今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

二十日正月

2008-01-20 | 行事
今日(1月20日)は「二十日正月」
「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」
これは、室町時代臨済宗で、京都の大徳寺を本山とする大徳寺派を復興させた禅僧一休宗純・・・などというよりも、あの「一休さんの頓知咄」で有名な僧が詠んだ句 (『狂雲集』) である。
前に、本来お正月というのは、年の初めにあたって、一年間家を守ってくれる歳神さま〈お正月さま〉を迎える行事で、門松は歳神さまの依代(よりしろ)であり、神さまが降りてくる目印と考えられていた。また、鏡餅は歳神への供え物であり、各家で歳神棚・恵方棚などと呼ばれる棚を作り、そこに歳神への供え物を供えた(歳徳神参照)。
正月」とは、中国から来た言葉で本来は、旧暦1月の別称だが、現在では新暦正月の事を意味し、旧正月をわざわざ旧と断っている程である。現代では通常1月1日から1月3日まで(三が日=さんがにち)、または「松の内」を指すことが多いが、1月7日(七日正月、人日の節句)、1月11日 (鏡開き)、14日また15日(小正月)までとすることが多いが、1月20日までを正月とすることもあり、1月20日を「二十日正月」と呼ぶ。(本来はいずれも旧暦)。
明治時代まで、色町でも町家でも盛んにうたわれた手まり唄で、1年12月の季節の変化や大阪の年中行事を読み込んだ「ジュウニツキ【十二月】」というものの最初の正月に以下のように歌われている。
「トントトントントトン二上り 
   先ず初春の、暦開けば心地よいぞや皆姫はじめ、
   ひとつ正月年を重ねて、弱いお客はつい門口で、
   お礼申すや、新造かむろは例のかわらけ取りどり、
   なずな七草囃し立つれば、心いきいきついお戎と、
   じっと手に手を〆の内とて、
   奥も二階も羽根や手まりで拍子そろえて、
   音もドンド(左義長、大阪でトンド)と突いてもらえば、骨正月や」
以下参考に記載の世紀末亭【上方落語メモ第6集】その290 「狸茶屋」より抜書きさせてもらった。
二十日正月は、「松納め」、「正月送り」また、「あがり正月」などともいい、正月の終りとなる節目の日であり、かつては正月の祝い納めとして仕事を休む物忌みの日であった。万事のんびりした昔の人もこの日の行事をもって正月を終了したようだ。
「鏡開き」は、正月に年神様にお供えした鏡餅を雑煮や汁粉にしていただくことによって、一家の今年1年の円満と無事息災を願う行事であり、鏡餅は神棚や床の間などに飾った。
京阪神地方では、二十日正月に、正月に供えた鏡もちを食べたり、正月に用いた(ブリ)の骨や頭を酒粕・野菜・大豆などと一緒に煮て食べる風習があったことから、前の歌にも出てくる「骨正月」ともまた「頭正月」とも言っていた。鰤(ブリ)は、小より大に至るに従って次第に名を変える出世魚。人も師の教によって心の徳が増し成長する。そこで、縁起のよい魚偏に師(鰤)の字をあてたと言われている。昔は年末に、正月用の鰤を一尾まるごと買い荒縄で縛って、はしり(台所の流し)などに吊るしておき、少しずつ切り取り料理した。20にもなるともう、身もほとんどなくなるがそのような頭や骨ばかりになったような鰤や神棚からのお下がりの硬くなった餅や串刺しの干し柿などを食べ尽くした。そして、この日に小正月の飾り物も取り納め仕事始めとする。当日、乞食正月と称して、乞食が家々を回って残り物をもらうという地方も昔はあったようだ。他の地方でも正月の御馳走や餅などを食べ尽くす同様な風習があるようだ。
このブログ1月11日「鏡開き」でも書いたが、現在は11日を「鏡開き」をするが、今のような「鏡開き」(行事)は、近世に始まり、もともとは武家社会の風習だったものが一般化したもののようで、この風習は室町時代(14世紀頃)から行われていたようである。武家では「具足開き」と言い、男性は具足(鎧や兜のこと)にお供えした「具足餅」を、女性は鏡台にお供えした「鏡餅」をそれぞれ雑煮にして食べたことが始まりのようである。民間では諸日あったようであるが、古来、正月は、20日が祝い納めであったようだ。武家では一般 に20日に鏡餅をおろし「20日祝い」と言っていたようである。しかし、徳川3代将軍家光の忌日が20日(慶安4年4月)であったために、11日に改められめられたと伝えられている。武家社会では”切る”は切腹を連想させるため忌み、刀で餅を切ることはせずに槌などで割った。だから「鏡開き」の「開き」は「割る」の忌み詞でもある。
パーティーなどで酒だるのふたを木づちで割ってあけることことを鏡割りとも言うよね。皆さんは、鏡開きはどうされましたか?
「松過の又も光陰矢の如く」   高浜虚子
いや、この年になると、日の経つのが早いこと。年々早くなり、それは、まさに、光陰矢の如しだよ・・・・(×_×)。
(画像はぶり大根。フリー百科事典Wikipediaより)
参考:
Wikipedia - 二十日正月
http://ja.wikipedia.org/wiki/二十日正月
歳神
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B4%E7%A5%9E
オキナワカルチャーアーカイブ/二十日正月
http://www.culture-archive.city.naha.okinawa.jp/html/b_contents/10042000.html
1月11日「鏡開き」
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/42cfc37f1ef9cf838bd1740e9bf16faa
一休宗純 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E4%BC%91%E5%AE%97%E7%B4%94
松岡正剛の千夜千冊『狂雲集』一休宗純
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0927.html
鏡開き - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8F%A1%E9%96%8B%E3%81%8D
「鏡開き」をまるごと解明! - [暮らしの歳時記]All About
http://allabout.co.jp/family/seasonalevent/closeup/CU20070102A/
世紀末亭【上方落語メモ第6集】その290 「狸  茶  屋」
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug290.htm
高浜虚子 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%B5%9C%E8%99%9A%E5%AD%90
高浜虚子 新年の句
http://www5c.biglobe.ne.jp/~n32e131/haiku/kyoshisinnen.html