悪ガキはあだ名付けの天才だった(その1)
小学生の時代の先生は子供たちにとっては、尊敬、畏怖の存在。あだ名をつけるなんて思いもよらないことだった時代。しかし、これが中学生ともなると生意気盛りとも言える年代になり、それなりの知恵もついてくる。
そこで、言葉の遊びとも言える先生へのあだ名付けがなされる。洒脱なんて言葉は当たらなくとも、それなりに、なるほどと思わせられるあだ名が付けられた。同級生と言うよりも、先輩たちから引き継いだ傑作がほとんどだった。
親しみと、その先生の怖さを隠すためか、姓ではなくてあだ名感覚で名前を呼ぶ、例もいくつかあった。「峯治」なんて陰でひそかに呼んでいた。
あだ名の語源は伝わっていなくても傑作は「タヌキ」なんて先生も。なんだか納得させられるあだ名。「ギー坊」は、名前の頭文字に僧籍をお持ちの社会科の先生だから、下に坊をつけたもの。他にも「シスター」なんて優しい男の先生、下の名を一部使った「グンパ」、恐ろしい教頭はその容姿から「キューピー」、やはり容姿から「シロ豚」などなど、ひどいけれども面白い。
(続く)