西の部屋には 名号を書いたものなどがズラリ!
これには、観音様の絵が描かれています。
先々代住職の三崎良泉師の遺墨には 書は多いのですが、
絵が描かれたものは とても少ないのです。
これは珍しい一本です。
サラリと 優しそうな観音様が描かれていて、
優しい人が描いたんだろうなぁ、と想像します。
「慈眼視衆生 福寿海無量
妙法院門主良泉 なんとか」
と書いてあります(汗)。
隣には
「南無観世音菩薩
南台沙門良泉 なんとか」
が掛けられています。
南台というのは、妙法院の事のようです。
比叡山よりも南に位置するのだと思います。
その隣
「南無阿弥陀仏
妙法院門主大僧正良泉拝書」
さらに隣
「南無阿弥陀仏
妙法院門主良泉 なんとか」
さらにさらに隣
「南無阿弥陀仏
妙法院門主大僧正良泉 拝書」
そのお隣も
「南無阿弥陀仏
妙法院門跡大僧正良泉」
そして 次は 大師殿の前に 南に向けて掛けられたもの、
その西側。
「無涯
八十翁 妙門良泉」
とあります。
「無涯」とは 限りない事、果てしない事。
「八十翁」とあるからには、
満八十四歳で遷化した先々代の、晩年の書ですね。
東側の書。
「無
本来東西無し 何處東西あらん
南台沙門良泉」
慣れてきて、「南無」の「無」が読めるようになってきます(笑)。
東の部屋の、南に向けて書けた軸へ移ります。
その西側。
左側が達磨(ダルマ)さん。
小さな小さな笹船に乗って
揚子江を渡ろうとしている所、だそうです。
達磨さんは インドから中国に渡って嵩山の少林寺に籠り、
九年もの長い間 壁に向かって座禅を組み続けて
悟りを開いたという事です。
ならば、その前に船に乗り込むこのお姿は
まだ悟りを開く前という事なのでしょう。
手も足もあります。
ダルマさんの隣は 菅原道真公、
紅梅と白梅をバックに描かれたお公家さんです。
その部屋の東側、
このブログに初出演ではありません、
角大師が掛けられました。
疫病退散を祈って。
新型コロナウイルスの流行の終息を願って。
「終息」が無理なら、せめて「収束」を。
そこから真後ろに行って、北向きに掲げられたのは、
良泉師の師、杉谷義良さんの書、「宗祖伝教大師請願文」です。
この方は 良泉師にとって、書の師匠でもありました。
名文としても名高い「願文」、
こんなに長いんですね!(苦笑)
暗記してらっしゃるお檀家さんもいましたが、
「悠々たる三界は もっぱら苦にして安き事無く・・・・・・。」
勉強不足です。
このような掛け軸を 時折 引っ張り出して掛けてはいますが、
沢山の人に 一度にまとめてお目にかける機会はほとんどなく、
今回が初めてかと思います。
今後も チャンスがあれば、と思います。