです。膀胱がまだ臍にくっついている子馬の膀胱破裂のようにはいきません。
牡馬の場合は、直腸のわきを切って腕を挿入し、膀胱を引っ張ってくる手技が教科書に記載されています。
ただ、種牡馬では副生殖腺を傷つけてその後の繁殖能力に問題が出る可能性が指摘されています。
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牝馬の場合は、膀胱結石を器具で壊して小さくしておいて摘出するか、膀胱括約筋を切開して摘出するようです。
しかし、膀胱内で結石を壊す作業では膀胱粘膜に傷をつけますし、膀胱括約筋を切ると、その後縫合しても尿を少しずつ垂れ流すようになったり、膣内に尿が貯まるようになったりすることがあるようです。
今回の馬は、以前に繁殖牝馬の膀胱破裂(5月26日)に書いたように、膣底を切開し、膀胱を膣内に引っ張り上げ、膀胱尖を切開して結石を取り出しました。
膣内での膀胱の縫合は、長い持針器があれば難しくありません。これからは、牝馬で結石が大きい場合はこの方法で摘出しようと思います。
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Kiri先生に捧ぐ http://blog.livedoor.jp/paulownia07/
経過良さそうでなによりです。