Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

それぞれの役割

2015-11-03 01:00:00 | 雪3年4部(鍵の行方~多大なる勘違い)
ゴトンゴトンと地下鉄が揺れる。

雪は今、帰宅途中の電車の中。



膝の上にはノートが開かれている。

期末試験はもう目の前だ。



しかし雪はそれに目を落とすことはなく、遠くを見るような目で空を見つめていた。

地下鉄の揺れに身を任せながら。



頭の中で、細い細い糸が徐々に張り巡らされる気持ちがした。

糸は数々のファクターを経由して行き、彼女の意図へと繋がって行く。







そんな雪の意識を引き戻したのは、一件の着信だった。

ポケットからそれを取り出してみる。



着信画面に、”先輩”の文字が表示されていた。

雪は数秒間、その画面を見ながら固まる。




ん?

先輩から着信‥?

‥‥‥‥。


あっ!そうだった!先輩!!



雪は思わず目が飛び出るほど驚いた。(隣のおじさんも思わずビックリした)

昼間授業中に先輩から電話が掛かってきて、それきりになっていたのだった。

 





雪は慌てて通話ボタンを押すと、ヒソヒソ声で先輩と会話する。

「はい!はい!先輩、明日十二時に行きます。前売り買ってくれたんですか?

うう‥大学で思い出す余裕なくて‥ごめんなさい先輩、はい、はい!では明日!はい~!」




雪は一息でそう話し終えると、電話を切って息を吐いた。

周りの人は引き気味で雪を見ている‥。(ビックリさせられた隣のおじさんは舌打ちだ‥)









小一時間後、ようやく帰宅した。

しかし家の中は静かだ。リビングにも誰もいない。



いつもなら皆帰宅している時間なのに‥。

「?」



不思議に思った雪は、母親に電話してみた。

「もしもしお母さん?どうして家に誰もいないの?」

「それが‥今日はどこかでお祭りでもあったのか、

こんな時間までお客さんでいっぱいなのよ。閉店の時間一時間延ばすことにしたから、先に寝てなさい!」




母はそれだけ言うと、すぐに電話を切ってしまった。

忙しそうに話す母親の後ろから聞こえた、ガヤガヤとした喧騒ー‥。








ネオンの明かりが鈍く反射した空の元、雪は再び外へ出た。

街は未だ多くの人で賑わっている。

「ねーちゃん!」



そして店に入るやいなや、蓮が驚いた顔をした。

「どーして来たの?!」「忙しそうだから手伝いにだよ。河村氏は?」

「今日は出勤日じゃないから‥」



蓮は、亮を呼びつけはしなかったらしい。

「ピアノに集中してるかと思って、敢えて連絡せんかった」



「急にこんななって、呼びたかったけどさ‥代わりに友達一人呼んじったさ



雪はエプロンを身に着けながら、店の様子を眺めていた。

忙しそうに働く両親。



すると後ろから、蓮がこう言う。

「ま、ねーちゃんは帰んなよ!テスト近いんでしょ?勉強しな、勉強。べん!きょ!」



数日前から蓮はずっとこんな調子だ。

姉ちゃんは勉強に集中しなよと、未だ言われ続けている‥。



雪は蓮に背を向け、店内へと踏み出した。

「私、やるよ。自分の仕事だからさ」







姉が今言った言葉。

それが、蓮にはどこか腑に落ちなかった。

「何だよ‥誰が何だって‥?」



蓮は首を捻りながら、忙しく働く姉の姿を見ていた。

が、すぐにお客さんに呼ばれて行き、その疑問は宙ぶらりんのままだ。



夜更けまで、店はガヤガヤと騒がしかった。

蓮の疑問は解決しないまま、次第に暗くなる空に溶けて行く‥。









翌日。青い空に鳥の声が響く。

雪はただ今、爆睡中だ。



口の端から涎を垂らしながら、気持ちよく眠っている。

「うう‥ん」



すると不意に、ベッドの上の携帯が震えた。

雪は「うう‥」と小さく唸りながら、布団の中でモゾモゾする。



ゆっくりと手を伸ばし画面に触れると、パッと光ったそこに数字が見えた。

01:20



‥‥‥。

雪は、再び瞼を閉じた。

なんだ、メールが来てるわけじゃなし‥。



でも何か見えたな。

あの数字なんだろう。

01:20‥。



01:20‥。



01:20‥?



嫌な予感がして、薄目を開けてみた。

そこに表示されている数字が何の意味を持つのか、ようやく理解する。

01:21。

「え‥」



ただ今の時刻、午後一時二十一分。

「え‥?」



「え‥?」



これは白昼夢だろうか?

自分の声が、白い天井に溶けて行く‥。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<それぞれの役割>でした。

興味深い回ですね~。

雪ちゃんがどんなに忙しくても店の仕事を手伝うのは、それが自分の役割だから。

その考えが、蓮君にはどうにも腑に落ちないようです。

姉のことや店のこと、両親や亮のことには気が回るようになった蓮ですが、

まだ自分自身のことには向き合ってないからなんでしょうね。

マジメな姉の姿を見て、蓮も自分の役割に気づいてもらいたいですね^^


そして雪ちゃん‥大大大遅刻‥

文字通り次回は<大遅刻>です。


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6 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
祭で多い客→過労→先輩との照明祭に欠席 (CitT)
2015-11-03 01:36:36
つまり、他人の祭の厄介をしてたら
自分の祭を楽しめられなくなったんです。
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そして・・・ (papurika)
2015-11-03 09:09:05
後の祭り。

あ、ついーー;

楽しそうな(?)先輩のお顔が浮かびます・・・
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Unknown (くうが)
2015-11-04 08:47:51
わお♪もうすぐ本家に追い付いちゃいますね!
ゴタゴタ続きに店の手伝いに先輩とのデートに、、雪ちゃんの勉強する暇がない~期末もだけど雪ちゃんの体が心配だ。
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Unknown (Yukkanen)
2015-11-06 10:02:40
CitTさん
雪ちゃん‥不憫‥(T T)

papurikaさん
後の祭り‥うまい!座布団一枚!笑

くうがさん
本当だ‥もうすぐ追いついちゃいそうですね。休載されないことを願うばかりです(^^;)

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Unknown (Unknown)
2020-09-07 07:19:30
先輩はもっと雪ちゃんとイチャイチャしたいんだろうなぁ…
でも、お互い多忙の身だから、中々会える時間を取れない(泣) ほんと高校時代の彼とは別人ですね。恋をすると女の子は可愛くなるから、そう考えると先輩ってかなり女っぽい…
2人の性別逆バージョンでのお話も読んでみたいなぁ。
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Wunknownさん (Yukkanen)
2020-09-08 10:16:44
性別逆バージョン、面白そうですね!
女バージョン淳、健太先輩や横山を手玉にとってそう‥
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