中田がプロサッカーを引退することを発表した。W杯での中田の姿を見ていて、もう日本代表を引退するのではないだろうかと思っていた。プロサッカーを引退するとまでは思わなかった。中田らしいというか、そうだったんだなとも思う。
彼自身、理由はひとつではないと書いていたが、プロサッカー選手としてやりつくした。ということなのだろう。めざした世界のサッカーの中で自分自身の限界も、日本代表チームの限界も見えたのかもしれない。
「中田は自分を高く売ることしか考えていない」という誹謗にたいする答えでもあるだろう。
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馬の世界でも10年以上やってきて、仕事を離れる人がいる。数年しかやらずに去っていく人と違い、10年以上やってきて、それなりに場を築き、駄目になるのではなく、馬の世界を離れていく人がいる。
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椎名誠が書いていたのだが、どんな仕事でも10年やったら一通りやったと言えるのではないか。と。
椎名誠は、出版社でサラリーマンとして本の編集をやり、作家をやり、映画監督をやった。
馬の世界を離れるという人に、その話をした。
お疲れ様でした。ある意味、充分やったじゃないかと。
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ただ、臨床獣医師としての自分自身を考えるとき、やりつくしたとは到底思えない。私達の仕事にはいかに経験が必要か。
診たことがない症例は診断できない。したことがない手術はうまくできない。
世界獣医歯科学会で小動物の口腔腫瘍の外科手術について講演した先生が言っていた。
「30年やってきてやっとここまで治せるようになった」
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世界をまたにかけるプロサッカー選手の世界が、実際にどんなものだか私には想像もつかない。
しかし、まだ中田の活躍を見たかった。日本代表でも、海外リーグでも。
しかし、しかし、お疲れ様。そして、ありがとう。
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中田はセリエAへ移籍する前、日本代表の試合前に「君が代を歌いたくない」という発言のために右翼に付け狙われ、普通に生活ができなくなっていたそうだ。
その中田こそが、日本の「魂」や「誇り」を一番感じさせてくれた。
お疲れ様。そして、ありがとう。