Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

小さな秘密達

2013-08-27 01:00:00 | 雪3年1部(淳と秀紀遭遇~グルワ発表)


秀紀の家の近くの飲み屋にて、遅くまで酒を酌み交わしていた二人だったが、

遂に秀紀が潰れた。



淳に「お前は金も人も見下しやがってぇ‥」と絡んでは突っ伏す彼を見て、



淳は溜息を吐く。



するとテーブルの上に置かれた秀紀の携帯が震えたが、彼は酔いが回ってそれに気付かない。

淳が携帯を取り着信画面を見ると、そこには”クソ”と表示されていた。

「例の彼女?俺が取ろうか?」



そう言って通話ボタンを押しかけた淳に、秀紀は必死の形相で手を伸ばした。

「と‥取るなよ!携帯こっちによこせ!!」



切羽詰まったような秀紀。

その様子を前にして、淳は不思議そうな顔をして携帯を返す。



秀紀はモゴモゴと、「今喧嘩中だから、わざと無視してるんだ」と理由を述べたが、

どこか不自然だ‥。



もう夜も更けた。

そろそろ帰ったほうが良いと、秀紀は淳の帰宅を促す。



自分は残った焼酎とツマミを食べて帰るから、と秀紀はその場に座ったままだ。

「けど会計はよろしくな!」と言った彼に、淳は「そのつもりだよ」と財布を出す。



そして会計とは別に、ほんの気持ちと紙幣を何枚か置いていった。



あまり飲み過ぎないように、と釘を刺して淳は飲み屋を出た。

残された秀紀は、喜び勇んでもう一本焼酎を注文する。



飲み屋のおばちゃんが、「まだ飲むのかい?」と呆れるのも気にせずに。




更に夜が更け、秀紀は完全に潰れた。



高いびきをかく彼の隣で、”クソ”からの着信は続いている。

テーブルに突っ伏している秀紀の元に、彼の恋人が到着した。



そして彼が携帯を閉じると、”クソ”からの発信も止まった。

「既に酔い潰れてやがる‥」



ここは秀紀の行きつけの飲み屋で、彼が電話に出ない時は大体ここで酔い潰れている。

いつものパターンに、遠藤は呆れつつ青筋を立てた。

「おばちゃん!こんなになるまでどうしてほっといたんですか!」



顔なじみのおばちゃんが、遠藤の姿を見て挨拶した。

「こいつ今日いくら使ったんです?」という彼の質問に、

おばちゃんは連れの方が払って行ったと言った。ハンサムな男だったとニコニコしながら。

「兄さんって呼んでて結構仲も良さそうだったわよ。その子が全部払っていったの」



「‥‥‥‥」



兄さん?

そんな存在が居ることを、遠藤は知らなかった。

酔い潰れた秀紀を俯瞰しながら、遠藤は徐々に不信感が募っていくのを感じる‥。







同じ夜、河村亮は仕事を終えて帰宅。



レストランをクビになり、再び就いた仕事は結局田舎で就いていたのと同じ、土木作業員だった。

何しにわざわざ上京したのやら‥と独り言ちながら、亮は夕飯の準備を始めた。

といっても、カップラーメンである。



カップラーメンにお湯を入れ、冷蔵庫から牛乳を取り出して飲む。



「犯人みーっけ」  ぶふーっ



突然背後から現れた男に、亮は驚きのあまり牛乳を吹き出した。


実はここは数人の男たちが住まう学生寮のような下宿で、この冷蔵庫は共同だ。

亮はいつも内緒で誰かの牛乳を拝借していたのだが、どうやらこの男のものだったらしい。



男は亮を責め、二度と人のものに手を出すなと言うと足音を立てず去って行った‥。






亮はラーメンが出来上がるまでの間、携帯をチェックする。

新しい着信やメールは無い。

あの女は一体どういうつもりだ?

今頃必死こいて連絡よこして来てもいい頃だってのに‥




亮は赤山雪と青田淳との関係がどうなったのかが気になっていた。



ラーメンを食べようと気もそぞろで箸を持ち、麺を持ち上げようとするが、一向に麺を掴めない。

麺は箸から滑り落ち、遂には箸まで滑り落ちた。



亮は知らぬ内に、元の利き手である左手を使っていたのだ。

現実に引き戻された思いがした。



空に左手をかざし、力を込めてみる。



グッと握り、パッと離す。



昔の記憶とはあまりに違うその動作のぎこちなさに、亮は一人空を見上げた。

こうなった原因の男の顔が、目の前に浮かんだ。





あっちから来ないならこっちから送ってやればいい。

そう思った亮は、赤山雪にメールを送った。

淳とは仲直りしたのか? 河村亮



雪は家で一人課題をやっていたところだった。



メールに気がつくと、その文面を見て返信する内容を考えた。

どうにか仲直りしました‥と打とうとしたが、思うところあって打ち直す。



続けて亮の携帯電話が鳴った。



はい。 小娘



「マジかよ!」



亮はその事実を知り、思わず起き上がった。

淳を困らせようと思って、嘘のアドバイスをしたというのに‥。

全く使えない小娘だ、亮はそう呟きながら返信する。

どうやって?オレも参考にしてみるわ



間をおいて、ピロリンと携帯が鳴る。

素直に謝って、話し合いました。



その答えに、亮は訝しく思った。

「謝る?そんなすんなり許してやる奴じゃねーだろ‥?」



またその旨のメールを打ち、それに対して雪が返信を考える。

「んー‥でも最後まで礼儀をわきまえて‥」



雪はまた書きかけの文字を消し、代わりに手短な文章を考えて打ち込んだ。

とにかく携帯にしろアドバイスにしろ、どうもありがとうございました。

それではさようなら




携帯を置き、他の課題も少しやってから寝るとするか‥とPCに向かいかけた時、

雪の携帯がもう一度鳴った。

それならメシおごれ



メールを見るやいなや、雪は携帯の電池を外し放り投げると、サッと布団に潜り込んだ‥。






亮の携帯はそれきり鳴らない。



無視かよ、と独り言ちるとそのままベッドに寝転がった。



赤山雪‥。

なんと掴みどころのない小娘だろう。これは淳も手こずるかもしれない。



亮は淳の困惑した様子を想像し、意地悪く笑った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<小さな秘密達>でした。


遠藤さんの知らない秀紀と淳との関係、淳の知らない雪と亮との関係。

そんな小さな秘密達が、これからの物語に大きく影響を与えていきます。


そうそう、亮の携帯に表示される雪の名前が”小娘”でした‥。

日本語版では”雪女”でしたね~。




次回は<いつもの通りに>です。


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5 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
呼び名 (ちょびこ)
2013-08-27 01:33:43
雪女もウケるけど、小娘もいいですねー。
ガキ扱いしてる感じが萌え。
合体させて「雪ん子」
…カワイ過ぎるか。笑

ダメージヘアーも直訳じゃないですよね。
こーゆーのも難しいですなー。
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ゆきんこ! (Yukkanen)
2013-08-27 09:28:50
ちょびこさん

雪ん子可愛いですね!
本家版を訳してみると、亮は要所要所雪を小娘扱いしてますよね。年の差2つか‥。萌。。

ダメージヘアーって、私はすごく良い翻訳だと思います。直訳だと「犬毛」ですし。日本語版では最初「カツラ」とか言われてましたけど、さすがにカツラは‥と。
翻訳大変でしょうね~。
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ダメージヘアー (ちょびこ)
2013-08-27 12:33:18
そう。本家の呼び名とは意味は違ってくるけど、たまに河村さんが「おいダメージ!」て呼ぶ時キューンてなりますモン。

本家は犬毛。そう、犬毛。
と来たら「犬髪家」って呼び名はいかがか。古いか。。←いやそーゆー問題でもないか。
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 (Yukkanen)
2013-08-28 10:21:12
犬髪家!www

否応なく犬神家を思い出しますww

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それがですね、 (CitT)
2014-02-19 12:52:27
犬毛=ダメージヘアーです。
硬くて、柔らかさが無いし、「さらさら」の反対で・・・
Korean domestic dogの毛って本当にそんな感じですから。

日本犬は触ったことないからはっきり言えませんが、
柴犬もそうじゃないでしょうか?
同じアジアの自然発生種だし。
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