Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

彼女のグループ

2015-12-03 01:00:00 | 雪3年4部(彼女の意図~彼の願い)
クンクン‥



教室の前へとやって来た雪は、ずっと髪の毛の匂いを嗅いでいた。

一応洗ったのに‥



先程河村静香から掛けられたコーヒーの匂いが、髪の毛に染み付いて離れない。

雪が溜息を吐いていると、不意にポケットの中の携帯が震えた。

あたしちょっと遅れるね



送信主は吉田海だ。

雪が彼女にメッセージを送ると、すぐに返事が来た。

どうしたの? 前のバスが事故ったみたいで

ひゃー!気をつけて来てね



そうメッセージを送って、二人のやり取りは終わった。

雪は携帯を見つめながら、一人考えに耽っている。

「ふぅん‥」







すると廊下の先に、見慣れた後ろ姿が目に入った。

「あ!聡美!」



声を掛けられた伊吹聡美は、ゆっくりと雪の方へと振り向く。

ゲッソリ‥



???



そのやつれた聡美の顔を見て、思わず雪は目を見開いた。

合流した二人は、とりあえず共に教室へと入って行く。






「教授、20分くらい遅れるみたいです」「なーんだ」



その知らせを受けて、教室内はザワザワと騒がしくなった。

佐藤と並んで座っていた柳楓は、ドアから見知った後輩が入って来たのを見て立ち上がる。

「お!赤山ちゃん!伊吹ちゃん!よぉ~ッス!」「こんにちは」

 

雪は柳に挨拶をしながら、教室の中へと歩を進めた。

すると柳は雪の近くでフンフンと匂いを嗅ぎ、疑問符を浮かべる。

「ん?コーヒーの香水かなんかつけた?」「う‥いえ‥」



(そんな会話をしている雪と柳の横で、聡美はまるで魂が抜けたかのようにボーッとしていた)

彼らはワイワイとお喋りをしながら、互いに近くの席に腰掛ける。







糸井直美はそんな彼らの姿を睨みながら、フンと小さく息を吐いた。

そして教室に入って来た先輩を見つけると、笑顔を浮かべて彼に近づく。

「健太先輩~!」「おお、糸井!なーコレ見た?」「見ましたよ~マジウケるんですけど」

 

健太と直美は、いつの間にかかなりの親密さを有していた。

雪は半ば呆れた気持ちでそれを見ながら、やはりコーヒー臭い髪の毛を気にしている。

マジでコーヒーの香水つけてねーの?



すると教室内に、直美の甲高い声が響き渡った。

「えー!本当に面接まで進んでるんですかー?!」



その言葉に、皆の視線が彼らに注がれる。

「マジマジ~」「わ~!おめでとうございます!」



健太はニヤニヤと笑いながら、聞こえよがしにこう言った。

「俺も近い内、大学生活にピリオドかもな!ははは!」



暫ししかめっ面でそれを聞いていた柳だが、不意にパッと笑顔を浮かべ口を開いた。

彼特有の愛嬌と人懐っこさで、健太の気持ちを上げていく。

「おお~!そうなんすか!」



「おめでとっす!良かったじゃないすか健太先輩!」

「おお。ま、お前らにも絶対チャンスは巡って来るからよ。諦めないで頑張ることだな!」

 

鼻高々でそう話す健太。

すると柳はピッと人差し指を立て、健太の話にこう切り込んだ。

「まぁそれでも、人生が全部思い通りになるワケじゃ無いっすよ」



「面接の結果はまだ分かんないワケですし、卒験の準備も手を抜けねーっすよね。

両方の準備しとかなきゃじゃねーすか?」
「こんにゃろ‥」



そう言って釘を刺す柳に、健太の顔がピキピキと引き攣った。

健太は柳を指差し、大きな声でこう叫ぶ。

「おい!人のことに口出す前に、自分こそちゃんとしろよ?!」

「あ、俺はキッチリやってるんで。先に就職キメた淳も超助けてくれますし」



「だ~よな?赤山ちゃん!」



柳はそう言って、笑顔で雪に同調を促した。

雪は未だ髪の毛を気にしながら、真ん丸い目を彼に向ける。



そして一言「ハイ」と返事した。

柳はクククと笑いながら「淳の過去問持ってんのかな~?アンタらはww」と口にする。




マジむかつく‥ なんなの



明らかな不満を顔に出して、健太と直美はこちらを見ていた。

雪はその状況を前にして、頭の中にある意図がゆるゆると展開して行くのを知る。



雪は柳に向かって、こう切り出した。

「それじゃグループ作って勉強会します?」



柳は乗り気だ。

「お?!そうしちゃう?!」



呆気に取られる健太と直美の前で、彼女のグループはジワジワと広がって行く。

「あの過去問、淳が書き足しも整理もめっちゃしてくれてるんだよな!佐藤、お前もやるか?」

「え?」



「あ‥それじゃ‥」「よっしゃ!」



佐藤も仲間に加わった。すると後方から、遅れて登場した彼女が声を上げる。

「あたしも!」「海ちゃん!着いたんだ」



「うん、一緒にやろ。バスの事故は?

「OK 遅れるから他の乗って来た



海も仲間に加わった。雪と柳は会話を続ける。

「人数少ないですかね?」「だなー。後で皆来たらまた聞いてみるわ。

赤山ちゃんも何人か呼びかけてみてよ」
「ハイ」



そして柳は、聞こえよがしにこう言った。

「何人集まるかなぁ~?」



上機嫌で口笛を吹く柳。

健太は怒りでブルブルと震えながら、じっと彼を睨んでいる。







雪は教室内のそんな状況を、一人じっと眺めていた。

組み敷いた意図が、周りの環境や人間模様に反応して自然と展開して行くのを。



すると不意に、隣に座っている聡美が声を掛けて来た。

「雪、雪」



「ん?どした?」「ちょっと飲み物飲み行こう」



弱々しい声でそう言う聡美の顔を見てみると、明らかに憔悴していた。

目の下にあるクマが、余計に彼女をゲッソリと見せている。



雪はそんな聡美を前に、改めてビックリした。

これは何かあるに違いない‥。

「行こ。私はさっき飲んだからパス



そう言って雪は、鞄を置いて席を立った。

これが後々、一つの騒動の種になる‥。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<彼女のグループ>でした。

明らかに健太直美VS柳佐藤雪 ですね~。

この図式が作りたくて「佐藤に借りたノートPC壊したのを柳のせいにした」事件があったのか‥。


そしてゲッソリしてる聡美‥。

いつもはオシャレさんなのに、服も髪型も超適当になっちゃってる‥


次回は<彼の願い>です。

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1 Comments

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ノーコメゼロ (りんご)
2015-12-06 23:29:42
珍しく誰もいないのは健太&直美だからでしょうか。

健太+直美さん、もれなく2人まとめて撃退…の図式ですかね笑
読者までも散々イラつかせてくれた2人、どんなラストなのか…
そして今回はラスボスは先輩ではなく雪なのか…
恐ろしい結末が待ってそうです~。

直美さんも横山と付き合ったり、清水香織やら健太やら仲間にして残念ですね…
最初はここまで展開に絡むキャラとは思わなかったです
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