Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

集う友人たち

2013-08-10 01:00:00 | 雪3年1部(映画後~合コン)
雪がアパートから外へ出る階段を登ると、見慣れた顔が彼女を出迎えた。

「な~に今更ビックリしてるのよ~~」



雪は連絡も無しで大量の食料を持って来た二人に、喜びながらも心底驚いた。

そんな二人の言い分はこうだ。

「授業が急に無くなった日、何をして過ごすのが正解でしょうか?

学生の本分を正し、勉学に励むのが正解だと思っていませんか?」




二人は買い物袋をガサッと持ち上げた。

「いいえ。腹を満たしてやるのが正解デス」



二人が買ってきたのは、焼肉の材料だった。

雪の一人暮らしの引っ越しパーティーも兼ねて、豪勢にいこうということらしい。



三人が家の前でワイワイ喋っていると、例の如くお隣りさんがドアを開けて顔を出した。

「ちょっと!今度は友達と力を合わせて騒音公害でも起こすつもり?!

あんたはあたしの人生をぶち壊す為に現れた悪魔なの?!」




そのインパクトに、思わず固まる味趣連。



まだ小言が続くかと思われたが、

隣人は太一の持っている肉に目を留めるとヨダレを垂らし‥。







世界で一番強い技は、相手と友達になることだという言葉がある。

果たして騒動は一件落着。

お隣さん含め四人は雪の部屋で焼肉を始める運びとなった。



隣人は久々に食べる肉に涙を流し喜び、太一は急速に無くなる肉に危機感を覚えて目一杯口に頬張る。

聡美は既に酔っぱらい、バッグからタバコを取り出して吸おうとした。

「ここは禁煙です!」



雪の手刀チョップが炸裂した。

タバコ嫌いの雪は部屋に匂いがつくからダメと注意したが、

それ以上に聡美がまだ喫煙していることに小言を言う。



聡美は雪に説教されたことが却って嬉しかったらしく、

雪に抱きついた。



雪の携帯が鳴って、彼女は電話に出た。

どうやら彼女の母親かららしい。

「お母さん?今友達とご飯食べてる。お肉をね、皆が買って来てくれたんだ‥」



聡美は雪と母親との何気ない会話を聞きながら、

その後姿をボンヤリと見ていた。



太一はそんな聡美を見ながら、聡美の母親についての記憶を思い出す。



両親が幼い頃に離婚して、母親の居ない聡美。

彼女の後ろ姿は、母親の帰りを待つ子供のように小さく見えた。

「幸せになるんだ‥」



小さくそう呟く聡美。

太一がその華奢な肩に、手を置こうとした時だった。

「聡美さ‥」




「大好きだ~!あたしのこと忘れんなよ~~!」



突然の大声に、太一の慰めは掻き消えた。

そして聡美はそのまま、”Love and Memory”という曲を歌い始めたのだった。

♪別れを後悔した時はああああ~♪いつでも私の元へ戻っておいでぇ~♪



「♪I say SATO! You say MI! Say SATO!」        

「♪MI!」



息ピッタリである。太一は「ご近所さんに迷惑になりますから止めて下サイ」と冷静に言うも、

実は一緒に盛り上がっているのがそのご近所さんであった‥。



一人冷静な太一は、

「雪さん戻って来たらカラオケでも行きましょう」と提案するが、



そのテンションの低さを見咎めた聡美は、太一の頬を掴んで顔を引き寄せた。

「お姉さまの言うことを無視するバカモノ~!その顔をしかと拝んでやろーじゃないの!」



太一の目の前に聡美の顔がある。

聡美はニヤッと笑って太一の頬を撫でると、「男前~~じゃん?」と言って頬をペチペチと叩いた。



固まる太一に反して、

聡美はそう言ったきり酔いが回ったのかその場で寝てしまった。



お隣さんが、酔いつぶれてしまった聡美に

「置いてかないで~」とゆさゆさ起こそうとしている横で、太一は依然として固まっている。



ただ心臓だけがドクドクと脈を打ち、

まるで身体を何かに乗っ取られてしまったかのように、身動きが取れない。










結局そのまま聡美は夜になっても起きず、

聡美の家まで太一が彼女をおぶり、雪の介抱を得て自宅まで送り届けた。



翌日聡美は授業開始時間が迫っても、雪からの電話に出なかったという‥。





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<集う友人たち>でした!

聡美が歌っていたのはこの歌です↓

GOD - Love and Memory [ENG SUB]


韓国語の名前の「BO!RA!」の方が語呂がいいですねw


次回は<不穏な成り行き>です。


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2013-08-09 01:00:00 | 雪3年1部(映画後~合コン)
経営学科の教室では、三年女子三人がとある噂を耳にしていた。

「え?」



情報発信源はキノコ頭の二年生。



内容は、先日赤山雪が青田先輩に慰められていたのを目撃したというものだった。

ぐすんぐすんと泣いた赤山雪が、キノコ頭の子にはわざとやってるように見えたと言う。

青田先輩に近付くために、故意な泣き真似をしていたのではないか‥。



その話に、三人は顔を見合わせた。

しかし直美さんが、それはちょっと考え過ぎだと釘を刺す

「少し意外ではあるけど‥雪ちゃんが泣いてたから慰めてただけでしょう?それがどうかしたの?」



キノコ頭は話が予想外な方向へ流れるので若干慌て出し、



果ては事実を皮肉っぽく話す彼女自身が責められる形になった。

「青田先輩は学校のアイドルみたいな存在じゃん。

まさかマジで自分が付き合えるとでも思ってたわけ?」




三人はそのまま授業が始まると言って、さっさと教室へ入って行った。

キノコ頭は想定外な結末に、一人頭を抱えて悔しがる‥。



その後方を、話を聞いていた柳と健太が通りすぎて行った。

特に柳は面白そうにニヤニヤと笑っている。

「今の聞きました?ついに淳にも何か起こるかもしんないっすね!」



赤山なら頭も良いし顔も可愛いから、もしかしたらもありうるかもと言う柳に対して、健太は懐疑的である。

「‥じゃあ恵ちゃんはどうなるんだ?」



柳が「誰ですかそれ」と言ったのには耳も貸さず、健太はモヤモヤとした気持ちになった。

赤山が恵を青田に紹介したんじゃなかったか‥。なのに今は、青田が赤山を‥?



この健太の懐疑心は、今後青田淳に対する態度を大きく変えることになる。




授業後、中庭の一角で男子学生たちが一服していた。



ベンチに座る健太の前で、学生二人が世間話をしている。

授業で一緒になった女が、経営学科にいるイケメンについての言及をしてきたので、

適当に逃げてきたという話だ。二人は苦笑した。



青田淳は公共の敵だなと冗談交じりに嗤い合う二人であったが、

それを聞いていた健太が、彼らに向かって言った。

その冗談、まんざらでもねーぞと。

「俺が思うに、青田はやり手だ」



健太は、赤山から自分に紹介してもらう筈だった小西恵が、

いつの間にか青田淳に取られてしまったという話をした。



しかし今なぜか青田は赤山と良い感じだという噂を耳にして、

青田淳は手慣れたやり手なんだという風に結論付けた。

「青田ってそういう風には見えないすけど‥」という男子学生に対して、

「甘ぇよ。人ってのは何考えてるか分かんねぇ生き物なんだぞ?」



そう言った健太は、これまでの青田淳の行動についての言及を始めた。

去年青田にずっと付きまとっていた平井和美。青田は特に嫌がる素振りは見せなかった。

和美以外にも青田を狙ってる女はごまんといた。皆の知らないところで、つまみ食いしていたに違いない。

よく知らない女とも電話で会話している。やはり青田はやり手なんだ‥。



それを受けて、初めは冗談で口にしていた彼らも徐々に真実味を帯びた話に神妙になった。

健太の言う、紹介されるはずの女を横取りしたというのが本当なら有り得ないし、

振り返ってみれば少々鼻に付く言動も今までにあったと言い出した。

「たまに自分の外見に自惚れてるっぽい態度も取るしなぁ」

「外見もそうだけど金が多いのも嫌味だよな」「親に恵まれたな」




そんな様子を、離れたところから見ている二人が居た。

「ほれ見ろ。俺の言った通りだろ?」



皆いつも淳の前では媚びへつらってるくせに、いざとなったら手の平を返すんだと柳は言う。

「なぁお前、健太先輩に恨まれるようなことでもしたのか?

お前のことあんなにかわいがってたのにこんな急に‥」




柳は健太の態度の変貌に疑問を持ち、そう淳に問うが、

淳は動じること無く、こう言った。

「何を今更」



淳は全て分かっていた。

唯一友人と呼べる柳の前で出た、それは本音だった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<噂>でした。

淳は柳先輩に完全に心を開いているわけではないですが、

たまに本音を漏らせる数少ない友人だと思います。

柳先輩も普段はおちゃらけてますが、ここぞと言う時にはちゃんと空気を読むし、

周りの人間関係を良く見てる。

そういう意味では雪や淳寄りの人だなぁと思います。


次回は<集う友人たち>です。

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