ノハカタカラクサTradescantia fluminensis Vellozo は南アメリカ(ブラジル-アルゼンチン)原産の多年生植物で、属名のTradescantiaは17世紀英国の植物学者John Tradescantの名に由来し、種小名のfluminensisは”リオ・デ・ジャネイロの”という意味です。 原産地のブラジル(リオ・デ・ジャネイロ)に由来した命名でしょう。
昭和初期に葉に白斑の入った園芸品種が観賞用に導入され、温暖地などで逸出、野生化して斑を消失したものだそうです。
*ノハカタカラクサ&ミドリハカタカラクサについてアップしましたのでこちらをご覧ください。
オオトキワツユクサはミドリハカタカラクサよりもさらに大型で、葉は長さ7~12cm、萼背面の毛は長さ1mm近くあります。 通常種子はつくりません。
Tradescantia albiflora Kunth として分類されていることもありますが、ノハカタカラクサT. fluminensis Vellozo のシノニムとされています。
萼の背面の毛は1mm以上ある。 この画像のものは1.0-1.6mm。
園芸植物のシラフツユクサT.albiflora Kunth 'Albo-vittata'の斑が消えたものだそうです。
ミドリハカタカラクサ Tradescantia fluminensis Vellozo 'Viridis' は、ノハカタカラクサよりもやや大きく 葉・茎・葉の裏もすべて緑色をしています。 種子はできませんが繁殖力はとても旺盛で、このあたりではノハカタカラクサよりも繁殖しています。
「葉の縁に微細な毛がある」と帰化植物図鑑には書かれていますが、これは無毛です。
園芸植物の シロフハカタカラクサT.flumiensis Vell. 'Variegata'の斑が消えたものだということです。
ウスイロツユクサとはいったいどのような花の色をしたツユクサなのでしょうか
野外では、まれに薄い青色のツユクサや藤色のツユクサを見かけることがあります。
このウスイロツユクサの花の色について下のページにまとめました。
ウスイロツユクサ;花色の正体
多年生植物で、1mくらいに成長します。 エキゾチックな色合いをしています。
花のつくりは Commelina属にそっくりですが、花柄が苞に包まれてまいない点が大きな相違点です。
1911年にコンゴで採集した標本がタイプになっていて、種小名は採集者のA. Hock にちなんで名付けられています。
シュッコンツユクサ(C. erecta L.)は熱帯地方(アフリカ)から、温帯地方(アメリカ、西アジア)に広く分布する種です。
その変異の幅はたいへん広く3つの変種に分類する見解もありますが、それらの有意性は疑わしいとする研究者もいます。
和名は本種が多年草で、越冬する太い根をもつことから”シュッコンツユクサ”と名づけられたものでしょう。
斑入りのホウライツユクサを見つけました。 濃い緑の葉に白いメッシュがなんだかオシャレでしたので写してみました。
苞の部分にも白い斑が入りなかなか綺麗です。
一年生植物で、メキシコからニカラグアまでの熱帯の地域に生育しています。 Tinantia 属には14種ほどあり、ブータンツユクサやアカバナツユクサと呼ばれています。
海外では widow's tears (未亡人の涙)と呼ばれています。 美しい花がいつもうつむき加減に咲いている様子からでしょうか・・・
また、 Commelina属と類似点が多いことから false dayflowers (偽のツユクサ)とも言われています。
ツユクサの花弁の色は普通は青色ですが、稀に藤色(薄い紫色)をしたものもあります。
ふじ色と本来の青とが、一枚のはなびらを染め分けたようになっているものもごく稀に見つかります。 一つの植物体に異なる遺伝子をもった細胞が混じっていることによってできる現象だと思われます。
昨年(2012年)の10月に岡山県の方からツユクサについての問い合わせがありました。
花のシーズンはすでに終わっていましたが、まだ枯れてはなくてわずかに小さめの花が残っているとのことでしたので、全体の写真と種子を送って頂きました。
画像と種子のようすからカロライナツユクサの特徴がいくつか見られましたので、おそらく本種でしょうと連絡をさしあげました。
詳しくは今シーズン発芽させて調べてみますがカロライナツユクサにほぼ間違いないと思います。
生育場所:岡山県小田郡