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畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載21『平茸』

2015-05-29 20:15:28 | 山菜
 

  平茸

 何年か前に小千谷の知人から「平茸」を頂いて、
その美味しさに驚いた。
栽培物は「シメジ」の表示でも売られる、濃いグレーの美味しい茸なのだ。

 しかし、大きくて、肉厚で美味しいその茸が、近くに出るとは思いもしなかった。
その年は暖冬で、十二月になっても中々雪は積もらない。時間を持て余し気味になり、
椎茸の栽培を思い付いた。

  早速チェンソーを持ち出し、山の畑の脇にある我が家の雑木林に入った。
ふと気が付くと、立ち木に平茸が出ているではないか。
半信半疑で採って帰り、知人に聞いたが、間違い無さそう。

 そこで、自分なりに出る場所を推理して、休日に山に入った。
目的とした、中越地震で崩れ落ちた木には全く無かった。
しかし、諦め気味に尾根に取り着いて昇ると、推理に間違いが無かった事に気付く。
目を疑うような光景だ。平茸が重なり合って出ていたのだ。

  根元から二本に分かれた大きな楢にも出ていた。
その間に身体をこじ入れ、よじ登って採った。何本かの楢の木で平茸を採ると、
スーパーのレジ袋は二つ満杯だ。
中には手の平の倍、子供の野球グローブほどもある大きい物も有った。
その年は、それからリュックサックを背負い、初雪が降ってからさえ、
尾根や山中をさまよい「平茸」を採り続けた。

 そんな良い思いも、やがて人の知るところとなり、そして、
立ち木が古くなってほぼ終りを迎える事となってしまった。

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