本屋がたくさんあったころ(その1)
長岡で会合があり、出席のために久しぶりに電車で行く。会合の終わりには懇親会があり、自動車では酒が飲めないからでもあった。電車の不自由なところは、時間が制約されること。長岡に着いたが会合開始時刻までには時間がある。
思いついて、会場近くの懐かしい本屋さんに立ち寄ってみた。長岡駅からまっすぐ大手通を進み、二つ目の信号機を左に曲がったあたりです。高校に通っていたのは半世紀もの昔の話になってしまったが、その本屋さんは通学路の途中でもあったのでした。
あの頃は大手通界隈には、思い出される本屋さんは四軒ほどあったのではなかったか。電車の時間待ちなどに本屋巡りをしたものです。いつの間にか本屋さんは無くなり、残っているのは今回立ち寄った一件のみになったようだった。
本屋さんに入ると、少し異様な感じにとらわれる。本棚の商品、本が少なくて空きスペースが目立つのです。片付け物をしていた年配の男性に懐かしくて立ち寄ったと話します。すると、主人と思われる男性の口からは何とも可哀そうになるような話しか出てこないのでした。
(続く)