昨日はゆかりちゃんたちの演奏を聞きにブラッスリー・ラ・ムジカ(フランス料理店)へ。
←フランス王侯貴族の気分で。
イベントタイトルが「フランスの料理とカンタータの夕べ」というたいへんニッチなもので、コース料理を食べ、古楽器アンサンブルを聞くというまぁなんと贅沢な。
秋ナスのフランとコンソメジュレ生うに添え
感激のおいしさです(^-^)
一時間でコースを食べ終え、しかるのちに演奏タイムに突入するという段取りなのでわりとせっせと食べて次に行く。
もしもこれが、ゆーったりとコースを味わいつつ演奏に耳を傾ける、というような会であればもっと優雅さが増すような気がするのですが、そうできないのは…
やっぱり、スペース的な問題が。ウナギの寝床的なお店のつくりで、厨房、カウンター、通路、テーブルとそれぞれが細長く並んでいる形。通路にあたる部分を楽団がふさいでしまうとサーブできないんですよ。
もしもこれが、こないだのアフタヌーンティーみたいな、テーブルとテーブルの間が広く空いた配置で、飲みつつ食べつつ、テーブル内やサービス係は低く会話もしつつ、演奏が進行することも可能だろうけれども。
…あ、その場合はこんなお値段では済まない企画でしょうね(^^;;
デザートが登場し、しかるのちにコーヒーが出てくると
いよいよ演奏です!!
一曲目は
ニコラ・ベルニエ フレンチ・カンタータ集第三巻より「コーヒー」
というわけで、コーヒー。曲がね。ソプラノの歌を中心に、バイオリン、リュート、バス・ド・ヴィオール、クラブサン(ゆかりちゃん)という構成です。歌詞は、(わからんけど)コーヒーを称える内容で、コーヒーで酔っぱらいましたか?? くらい盛り盛りのようです。
次の曲はクープラン作曲で、もちろんクープランさんもフランスの人ですけど、彼はイタリア趣味を取り入れてイタリア人の偽名まで使って曲を書いたんですね。それで「ソナタ」のはしりとして書かれたトリオ・ソナタ「少女」。
そしてルクレールのバイオリンデュオ。バロックバイオリンで弾くんだ、こんな曲も。というくらい、技巧的な曲です。
最後はモンテクレールの「サンフォニー付き独唱カンタータ集第一巻より「ディドンの死」。
なにしろこじんまりしたレストランでの会ですから、楽器も間近でガン見できます。
いつも見慣れたバイオリンですが、ここで出てくるバイオリンはちょっと違います。ネックはやや太くやや短く、そして顎で挟むのではなく胸に軽くつけるような感じで弾かれます。しっかり挟んで持つのと比べて不安定で弾くのに困りそうな気もしますが、やはり楽器が「フリー」である分、響きはいいのかもしれません。
それと、バロックバイオリンでの演奏は、ポジション移動も少なく、ビブラートも派手にはかけませんので、そんながっちり保持する必要はない、のかな?? やったことないのでよくわかりませんが、とにかくうまい人が演奏するのを見ると、バイオリンの自在さに魅了されます。
弓も、今のバイオリンの反った弓とは逆に、いわゆる弓型に曲がっているのですが、これで何が違うのかというと、張力が弱めなことと、それから張力が一定ではないことでしょうか。たぶん、モダンバイオリンの反った弓の形は、弓のどこを使ったときもなるべく均一に力がかけられるように考えられたものだと思うんですが、バロックバイオリンではむしろ端と真ん中で違うところが味になるように弾くものらしいです。
だから、ルクレールくらいに技巧を凝らした曲になると、バロックバイオリンで弾くのはたいへんじゃないかと思います。プティ・ヴィオロンのリーダーを務める佐藤くんのバロックバイオリン扱いは鮮やかです。
リュートの形は、ギターを丸っこくしたような感じでイメージされていると思いますが、昨日はギターっぽい感じのが一台、それと持ち替えでネックが超長いリュートが一台使われていました。ネックの長さは「そりゃ邪魔だろ!? というか、届かないだろ??」というようなもので、よく見るとその長いネックに張られたほうの弦の部分には指板がありません。
長い弦のほうは開放弦で使うものだそうです。
これだけ弦の数が増えると調弦もたいへんで…
「リュート弾きは人生の1/3を調弦に費やす」という冗談もあるくらい(^^;;
ということは、チェンバロ弾きなんてさらにさらに。
というか、ほんとにゆかりちゃんは食事が始まる前とか曲の合間とか、しょっちゅう調弦してましたよ。
チェンバロというか、クラヴサンと書かれていましたが、もちろん店に常設されているわけではなく、会のために運んできたものです。そんなばかでかいものは運べないので、奥行きが短くて通路的なスペースにもすっぽり収まるスピネットと呼ばれているようなタイプ。
ゆかりちゃんのチェンバロはいつ聞いても盤石で、しっかりとアンサンブルを支えつつふんわりした空気感が心地よいんです。
そして弦をはじく楽器であるクラヴサンとリュート、弦をこする楽器であるヴァイオリンとバス・ド・ヴィオール、この楽器たちの音色が合わさった響きがとても柔らかく調和します。
あぁ…
贅沢な時間でした。
そうですね、さらに贅沢をいえば(このコラボ企画の価値をさらに高めるならば)
食事中もひとりずつでいいから(場所があんまりないからね)BGM的に演奏してくれて、
それでコーヒーで始まるカンタータ、となるともっとうれしいな。
あとね。最初、店にお客さんが入ってきたときのご案内はもっとスマートにハートフルにね。名簿ミスがあったのはしかたないとしても、その後の対応がアレでは雰囲気を損ねます。
企画としてこなれていって、幅広い(演奏者の個人的な知り合いでない)お客様がじわじわ増えていって、ちゃんと商売になって続くようだと素晴らしいですよね。若き演奏家たちの今後のためにも、日本文化の成熟した楽しみのためにも。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)
←フランス王侯貴族の気分で。
イベントタイトルが「フランスの料理とカンタータの夕べ」というたいへんニッチなもので、コース料理を食べ、古楽器アンサンブルを聞くというまぁなんと贅沢な。
秋ナスのフランとコンソメジュレ生うに添え
感激のおいしさです(^-^)
一時間でコースを食べ終え、しかるのちに演奏タイムに突入するという段取りなのでわりとせっせと食べて次に行く。
もしもこれが、ゆーったりとコースを味わいつつ演奏に耳を傾ける、というような会であればもっと優雅さが増すような気がするのですが、そうできないのは…
やっぱり、スペース的な問題が。ウナギの寝床的なお店のつくりで、厨房、カウンター、通路、テーブルとそれぞれが細長く並んでいる形。通路にあたる部分を楽団がふさいでしまうとサーブできないんですよ。
もしもこれが、こないだのアフタヌーンティーみたいな、テーブルとテーブルの間が広く空いた配置で、飲みつつ食べつつ、テーブル内やサービス係は低く会話もしつつ、演奏が進行することも可能だろうけれども。
…あ、その場合はこんなお値段では済まない企画でしょうね(^^;;
デザートが登場し、しかるのちにコーヒーが出てくると
いよいよ演奏です!!
一曲目は
ニコラ・ベルニエ フレンチ・カンタータ集第三巻より「コーヒー」
というわけで、コーヒー。曲がね。ソプラノの歌を中心に、バイオリン、リュート、バス・ド・ヴィオール、クラブサン(ゆかりちゃん)という構成です。歌詞は、(わからんけど)コーヒーを称える内容で、コーヒーで酔っぱらいましたか?? くらい盛り盛りのようです。
次の曲はクープラン作曲で、もちろんクープランさんもフランスの人ですけど、彼はイタリア趣味を取り入れてイタリア人の偽名まで使って曲を書いたんですね。それで「ソナタ」のはしりとして書かれたトリオ・ソナタ「少女」。
そしてルクレールのバイオリンデュオ。バロックバイオリンで弾くんだ、こんな曲も。というくらい、技巧的な曲です。
最後はモンテクレールの「サンフォニー付き独唱カンタータ集第一巻より「ディドンの死」。
なにしろこじんまりしたレストランでの会ですから、楽器も間近でガン見できます。
いつも見慣れたバイオリンですが、ここで出てくるバイオリンはちょっと違います。ネックはやや太くやや短く、そして顎で挟むのではなく胸に軽くつけるような感じで弾かれます。しっかり挟んで持つのと比べて不安定で弾くのに困りそうな気もしますが、やはり楽器が「フリー」である分、響きはいいのかもしれません。
それと、バロックバイオリンでの演奏は、ポジション移動も少なく、ビブラートも派手にはかけませんので、そんながっちり保持する必要はない、のかな?? やったことないのでよくわかりませんが、とにかくうまい人が演奏するのを見ると、バイオリンの自在さに魅了されます。
弓も、今のバイオリンの反った弓とは逆に、いわゆる弓型に曲がっているのですが、これで何が違うのかというと、張力が弱めなことと、それから張力が一定ではないことでしょうか。たぶん、モダンバイオリンの反った弓の形は、弓のどこを使ったときもなるべく均一に力がかけられるように考えられたものだと思うんですが、バロックバイオリンではむしろ端と真ん中で違うところが味になるように弾くものらしいです。
だから、ルクレールくらいに技巧を凝らした曲になると、バロックバイオリンで弾くのはたいへんじゃないかと思います。プティ・ヴィオロンのリーダーを務める佐藤くんのバロックバイオリン扱いは鮮やかです。
リュートの形は、ギターを丸っこくしたような感じでイメージされていると思いますが、昨日はギターっぽい感じのが一台、それと持ち替えでネックが超長いリュートが一台使われていました。ネックの長さは「そりゃ邪魔だろ!? というか、届かないだろ??」というようなもので、よく見るとその長いネックに張られたほうの弦の部分には指板がありません。
長い弦のほうは開放弦で使うものだそうです。
これだけ弦の数が増えると調弦もたいへんで…
「リュート弾きは人生の1/3を調弦に費やす」という冗談もあるくらい(^^;;
ということは、チェンバロ弾きなんてさらにさらに。
というか、ほんとにゆかりちゃんは食事が始まる前とか曲の合間とか、しょっちゅう調弦してましたよ。
チェンバロというか、クラヴサンと書かれていましたが、もちろん店に常設されているわけではなく、会のために運んできたものです。そんなばかでかいものは運べないので、奥行きが短くて通路的なスペースにもすっぽり収まるスピネットと呼ばれているようなタイプ。
ゆかりちゃんのチェンバロはいつ聞いても盤石で、しっかりとアンサンブルを支えつつふんわりした空気感が心地よいんです。
そして弦をはじく楽器であるクラヴサンとリュート、弦をこする楽器であるヴァイオリンとバス・ド・ヴィオール、この楽器たちの音色が合わさった響きがとても柔らかく調和します。
あぁ…
贅沢な時間でした。
そうですね、さらに贅沢をいえば(このコラボ企画の価値をさらに高めるならば)
食事中もひとりずつでいいから(場所があんまりないからね)BGM的に演奏してくれて、
それでコーヒーで始まるカンタータ、となるともっとうれしいな。
あとね。最初、店にお客さんが入ってきたときのご案内はもっとスマートにハートフルにね。名簿ミスがあったのはしかたないとしても、その後の対応がアレでは雰囲気を損ねます。
企画としてこなれていって、幅広い(演奏者の個人的な知り合いでない)お客様がじわじわ増えていって、ちゃんと商売になって続くようだと素晴らしいですよね。若き演奏家たちの今後のためにも、日本文化の成熟した楽しみのためにも。
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(今回もイラストはまたろう)
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